バサはナマズの仲間で、淡白な味わいと肉厚な身が特徴の魚です。「バサは危険」といううわさもありますが、日本のスーパーで売られているバサは安心して食べられます。本記事ではバサの味やにおい、栄養価、おいしい食べ方を紹介します。
ナマズの仲間「バサ」とは?
バサはナマズ目パンガシウス科の淡水魚で、白身魚です。主な生息地はインドシナ半島で、ベトナムで盛んに養殖されています。
日本のスーパーでもバサの切り身や惣菜、バサのフライが入ったお弁当などがよく売られています。スーパーではバサのほかに、「パンガシウス」と表記され売られていることも多いです。

ナマズの仲間であるバサを輸入していることに、驚いた人もいるでしょう。
しかし、バサの一大産地であるベトナムでは海魚より川魚が好まれ、ナマズは日常的に食べられています。養殖に適したナマズは安定して輸出でき、主要輸出産品として、ベトナムの経済を支えてきました。
バサの味やにおい
バサは臭みがなく淡白な味わいの、食べやすい魚です。体長は1.2mほどと大きく可食部も多いため、肉厚の状態で販売されていることも多いです。身がやわらかく肉厚なので、食べ応えがあるでしょう。
フライにすることが多く、フィッシュバーガーのフィレに近い食べ応えの魚です。
バサに含まれる栄養
バサはカリウムやナトリウムが豊富な魚です。どちらも心臓や筋肉の機能調整、細胞内の酵素反応の調節などの働きをする栄養素です。カリウムには腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、排泄を促す効果もあり、血圧を下げる効果もあります。
また、バサは低カロリー・高たんぱくな魚です。100gあたりのエネルギーは54kcal、脂質は0.9gと低いにもかかわらず、たんぱく質は15gと高いです。これは卵2個に含まれるたんぱく質を超えます。
「減量と筋肥大を両立させたい」という人におすすめの魚といえるでしょう。
ただ、バサはフライで食べることが多いです。バサ自体のカロリーが少なくても、フライにすればカロリーは高くなるので気をつけましょう。
「バサは危険」って本当?

インターネットで「バサ」と検索すると、検索候補に「バサ魚 危険」と出てきます。Yahoo!知恵袋でも、バサは危険なのかを質問する人がよく見られます。
バサ魚って危険なんですか?
特にベトナム産のバサは水質汚染や水銀含有量が基準を越えて養殖しているとネット情報を見ましたが実際はどうなのでしょうか?
低価格で高蛋白な魚なので主にして食べていこうと考えたのですが…
出典:バサ魚って危険なんですか?特にベトナム産のバサは水質汚染や水銀含有量… – Yahoo!知恵袋
バサが危険といううわさは、ベトナムでの養殖体制に対する不安から広まったのでしょう。工場の排水に多量の水銀が含まれている、養殖場の水質汚染などのうわさがあります。
日本で食べられるバサは安全
「バサは危険」といううわさがあるのはたしかですが、バサに関するものに限らず、うわさ自体に根も葉もないことが多いのも事実です。
ただ、日本で食べられるバサは安全です。バサの養殖場の水質汚染や水銀などのうわさが仮に事実だとしても、日本には食品衛生法があり、その基準を超えたものが市場に流通することはないからです。
バサに限らず、水中で暮らす魚には汚染物質が含まれるリスクがあります。日本にもイタイイタイ病や水俣病などの公害病が起きた歴史があります。
しかし、私たちはこれらの公害病から学び、食事を安心してとれるように法律を改正したり検査を強化したりしてきました。
日本は世界的に見ても食品に対する基準が厳しい国です。根拠がわからないうわさに踊らされたり過度に不安がったりして、おいしく栄養価の高い食材を取れないのはもったいないかもしれません。
バサのおすすめレシピ3選
フライで食べられることの多いバサですが、ほかにもおいしい食べ方はたくさんあります。バサのレシピを紹介するので、気になるものを試してみましょう。
バサの香草焼き
淡白なバサの肉を香草の風味で引き立たせた香り豊かな一品です。お好みで新鮮な野菜と一緒にサーブしても美味しいでしょう。
【材料】
- バサのフィレ:500g
- ニンニク(みじん切り):2片
- ローズマリー(刻んだもの):1大さじ
- タイム(刻んだもの):1大さじ
- オリーブオイル:3大さじ
- レモンの絞り汁:1個分
- 塩:適量
- こしょう:適量
【作り方】
- バサのフィレを洗い、キッチンペーパーで水分を取り除きます。
- バサのフィレに塩とこしょうをまぶし、全体に均等になじませます。
- ニンニク、ローズマリー、タイム、オリーブオイル、レモンの絞り汁をボウルで混ぜ、香草マリネを作ります。
- バサのフィレを香草マリネに漬け込み、冷蔵庫で30分から1時間寝かせます。
- グリルを中程度の温度に予熱し、バサのフィレをのせます。両面を約4-5分ずつ焼き、表面がこんがりと焦げ目がつくまで調理します。
- 焼き上がったら、お皿に盛り付けて余熱でしっとり仕上げます。
バサのムニエル
シンプルながらも食べ応えのあるバサのムニエルです。お好みでパセリや新鮮なハーブをトッピングして、おしゃれな一皿に仕上げることもできます。
【材料】
- バサのフィレ:4枚(約200gずつ)
- 小麦粉:適量
- 塩:少々
- こしょう:少々
- バター:2大さじ
- オリーブオイル:2大さじ
- レモン:1個(くし形にスライスしたもの)
【作り方】
- バサのフィレを水で洗い、キッチンペーパーで水分を取ります。
- フィレの両面に塩とこしょうを振り、全体になじませます。
- フィレに薄く小麦粉をまぶします。余分な粉を振り落とします。
- 中程度の温度に予熱したフライパンにオリーブオイルを熱し、バターを加えて溶かします。
- バサのフィレを両面をこんがりと焼くまで約3-4分ずつ焼きます。肉が白くなり、表面がカリッとするまで調理します。
- フィレを取り出し、余分な油をキッチンペーパーで吸い取ります。
- レモンのくし形スライスをフライパンに加え、軽く炒めて香りを引き出します。
- レモンのスライスの上にバサのフィレを戻し、全体にレモンの風味をしみ込ませます。
クリーミーなバサのスープ
クリーミーでリッチな味わいのスープです。淡白な味わいのバサはほかの食材の邪魔をせず、肉厚の身はスープのご馳走感を高めてくれます。
【材料】
- バサのフィレ:300g(小さめのサイズに切っておく)
- 玉ねぎ(みじん切り):1個
- セロリ(みじん切り):1本
- にんじん(みじん切り):1本
- ニンニク(みじん切り):2片
- バター:2大さじ
- 小麦粉:2大さじ
- 鶏がらスープまたは魚のだし:4カップ
- 牛乳:1カップ
- 塩とこしょう:お好みで調整
- パセリ(刻んだもの):装飾用
【手順】
- フライパンにバターを溶かし、みじん切りにした玉ねぎ、セロリ、にんじん、ニンニクを中火で炒め、野菜がやわらかくなるまで炒め続けます。
- 野菜が炒まったら小麦粉を加え、さらに2分間炒めます。
- 鶏がらスープまたは魚のだしを少しずつ加え、よく混ぜながら煮込みます。滑らかなクリーム状になるように混ぜ続けます。
- 牛乳を加え、再び混ぜながら加熱します。バサのフィレを加え、フィレが煮えるまで約5分煮込みます。
- スープが温かくなり、バサのフィレが完全に熟れたら、塩とこしょうで味を調整します。
- パセリを加え、器に盛り付けて、クリーミーなバサのスープの完成です。
バサは淡白でありながら食べ応え抜群!健康志向やダイエット中の人におすすめの魚
淡白な味わいでありながら肉厚で食べ応えのあるバサは、ダイエット中の人でも食べやすい食材です。カロリーや資質が低くたんぱく質が多いので、身体を鍛えたい人や健康志向の人にもおすすめです。
スーパーに行けば、バサもしくはパンガシウスの名前で売られています。冷凍で売られていることも多く、保存しやすいです。本記事で紹介したレシピで気になるものがあったら、さっそく試してみましょう。