オリーブオイルと一言に言っても、さまざまな種類があるのはスーパーのオリーブオイルコーナーに行ったことがある方はみなさん周知の事実でしょう。たくさんあるオリーブオイルですが、どのような種類に分類でき、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。オリーブオイルには大きく2種類あります。それぞれのオリーブオイルがどのようなものでどのような違いがあるのか、お店がオリーブオイルにこだわる理由や選ぶ際のポイントをまとめて解説していきます。
バージンオリーブオイルとオリーブオイル(ピュア)の違いとは
よく耳にするオリーブオイルにはバージンオリーブオイルとオリーブオイル(ピュア)があります。それぞれのオリーブオイルはどのように異なるのでしょうか。それぞれのオリーブオイルの特徴や違いについて解説します。
バージンオリーブオイルとは
バージンオリーブオイルとはオリーブの果実を搾ってろ過した一番搾りのオイルのことで、官能検査や酸度などの違いによりエキストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オーディナリーバージンオリーブオイル、ランパンテバージンオリーブオイルの4つのグレードに分類されます。主に日本で流通しているのはエキストラバージンオリーブオイルとバージンオリーブオイルです。
4つのグレードのうち最高級なエキストラバージンオリーブオイルは、酸度0.80%以下などの厳しい基準をクリアしたものにのみエキストラバージンオリーブオイルの称号は与えられます。
エキストラバージンオリーブオイルの特徴はオリーブオイル特有の豊かな香りと味わいです。一般的には、生食で味わう食べ方が好まれています。おすすめの食べ方は以下です。
- ドレッシング
- マリネ
- パンにつけて
- グリル野菜や温野菜に回しかけて
- 卵かけごはん
- 納豆にプラスして
- 冷奴に回しかけて
- スイーツにプラスして
- 仕上げの香りづけとして
- 油を味わう料理(アヒージョなど)
オリーブオイル(ピュア)とは
オリーブオイル(ピュア)とは精製したオリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドしたオイルで、エキストラバージンオリーブオイルに比べると味や香りが控えめでマイルドな風味が特徴です。オリーブオイル特有の香りが苦手な方は、エキストラバージンオリーブオイルよりもオリーブオイル(ピュア)の方が食べやすいです。
生食が好まれるエキストラバージンオリーブオイルと比較し、オリーブオイル(ピュア)は一般的には、焼く・炒める・揚げるなどの加熱調理の油として好まれています。おすすめの使い方は以下です。
- パスタの炒め油として
- 焼き魚や目玉焼きを焼く油として
- フライ、天ぷら、から揚げなどを揚げる油として
オリーブオイルの5つの選び方
オリーブオイルと一言にいっても、世の中には数多くの商品が存在します。なかなかどのオリーブオイルが良いのか選ぶのに悩んだ経験がある方は少なくないでしょう。これからオリーブオイルを購入してみようと思っている方のために、オリーブオイルを選ぶ5つのポイントをご紹介します。
種類
まずは用途に合わせてオリーブオイルの種類を基軸に選んでみましょう。バージンオリーブオイルもオリーブオイル(ピュア)もどちらも生食でも加熱をしても美味しく食べられます。しかし、香り豊かなバージンオイルは香りの楽しめるバージンオリーブオイルは生食に、香りが控えめで素材の味の邪魔にならないオリーブオイル(ピュア)は加熱により適しています。作りたい料理に合わせてオリーブオイルを選んでみると、料理にもこだわりが出せるはずです!
生産国
オリーブオイルを購入する際には、生産国にも注目してみましょう。オリーブオイルの主な生産国は、スペイン、イタリア、トルコ、ギリシャ、チュニジアなどで、パッケージに必ず生産国が表記されています。同じ国の中でもオリーブの品種、収穫された場所、製法によって風味や味わいは異なります。そのため一概には言えませんが、それぞれの生産国によってオリーブの育った環境が異なり風味にも違いが出てくるので、特徴を掴んでおくと好みのものに出会いやすくなるかもしれません。
香り
オリーブオイルの香りは「草青々とした香り」「フルーティーな香り」「スモーキーな香り」など、まるでワインのように例えられることがあります。こうしたそれぞれのオリーブオイルの香りを個性として料理に活かすことで、よりオリーブオイルの違いを楽しめます。特にフルーティーな香りのオリーブオイルはどんな料理とも相性が良く、パスタやピザなどの洋食にはもちろん、和食に取り入れるのもおすすめです。
容量
オリーブオイルは酸化しづらいオイルとは言われているものの、一度開封するとどんどん酸化が進んでしまいます。また風味が繊細なので、光や温度変化よっても品質が損なわれてしまいます。3ヵ月程度で使いきれそうな容量を目安に選んでみることをおすすめします。
容器
エキストラバージンオリーブオイルの風味や品質は参加によって損なわれます。酸化は自然光だけでなく蛍光灯の灯りでも進んでしまいます。酸化を避けたい生産者は色の付いたされたガラスビンや缶を選びます。色付きのプラスチックも遮光されていますが、プラスチックの中には酸素を透過しやすい素材も存在するため注意が必要です。オリーブオイルが光に当たらない配慮をされている容器のものを選べると、保存もしやすくオリーブオイルの活用ができます。
飲食店がオリーブオイルにこだわるべき2つの理由
さまざまなオリーブオイルが出回る昨今、安価かつ高品質なものは少なくありません。しかし、飲食店は価格だけに気を取られてしまうことなくどんなオリーブオイルを使うかこだわるべきです。飲食店がオリーブオイルにこだわるべき理由は2つあります。
調理用油でありソースだから
オリーブオイルは調理用の油として活用できることはもちろんですが、飲食店にとってはソースそのものでもあります。味の決め手となる重要な調味料であるため、オリーブオイルの味や風味にはこだわらないとお店の味が決まらなくなってしまうのです。特に生食に向いているエキストラバージンオリーブオイルはドレッシングにしたり、パンにつけたり、オイルがメインのアヒージョにしたりすることも多いため、「これだ!」と思える味のものを見つけてみてください。
健康効果があるから
オリーブオイルは健康効果があると言われており、品質の良いものであればあるほど罪悪感なく美味しいものをなるべく健康に気を遣った状態で提供が可能です。オリーブオイルが健康にいいといわれるポイントは、以下の3つです。
価不飽和脂肪酸を含んでいる
オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸を含んでいます。コレステロールを減らす作用がある不飽和脂肪酸には酸化しやすい欠点がある者の、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は不飽和脂肪酸の中では安定した脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールは減少させない働きがあります。そのため、動脈硬化に伴う心筋梗塞・脳梗塞・高血圧などの生活習慣病の予防に役立つといわれています。
ポリフェノールを含んでいる
オリーブに入っているポ リフェノールには、オレウロペインやオレオカンタールという成分が入っています。
特にオレウロペインというポリフェノールは抗酸化力が大変高く、血中コレステロールの酸化を防いで動脈硬化などの血管系の疾患を予防するといわれています。さらに抗菌・抗ウイルス作用があり、体を病原菌から守ったり、体内の免疫組織を活発にしたりすることがわかっています。これらのポリフェノールは体内で蓄積できないため、毎日摂取するのがおすすめです。
必須脂肪酸を含む三大栄養成分の脂質
オレイン酸が主成分のオリーブオイルは、酸化しにくいオメガ9系の油です。主成分はオメガ9系の脂肪酸でありつつも、身体の中では生成できない必須脂肪酸であるオメガ3系や6系のリノール酸やリノレン酸も含まれています。日々摂取することで必要な栄養素の補給にもなるので、料理で適量使うのがおすすめです。
オリーブオイルを扱う際の4つの注意点
オリーブオイルを扱う際には、4つ注意したいポイントがあります。美味しく、身体に良い状態に保つためにも、適切な使い方を心がけましょう。
低温保存はしない
冬の時期にオリーブオイルが固まってしまったり、白く濁ってしまったりなどの経験がある方もいるかもしれません。オリーブオイルが固まってしまう原因は低温です。
オリーブオイルが固まって白く結晶化しているのは、オリーブオイルの主成分のオレイン酸とパルミチン酸です。これらの成分は10度以下になると結晶化するため、固まったように見えるのです。このような現象が起きるのはオリーブオイルだけではなく、ココナッツオイル・ごま油・はちみつなども、冬場になると固まってしまうことがあります。
一度固まってしまったオリーブオイルは暖かい部屋に置いておくか、40℃前後のお湯で2分から3分ほど湯煎して液状に戻してから使いましょう。
開封後は早めに消費する
劣化しづらい油と言われているオリーブオイルですが、酸化は封を空けた瞬間からどんどん進んでいきます。酸化してしまうと嫌な臭いがしたり、泡立ちが消えなくなったりなどの異変が起きてきます。
身体にとって、オリーブオイルに限らず酸化したオイルを摂取するのは良くありません。オイルが劣化していると感じたら、廃棄して新しいものを使用したほうが良いでしょう。目安として、オリーブオイルは開封から約3ヵ月で使い切るのがおすすめです。
光のあたらないところで保存する
一般的な油に比べてオリーブオイルの緑色が強いのは、クロロフィルによるものです。光のないところではクロロフィルは抗酸化性のある成分です。しかしクロロフィルは葉緑素とも呼ばれ、光があるところでは活性酸素を発生させてオイルの酸化を促進させます。よく目にするオリーブオイルのビンが濃い色をしているのは、酸化を防ぐために光を遮断する工夫です。
直射日光や蛍光灯の当たらない場所で保存し、オリーブオイルを新鮮に保ちましょう。
カロリーは他の油と変わらない
オリーブオイルは1gあたり約9kcalです。健康のためにもオリーブオイルに置き換えることは良いことですが、カロリーは他の油と変わらないためカロリーカットの効果は得られません。
長年民間療法にも使用されてきたオリーブオイルですが、あくまで食品であることには変わりありません。体に良い油だからといって、摂取のしすぎは健康を害してしまいます。毎日適量を継続して摂取するようにしましょう。
おすすめの業務用オリーブオイル、フレーバーオイルメーカー6選
業務用のオリーブオイルメーカー、フレーバーオイルメーカーを厳選して6つご紹介します。
辻製油ー天然素材の「香り」・「風味」・「うま味」 をオイルに移した味変・格上げ調味料ー
- 独自の抽出技術で素材の持つ香りやうま味をオイルにうつします
- 仕上げにかけるだけでいつもの料理をワンランクアップできる
- 旬を選ばずいつでもお好みの香りや風味を料理に加えられる
- 高価な食材もフレーバーオイルなら手軽に使える
- オイルによるコクを料理に加えることができる
- 食用油メーカーがつくる本格的な香味油
辻製油は創業76年の歴史を持ち、原材料にこだわったトウモロコシや菜種から高品質な食用油を搾油・精製しています。
老舗の食用油メーカーが本格的な香味油をご用意いたします。
- 他にはない珍しい香味油のレパートリー
ポルチーニ茸・トリュフ・トリュフ&バター風味・チリ&ガーリック・バジル・ゆず・わさび・しょうが・燻製・焼き鯛・きのこ・マイルドガーリック・醤油削り節など、様々な珍しい香味油を開発しています。
- 香味油のスペシャリストによる、小回りの利くオーダーメイド開発
野菜・香辛料・柑橘類・魚介類など素材の持つ香り・風味・旨味・辛みなどを油に閉じ込めました。
熟練の開発員やフレーバーリストが、お客様のニーズに合わせてオーダーメイド香味油の開発も承ります。
日清オイリオグループ
スーパーに行けば必ず見かけるお馴染みのBOSCOのオリーブオイルをはじめとして、通販限定商品や期間限定商品も販売している日清オイリオ。「油といえば日清オイリオグループ」と思っている方も少なくはないでしょう。種類も豊富なので、気になるものがないかぜひチェックしてみてください。
讃陽食品工業
珍しい缶のオリーブオイルを販売している讃陽食品工業のオリーブオイルは、最高級のエクストラバージンオリーブオイルをブレンドした本格派です。香りも穏やかで酸化しにくいため、生食にはもちろん、炒め物、焼き物、揚げ物など、加熱料理に幅広くご利用いただけます。
メルガレホ
メルガレホのオリーブオイルを作るために選ばれたオリーブはピクアル、アルベキーナ、オヒブランカ、フラントイオの4種類のオリーブオイルをブレンドして作られる酸度0.1%の超低酸度のエキストラバージンオリーブオイルです。それぞれのオリーブオイルの量をバランスよく配合することでさらりとなめらかな舌触りで、摘みたてのオリーブを感じさせるエレガントなオリーブオイルに仕上がります。
モニーニ
モニーニはイタリアの自然豊かなウンブリア州スポレートで1920年に創業した、100年以上の歴史を持つオリーブオイルの老舗メーカーです。現在では70か国以上に輸出している世界中から愛されるオリーブオイルメーカーです。2020年モニーニを代表するクラシコブランドはエキストラバージンオリーブオイルでイタリアNo.1の販売を誇ります。
ガルシア・デ・ラ・クルス
ガルシア・デ・ラ・クルスは、150年以上の歴史を持つ本場スペイン産の極上オリーブオイルのメーカーです。100%スペイン産のオリーブをオリジナルでブレンドしており、喉を通る度にややピリッとした辛みが特徴的なオリーブオイルが味わえます。
こだわりの業務用オリーブオイルで最高の一品を提供しよう
オリーブオイルと一言にいっても奥が深く、ざっくり分けるだけでも2種類に分類できます。その中でもさらに細かく分類でき、風味や味わいが異なることから適している料理も異なります。飲食店でオリーブオイルを購入する際には値段に惑わされず、どんな用途でどのような味のものを使いたいのかを良く考えたうえでこだわりのオリーブオイルを選んでみてください。調理用油としてはもちろん、オリーブオイルは店の味の決め手になるソースでもあります。「これだ!」と思えるオリーブオイルで最高の一品を提供しましょう。
また、オリーブオイルベースのフレーバーオイルも提供する料理の味変、格上げに利用できますので、合わせて検討しましょう。