イワシの旬は種類ごとに違う!おいしい時期や選び方、栄養やレシピ4選もご紹介

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イワシの旬は種類によって異なります。日本でよく漁獲される3種類のイワシのおいしい時期は、少しずつ違うため1年を通しておいしく食べられる魚です。脂がのった鮮度の良いイワシは生で食べると大変美味ですが、鮮度の落ちやすい魚でもあります。ただし、調理法は数多く、多少鮮度が落ちているイワシでもおいしく食べられます。本記事では、イワシの旬をはじめ、おいしいイワシの選び方、栄養やレシピをご紹介しています。

【種類別】イワシの旬や特徴

「イワシ」といえば、秋を連想する方も多い魚ではないでしょうか。

どのイワシの旬にも秋が入っていますが、梅雨の時期に獲れる「入梅イワシ」や、季語にもある「春鰯」など、実は1年を通しておいしく食べられる魚でもあります。

イワシは回遊魚であり、旬は種類や産地によって異なるためです。

ここでは、日本で漁獲されるマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの旬や特徴についてご紹介します。

マイワシ(5〜10月)

マイワシの旬は、5〜10月です。

6〜7月の梅雨の時期に水揚げされるイワシは「入梅イワシ」と呼ばれ、産卵前のため非常に脂がのっています。8〜9月は北海道釧路沖で水揚げされるマイワシが旬をむかえ、旬の時期が長いのが特徴です。

2〜5月も富山県などの日本海側で獲れるマイワシは「春鰯」と呼ばれ、ほかの時期にはない味わいを楽しめます。

日本のスーパーや鮮魚店で販売されているイワシは「マイワシ」であることがほとんどで、イワシのなかでも、漁獲量が多いため日本人にもっとも親しみのあるイワシともいえるでしょう。

出世魚のため、大きさによって呼び方や使い道も異なります。体長は20〜30cmまで大きくなり、刺身やつみれ汁、蒲焼などさまざまな料理で味わうことができるのもマイワシの魅力です。

ウルメイワシ(10〜2月)

ウルメイワシの旬は、脂がのる10月〜2月です。

イワシのなかでも特に鮮度が落ちやすいため、加熱して料理するとおいしく食べられる種類ともいえます。

夏から秋に水揚げされるウルメイワシは、脂が少ないため干物として使われることが多いです。

体長が40cmほど大きくなる個体もありますが、細長くスマートな見た目をしています。

イワシのなかでは脂が少ないですが、旨みが強いのも特徴です。

ウルメイワシのフライやムニエルにしても、濃厚な味わいを楽しめます。

カタクチイワシ(9〜1月)

カタクチイワシの旬は9月〜1月といわれています。

しかし、旬は産地によって違い、産卵の時期をのぞけば1年中おいしく食べられる種類でもあります。旬を気にせずおいしく食べられる種類といえるでしょう。

ほかの2種類と比べて小さい体のため、アンチョビや煮干しに加工されることも多いです。

稚魚のカタクチイワシは「しらす」としても漁獲されています。

おいしいイワシの選び方は?

イワシは「魚編に弱い」と書いて鰯(いわし)と読みますが、弱くてすぐ死んでしまうことに由来しています。また、イワシは鮮度が落ちるのが早く、生臭さが目立ってしまうのもその漢字がつけられた由来ともいわれているようです。

おいしいイワシを選ぶには、旬の時期であるのはもちろんですが「鮮度の良いもの」を目利きすることがとても大切です。ここでは、おいしいイワシの選び方をチェックしていきましょう。

目が黒く澄んでいる

鮮度の良いイワシは、目が黒く澄んでいるのが特徴です。

鮮度が落ちてくると、血がにじんだように赤く変色します。イワシをあまり見たことがない方でも分かりやすいポイントなので、イワシを購入するときにはよく確認しましょう。

うろこが残っている

イワシはうろこが剥がれやすい魚です。水揚げされてから時間が経つにつれて、うろこはどんどんはがれてしまいます。

うろこがはがれることなく完璧な状態のイワシはないかもしれませんが、うるこがある程度残っているか、よく見てみましょう。

色・ツヤが良い

イワシは弱い魚で鮮度が落ちやすいため、時間の経過とともに皮肌の色やツヤがなくなっていきます。

潤いがあり、ツヤツヤな皮肌であるかもチェックしましょう。

まるまると太っている

脂のりが良いか見分けるには、まるまると太っているかというのもチェックすべきポイントです。

脂がのっていないイワシは、細い体をしていて身がパサついていることがほとんどです。

頭が小さく、体がまるまると太っているイワシを選びましょう。

栄養の宝庫!積極的に摂取したいイワシの栄養成分

どのような料理法でもおいしく、うまみ豊かなイワシですが、魅力は味だけではありません。

人間が健康な体で生活するために必要な栄養分を豊富にふくみ、おいしく健康を維持できるスーパーフードともいえる食材です。

イワシの栄養成分と、健康にどのような効果があるのかを確認していきましょう。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHAは不和脂肪酸の一種で、人間の体内では作れない必須脂肪酸でありながら、脳や網膜、心臓などにも多く存在する成分です。

それ以外にも、アレルギー疾患や動脈硬化、脳卒中の予防や改善にも期待でき、記憶力や言語能力にも良い影響があるといわれている栄養価です。

DHAは1日に1〜1.5gを摂取するのが理想的だといわれており、小さめのイワシであれば2尾分のため日々の食事にも取り入れやすいでしょう。

EPA(エイコサペンタエン酸)

EPAも不和脂肪酸の一種で、人間の体内では作れない必須脂肪酸です。

血管や血液の健康維持に重要な栄養価で、血管年齢を若く保つ、血液をサラサラにしてくれる、動脈硬化を防ぐ、心臓病を防ぐ効果などが期待できます。

EPAは1日に1,600〜2,000mg摂取するのが目安だといわれており、2尾ほど食べると十分です。

亜鉛

亜鉛は人間の体に必要なミネラルで、酵素たんぱく質の構成要素として重要な働きをしています。

不足すると、皮膚や粘膜の再生不良、味覚・聴覚障害が起きることもあります。

また、胎児の発育や、骨の成長、肝臓や膵臓など新しい細胞が作られる器官にも必要なミネラルなため小さな子どもから大人まで積極的に摂取したい栄養価です。

ビタミンB6・ビタミンD

イワシは、ビタミンも豊富にふくんでいます。

ビタミンB6は皮膚や髪、爪などの再生、赤血球のヘモグロビンの合成、脂質の代謝にも関与していて健康と美容のビタミンです。

ビタミンDは骨の成長や免疫機能を調整するビタミンで、不足すると筋肉や骨が弱くなってしまうため健康維持のためにしっかりと摂取しておきたいビタミンです。

カルシウム

イワシにはカルシウムも豊富にふくまれています。

丈夫な歯や骨の形成に重要な成分で、神経情報の伝達や筋肉の動きを調整するためにも必要です。

不足すると、骨粗鬆症や高血圧、動脈硬化の原因にもなるため高齢者はもちろん、小さな子どもにも摂取してほしい栄養です。

イワシのおいしい食べ方・レシピ4選

イワシのうまみをたっぷりと味わえるレシピを、4つご紹介します。

鮮度が良いイワシは、ぜひ生で食べてみてください。

ほっこりおいしい!イワシのつみれ汁

イワシといえば、つみれ汁。味噌との相性が抜群で、うまみが体にしみる一品です。

《 材料(4人分) 》

  • 大根:100g
  • にんじん:60g
  • 長ネギ:1/2本
  • 水:700ml
  • 味噌:大さじ2
  • 顆粒だし:小さじ1

ーつみれの材料ー

  • イワシ:3尾
  • みそ:小さじ1
  • しょうがチューブ:小さじ1
  • 薄力粉:大さじ1

《 作り方 》

  1. イワシのうろこを取り、頭を切り落とす。腹わたを取り、手開きにしたら中骨とヒレを外す。
  2. 包丁で粘り気が出るまでたたく。ボウルに移して、みそ小さじ1、しょうが小さじ1、薄力粉大さじ1を入れて混ぜる。
  3. 大根、にんじんをイチョウ切りに、長ネギを斜めに切る。
  4. 鍋に水を入れて沸騰させ、だしを入れたら2をスプーンを使って団子状にしていれる。弱火にしてアクを取る。
  5. 3の野菜を入れて、15分ほど煮て火が通ったら、火を止めてから味噌を溶かす。
  6. お椀によそったら完成。

イワシのさっぱりマリネ

さっぱりと食べられるイワシのマリネは、夏にも最適で副菜としても活躍します。

《 材料(2人分) 》

  • イワシ:3尾
  • 塩・こしょう:適量
  • 玉ねぎ:1/2個
  • にんじん:1/4本
  • ピーマン:1/2個

ータレの材料ー

  • お酢:大さじ1.5
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 砂糖:大さじ1
  • 塩・こしょう:適量
  • レモン汁:大さじ0.5

《 作り方 》

  1. ボウルにタレの材料をすべて入れ混ぜる。
  2. 玉ねぎを薄くスライスして水にさらしておく。
  3. にんじん、ピーマンを千切りにして、水気をよく切った2の玉ねぎと一緒にボウルにいれる。
  4. イワシのうろこを取り、頭を切り落とす。腹わたを取り、手開きにしたら中骨とヒレを外す。5cm幅に切る。
  5. 1のタレと、野菜、イワシを混ぜ合わせてから冷蔵庫に入れ、1〜2時間ほど味をなじませて完成。

新鮮な生イワシはマリネにして食べるのもおすすめです。

もし、鮮度が落ちているイワシでマリネを作りたい場合は、塩コショウで下味をつけ、薄力粉をまぶして揚げたものを使ってもおいしく作れます。

サクッとイワシのフライ

イワシは、フライにしても間違いないおいしさです。

《 材料(2人分) 》

  • イワシ:4尾
  • 卵:1個
  • パン粉:適量
  • サラダ油:適量

ー下味ー

  • 酒:大さじ1
  • しょうがチューブ:小さじ1
  • 塩・こしょう:適量

《 作り方 》

  • イワシのうろこを取り、頭を切り落とす。腹わたを取り、手開きにしたら中骨を外す。
  • バットに下味の材料をすべて入れて、イワシに染み込ませるようになじませる。
  • 5分おいたらキッチンペーパーで水気を拭き取り、薄力粉、溶き卵、パン粉の順番にまぶす。
  • サラダ油を170〜180℃に熱し、カラッときつね色になるまで揚げる。
  • 油をきり、お皿に盛ったら完成。

レモンやポン酢をつけてさっぱりと、ソースをつけてガッツリと食べるのもおすすめです。

新鮮イワシのカルパッチョ

脂がのった、新鮮なイワシが手に入ったらイワシのカルパッチョでさっぱりおいしく食べてみてください。

ぱぱっと作れるのも嬉しいレシピです。

《 材料(2人分) 》

  • イワシ:2尾
  • 玉ねぎ:1/4個
  • レモン:1/2個

ーソースの材料ー

  • オリーブオイル:大さじ2
  • 塩こしょう:適量
  • しょうゆ:小さじ1/2

《 作り方 》

  1. イワシのうろこを取り、頭を切り落とす。腹わたを取り、手開きにしたら中骨とヒレを外す。
  2. 玉ねぎをみじん切りにして、5分間水にさらす。水気を切ったらキッチンペーパーに包んで余分な水気をしぼる。
  3. ソースの材料をすべて混ぜる。
  4. お皿にイワシを並べ、玉ねぎを散らしたら、3をかける。
  5. お好みでレモンを絞ったら完成。

イワシの旬は種類や産地によって異なるが、1年を通しておいしく食べられる

イワシの旬は種類によって違いがあり、マイワシは5〜10月、ウルメイワシは10〜2月、カタクチイワシは9〜1月と時期が少しずつ異なります。

3〜4月も、春鰯と呼ばれ日本海側で漁獲されるイワシは非常においしいといわれています。

イワシは栄養価が高く、低価格でお財布にもやさしいのが嬉しいポイントです。鮮度が落ちるのが早いのが難点ですが、料理法が数多くあるため毎日の食事に取り入れたい食材です。

購入するときには鮮度をチェックして、脂ののったおいしいイワシをぜひ食べてみてください。

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