銀ひらすは、高級魚のひらすやブリの代用品としてもよく使用されている白身魚です。クセがなくあっさりとした味わい、高たんぱくで栄養価が高いため健康志向やトレーニング中の人にもおすすめです。本記事では銀ひらすの味やにおい、栄養価、ヘルシーレシピを紹介します。
高級魚「銀ひらす」とは?
銀ひらすは、スズキ目イボダイ科の白身魚です。うろこが銀色に輝いていることから、シルバーとも呼ばれています。
オーストラリア南東部やニュージーランド、チリで穫れる高級魚ですが、日本では比較的安価で購入できます。クセのないあっさりとした味わいで食べやすく、フライなどの油料理との相性が良いため、どんな人からも好まれやすい魚だといえます。
日本のスーパーでは切身やフィレの状態で販売されており、惣菜にもよく使用されているため「銀ひらすという魚を初めて聞いた」という方も、知らず知らずのうちに食べているかもしれません。
ひらすとの違い
銀ひらすと名前が似ている「ひらす」ですが、海外でしか穫れない白身魚の銀ひらすとは違い、日本各地に生息しているスズキ目アジ科の青魚です。
スマートな身体に黄色のラインが一本通っており、ヒレも黄色く、全体的に銀色をしている銀ひらすと見た目はあまり似ていません。
別名ヒラマサとも呼ばれる高級魚で、もちっとした食感、上品なあまみと濃厚な味わいです。ひらすの名産地である長崎では、マグロの代わりにひらすを使った”白い鉄火巻”が観光客から人気があります。
大部分が乳白色の身で銀ひらすと似ていますが、背側の身の一部が赤くなっているのが特徴です。
銀だらとの違い
カサゴ目ギンダラ科の「銀だら」はアラスカやカナダ、米国北部の西海岸で穫れる、銀ひらすと同じ深海魚の白身魚です。皮が深い黒色で、目が銀色に光っています。
クセがなく食べやすい特徴が銀ひらすとよく似ていますが、水温が低い海に生息していることから脂のりがよく、加熱してもパサつきにくい、濃厚な味わいです。
銀ひらすの味やにおい
銀ひらすは白身魚ということもあり、魚特有の生臭さはあまり感じられません。
クセがなくあっさりとした味わいでほろりと身がほどける食感が楽しく、ほどよい脂がのっていておいしく食べられます。高級魚のひらすや、ブリと似ていますが、低価格なため代用品として使われていることも多いです。
銀ひらすに含まれる栄養
銀ひらすは、疲労回復や皮膚を健康に保つ働きを持つビタミンB群や、老化防止に効果的なビタミンEが豊富な魚です。
また、高たんぱくでほどよいカロリーのため身体に良い食材といえます。
銀ひらすのエネルギーは100gあたり138kcal、脂質は7.9gとほかの魚と比較して少々高めのカロリーです。しかし、たんぱく質は18.6gと高く、卵3個分に含まれるたんぱく質に相当します。
身体に良い栄養を摂りつつ、不足しがちなたんぱく質を補えるため、普段の食事に取り入れたい食材です。
銀ひらすは健康維持やトレーニングにおすすめ
銀ひらすは高たんぱくなだけではなく、エネルギーを生成するために必要な栄養素のビタミンB群を豊富に含むため、健康を維持したい人やトレーニングをしている人におすすめです。
ビタミンB1は疲労回復に、ビタミンB2は皮膚や粘膜の再生や脂質の代謝を助けてくれ、ビタミンB6はたんぱく質からエネルギーを作るときに必要な栄養素です。食生活が乱れていたり、たんぱく質が不足していると感じたりしている人も、ぜひ取り入れたい食材といえます。
銀ひらすはカロリーがもともと高めなため、トレーニングをしている人は余分な脂質を増やさないために、油を使わずに焼いたりスープに入れたりして食べると良いでしょう。
銀ひらすのおすすめレシピ3選
フライ料理と相性抜群な銀ひらすですが、今回はトレーニングや美容・健康を意識したレシピを3つご紹介します。
特に包み焼きと野菜スープは簡単に作れるため、忙しい日々でも無理なく取り入れることができるでしょう。
銀ひらすのさっぱり包み焼き
油いらずの簡単メニュー。野菜のうまみが銀ひらすに染み込み、おいしくてヘルシーな一品です。
一緒に使われている玉ねぎに含まれるアリシンは、疲労回復に効果的なビタミンB1と結びついて働きを持続させてくれます。
【材料】
- 銀ひらす: 2切れ
- レモン: 1/2個
- しょうが: 1片(スライス)
- にんにく: 1片(みじん切り)
- 醤油: 大さじ2
- みりん: 大さじ1
- 塩: 小さじ1/4
- こしょう: 適量
- 人参: 1本(薄切り)
- たまねぎ: 1/2個(薄切り)
【作り方】
- 魚の下処理を行う。銀ひらすは水洗いして水気を拭き取り、皮目に包丁で切り込みを入れる。こしょうを振りかけ、片面に塩を軽く振る。
- レモンを薄切りにし、魚の上にのせる。しょうがのスライスとみじん切りにしたにんにくも上に乗せる。
- 醤油とみりんを混ぜ合わせてタレを作る。
- 人参とたまねぎを魚の周りに散らし、タレを全体にかける。
- オーブンを180度に予熱し、天板にアルミホイルを敷く。魚をのせ、アルミホイルで包み込む。
- オーブンで15〜20分間焼く。焼き時間は魚の厚みによって調整する。
- 焼き上がったらアルミホイルを開け、器に盛り付ける。お好みでレモンを添えて、ご飯や野菜と一緒にお召し上がりください。
銀ひらすのワインビネガーハーブソテー
ワインビネガーとハーブの香りが魚に絶妙に染み込んだ、香り豊かな一皿です。
このレシピにはオリーブオイルが使われていますが、健康効果の高いオレイン酸やリノール酸が含まれており、美容や健康にも良いビタミンAやビタミンEも豊富なため、敬遠せずに使ってみましょう。
【材料】
- 銀ひらす: 2切れ
- 白ワインビネガー: 大さじ2
- オリーブオイル: 大さじ1
- ニンニク: 2片(みじん切り)
- ローズマリー: 少々(細かく刻んだもの)
- タイム: 少々(細かく刻んだもの)
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
- パセリ(飾り用、オプション)
【手順】
- 銀ひらすは水で洗い、ペーパータオルなどで水気を取り除く。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにしたニンニクを加えて香りを出す。
- 銀ひらすをフライパンに並べ、両面を軽く焼く。
- 白ワインビネガーを加え、ハーブ(ローズマリーとタイム)も加えて全体に絡める。塩とこしょうで味を調える。
- 魚が焼きあがったら、器に盛り付け、ソースと一緒に提供する。
- オプションでパセリを散らして、完成です。
銀ひらすの野菜とトマトスープ
銀ひらすの野菜とトマトスープは、銀ひらすと野菜のうまみが溶けあった絶品スープです。
いろいろな種類の野菜を入れているため、食物繊維が豊富に含まれます。食物繊維は腸内環境を整え、血液を綺麗にしてくれます。脂肪燃焼スープとして食事に取り入れるのも良さそうです。
【材料】
- 銀ひらす: 2切れ
- トマト: 2個(皮をむいて角切り)
- 玉ねぎ: 1個(みじん切り)
- にんじん: 1本(みじん切り)
- セロリ: 1本(みじん切り)
- にんにく: 2片(みじん切り)
- 鶏がらスープまたは野菜スープ: 600ml
- バジル: 少々(刻んだもの)
- オリーブオイル: 大さじ1
- 塩: 適量
- こしょう: 適量
【作り方】
- 銀ひらすは水洗いして水気を拭き取り、食べやすい大きさに切る。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくを加えて炒める。
- 野菜がしんなりするまで炒めたら、トマトを加えてさらに炒める。
- 鍋に鶏がらスープを注ぎ、銀ひらすとバジルを加えて煮る。約15分程度煮る。
- 鍋から銀ひらすを取り出し、スープをブレンダーまたはフードプロセッサーで滑らかになるまで混ぜる。
- スープを再び鍋に戻し、銀ひらすを戻して温める。塩とこしょうで味を調える。
銀ひらすは高たんぱくで栄養が豊富!健康志向やトレーニング中の人におすすめの魚
スーパーでは銀ひらすやシルバーの名前で、切身またはフィレの状態で販売されています。骨がもともと少ないため、調理もしやすいでしょう。
銀ひらすはクセのないあっさりとした味わいで、健康維持に必要なビタミンB群を中心とした栄養価が高く、しかも高たんぱくな魚です。健康に気を遣っている人や、身体を鍛えている人におすすめです。
日々忙しい人や、栄養の偏りが気になる人でも、本記事で紹介している簡単かつおいしいレシピで銀ひらすをぜひ取り入れてみてください。