これから旬を迎えるたけのこは傷みやすい食材のひとつ。歯応えがありさまざまな楽しみ方ができる春の味覚です。食感の強い食材は「冷凍して保存したら食感が悪くなるのでは?」と思われてしまうかもしれませんが、たけのこをなるべく長持ちさせるためにおすすめなのは、冷凍保存をすること!美味しくたけのこを保つための冷凍保存方法を解説していきます。たけのこを使ったレシピも合わせてご紹介するので、ぜひ作ってみてください。
たけのこは冷凍して保存するのがおすすめ
たけのこは4月から5月頃に旬を迎える代表的な春野菜のひとつです。シャキシャキとした食感が特徴で、煮物、炒め物、スープ、たけのこご飯など、幅広い調理方法でおいしく食べられます。
ただし、たけのこは水分量が多く、傷みやすい食材なので取り扱いには注意が必要です。せっかく買ってきたり、もらったりしたのにも関わらず、傷んでしまって食べきれない経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。「春の味覚を少しでも長持ちさせたい!」「色々な方法でたけのこを楽しみたい!」という方におすすめなのが、たけのこを冷凍保存する方法です。
たけのこを冷凍保存する2つのメリット
たけのこは足の速い食材のひとつで、保存方法を謝ると鮮度が落ちてしまったり、苦味やえぐみが出てしまったりします。たけのこを冷凍して保存するのには2つメリットがあります。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1.保存期間を延長できる
たけのこの保存期間は冷蔵の場合は1週間ほどであるのに対して、冷凍の場合は1ヵ月ほどに延長できます。1ヵ月あればすぐには使いきれない量でも少しづつ使え、痛ませてしまうことなくたけのこを楽しめるでしょう。さらに、少量ずつに分けて冷凍保存すれば、必要なときに必要な分のみ使えます。
ただし、1ヵ月を超えて冷凍保存してしまうと冷凍焼けしてしまったり、食感に劣化が生じたりする恐れがあります。冷凍保存の期間が1ヵ月を超えてしまったら外観に変化がないか、異臭がしないかなどを確認のうえ適切に調理するようにしましょう。
2.味が染み込みやすくなる
食材はたけのこに限らず、冷凍してから回答することによって細胞壁が壊れます。「細胞壁を壊して良いのか?!」と驚く方もいるかもしれませんが、あえて細胞壁を壊すことで味が染み込みやすくなるメリットがあります。たけのこも冷凍したものを調理することで旨みや調味料が全体に均等に広がり、より豊かな味わいが楽しめるでしょう。
味を染み込ませたいのであれば、凍った状態のたけのこを直接鍋やフライパンに入れ、火を通す料理に使ってみてください。凍ったまま調理することで、調理時間の短縮にもつながります。もちろん、自然解凍や電子レンジを使った解凍も可能です。ただしこれらの方法だと食感が変わってしまう恐れがあるため、注意しながら使ってみましょう。
たけのこをおいしく冷凍する4ステップ
たけのこをおいしく冷凍する方法を4つのステップに沿ってご紹介します。
- アク抜きをする
- 繊維を切るようにカットする
- 下味をつける
- 適切な温度で冷凍保存する
それぞれのステップについて解説します。
1.アク抜きをする
たけのこの本来の食感や風味を維持するためには、冷凍前の下処理としてアク抜きを丁寧に行うことが重要です。面倒ではありますが、たけのこのアク抜きはたけのこ本来の甘さや香りが楽しめる工程なので必ず手を抜かずに行いましょう。代表的なアク抜き方法は米ぬかを使う方法と重曹を使う方法の2つです。それぞれ紹介します。
米ぬかを使ってアク抜きする方法
一般的にたけのこのアク抜きは米ぬかを使います。米ぬかを使う方法はアク抜きに2時間ほどの時間を要します。具体的な方法は以下です。
- 皮をむきやすくするために頭を少し斜めに切る
- 切り口から縦に少し包丁を入れる
- 外側の厚く硬い皮を剥く
- 根元の硬い部分を切り落として縦半分に切る
- 鍋にたけのこがかぶる程度の水、米ぬか、赤唐辛子を入れる
- 落としぶたをしたら強火で煮る
- 茹だったら火を止める
- たけのこを返しながら煮る
- 串が通る程度に茹だったら火を止める
- 完全に冷めるまで鍋ごと放置する
- 冷めきったら米ぬかを洗い、皮をむく
重曹を使ってアク抜きする方法
重曹を使ったアク抜きは米ぬかを使うものと比較して作業を簡単かつ時短できます。具体的な方法は以下です。
- 皮をむきやすくするために頭を少し斜めに切る
- 切り口から縦に少し包丁を入れる
- 外側の厚く硬い皮を剥く
- 根元の硬い部分を切り落として縦半分に切る
- 食用重曹小さじ1~1.5杯程度を1Lの水に溶かす
- ふきこぼれないように注意しながら20~30分たけのこを煮る
- 串が通る程度に茹だったら火を止める
- 半日程度そのまま置いて自然に冷ます
2.繊維を切るようにカットする
たけのこをカットする際には、繊維を断ち切るように意識して切るのがおすすめです。たけのこの繊維は縦に走っています。繊維を断ち切るようにカットするためには、横向きに切るようにしましょう。
煮物や炊き込みご飯など、使い道が事前に決まっているのならその大きさに切っても問題ありません。ただし、冷凍しても食感の変化が気になりにくくするためには薄切りにするのもおすすめです。大きくカットしてしまうと冷凍したり解凍したりのタイミングで繊維が気になってしまうこともあるので、注意しましょう。
3.下味をつける
たけのこは冷凍する前に下味をつけておきます。ただしだし汁に浸ける方法と砂糖をまぶす方法の2つの方法があるので、どちらが良いかは自身のやりやすい方を選びましょう。
だし汁に浸ける
たけのこの風味が抜けるのを防ぎ、水分を保つためには、だし汁に浸けて冷凍保存しましょう。だし汁に浸けて冷凍保存する方法は以下です。
- だし汁を冷ます
- 冷凍用保存袋などにたけのこが浸るくらいのだし汁を入れる
- 平らにして凍らせる
このとき、1回で使う量を袋に詰めると解凍しやすくなるので便利です。解凍するときはだし汁ごと加熱すると時短調理もできます。冷凍し解凍する工程で味が染み込んでいくため、調理する際に調味料が加わえることもふまえて味付けをしましょう。
砂糖をまぶす
たけのこのシャキシャキとした食感を残したいのであれば、砂糖の保水力を利用した冷凍保存をするのがおすすめです。細胞の中に氷の塊ができ、それが溶けることで空洞になることが冷凍して解凍したたけのこがすかすかになってしまう原因です。そこで砂糖をまぶすことでたけのこの水分が逃げにくくなります。
- たけのこの水気をしっかりと切る
- たけのこ1本(300g)に対して大さじ1程度の砂糖を両面にまぶす
- 冷凍用保存袋などに入れ平らにして凍らせる
砂糖を使用する調理方法の場合には、この方法がおすすめです。
4.適切な温度で冷凍保存する
たけのこを冷凍保存する際には、適切な冷凍庫の温度管理が重要です。家庭用の冷凍庫の場合、ドアを開閉したり、温かい料理を入れ過ぎたりすることにより温度が上昇しやすくなります。たけのこは特に鮮度が落ちやすいため、冷凍庫のドアを開ける時間をできるだけ短くするなどの注意が必要です。
冷凍たけのこを使ったレシピ3選
冷凍したたけのこを使ったレシピを3つご紹介します。
炊き込みご飯
たけのこと言えば炊き込みご飯ではないでしょうか。冷凍したたけのこは特に味が染み込みやすいので、炊き込みご飯にぴったりです!
【材料】
白米 3合分
冷凍たけのこ 200g
にんじん 50g(1/2本)
油揚げ 1枚
(A)醤油 大さじ2
(A)塩 小さじ1弱
(A)酒 大さじ1
(A)みりん 大さじ1
【作り方】
- にんじんと油揚げを食べやすい大きさに切る
- 白米を研ぐ
- (A)の材料と水が目盛の合数になるように入れる
- にんじん、油揚げ、冷凍したままのたけのこを上に入れる
- 炊飯器で炊く
- 炊けたら混ぜ合わせる
- 完成
たけのこの煮物
たけのこの風味を最大限に楽しみたいのであれば、煮物もおすすめです。食感も楽しめるので、たけのこの素材の旨みを味わえるでしょう。
【材料】
竹の子(水煮) 1本
こんにゃく 1枚
油揚げ 3枚
めんつゆ 大さじ2~
すきやきの素 大さじ1
みりん 大さじ3
料理酒 大さじ3
醤油 少々
砂糖 大さじ1
水 150cc~
【作り方】
- こんにゃくを洗って叩き、薄切りにする
- 油揚げは5~6等分に切る
- 鍋にこんにゃくを入れる
- みりん、料理酒、砂糖、水を加えて5分ほど煮る
- 沸騰したら解凍したたけのこを加え混ぜる
- めんつゆを入れて5分程煮る
- 味をみて醤油で塩分を調えて完成
たけのこのメンマ
ピリッとおいしいメンマは作り置きにもぴったり!ごはんのおかずにもラーメンのお供にも作り置きしておくと便利です。
【材料】
冷凍たけのこ 150g
ごま油 小さじ2
調理酒 大さじ1
めんつゆ(3倍) 大さじ1
唐辛子 1本
【作り方】
- 冷凍たけのこは水洗いして解凍する
- 固く絞り水気を切る
- 唐辛子はを小口切りにする
- フライパンにごま油を入れて中火にかける
- たけのこと唐辛子を炒める
- 料理酒とめんつゆを加える
- よく混ぜたら完成
たけのこは冷凍保存して長く楽しもう!
春の味覚の代表格のひとつでもあるたけのこ。シャキシャキの食感は炊き込みご飯にしても、煮物にしても最高の旨みを楽しめます。春に目一杯楽しみたいたけのこは、一本買うと大きすぎてすぐには使いきれなかったり、足が早かったりなどのお悩みポイントがある方もいるでしょう。そんなたけのこは冷凍して保存するのがおすすめです。冷凍すると保存期間が1ヵ月ほどにのばせるのはもちろん、味が染み込みやすくなるメリットがあります。上手に冷凍保存して、春の味覚を最大限に楽しみましょう。