食材のうま味を深める「しいたけパウダー」とは?使い方やレシピ、飲食店にもおすすめできる理由

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食材のうま味を深める「しいたけパウダー」とは?

しいたけパウダーとは、干ししいたけをパウダー状にしたものです。

「干ししいたけ」というと、「和食に使うとおいしい」「出汁をとるときに使うもの」というイメージが強いでしょう。しかし、しいたけパウダーは「和食料理にだけしか使えない」と利用方法を限定してしまうのは、非常にもったいないです。なぜなら、和食・洋食・中華どんな料理のおいしさも、さらに引き出してしまう不思議なパウダーだからです。

しいたけパウダーはなぜ料理をおいしくしてくれるのか、しいたけパウダーのメリットとあわせて、その秘密を探っていきましょう。

しいたけパウダーはここがすごい!3つのメリット

しいたけパウダーはうま味がプラスされるだけでなく、素材一つ一つのおいしさをさらに引き出してくれる、いわば魔法の粉。

しいたけパウダーをプラスするだけで料理がおいしくなる秘密や、3つのメリットを解説していきます。

粉を加えて10~30分置くだけで、食材のうま味が深まる

干ししいたけが持つうま味成分の「グアニル酸」は、水戻しされることで生まれます。

魚や肉などの食材にはある程度の水分が含まれているため、しいたけパウダーをふりかけたり、混ぜ込んだりして10~30分置いておくと「グアニル酸」が生まれ、食材のうま味が深まるということです。

また、うま味成分には「グアニル酸」以外に、すべての食材に含まれている「グルタミン酸」、肉や魚に多く含まれている「イノシン酸」があり、この3つを掛け合わせるとうま味の相乗効果が30倍高まります。

一般的な料理は、グルタミン酸とイノシン酸の2つが多いため、これでももちろんおいしいです。ここに、しいたけパウダーを少しプラスするだけで、料理のうま味にぐっと深みが出るのが最大のメリットといえます。

塩味を感じやすくなり、自然に減塩できる

味には、甘味・塩味・うま味・酸味・苦味と5つあり、人間は舌の中央、しかも大部分でうま味を感じています。

干ししいたけ特有の「グアニル酸」はうま味を長く感じさせる効果があると同時に、塩味を強く感じさせるという特徴があるため、通常使う塩の量より少なくして丁度良い塩加減になります。

しいたけパウダーでうま味が深まるのに、塩分は減らせるというメリットもあります。

しいたけの味はしない

しいたけパウダーだからといって、しいたけの味が付くわけではありません。具材の量にもよりますが、適量のパウダーを加えるだけで、しいたけの味はしないのに料理がおいしくなります。

しいたけ味はしないことから、しいたけが苦手な人にもパウダーを使った料理を提供することができるというのも、しいたけパウダーのメリットです。

しいたけパウダーの使い方

しいたけパウダーが持つ、しいたけ由来の「グアニル酸」は天然素材のうま味を引き出したいときに最大の効果を発揮します。

人工的なグアニル酸、つまり”うま味調味料”が使われている料理は、しいたけパウダーを使ってもうま味が高まることはありません。

肉や魚など、自然の恵みをそのままに、そのうま味をもっと濃厚に感じてほしい料理に、しいたけパウダーは大活躍するでしょう。

おすすめのしいたけパウダーの使い方を、3つ紹介していきます。

加熱前に食材にすり込む・混ぜる

加熱前の肉や魚などの食材にすり込む、ミンチや魚のすり身に混ぜ込む、そして30分ほど置いてから調理すると、上質な脂が増したような、よりうま味あふれる仕上がりになります。

うま味がより濃厚に感じやすくなり、素材本来のおいしさをワンランク引き上げてくれます。素材にこだわっている飲食店にこそ、使ってほしいアイテムです。

加熱後に食材にふりかける

素材を加熱しただけのシンプルな料理に、しいたけパウダーをひとふりするだけで、高級料理に早変わり。

自然のやさしい味わいが、より濃く強く感じられます。

汁物に加える

素材のうま味が染み出した汁物に、しいたけパウダーを少量プラスすることでうま味の症状効果によりさらにコクが深まります。

もちろん、しいたけの味はすることなく、素材のうま味を最大限に引き出してくれます。

しいたけパウダーを使ったレシピ例

しいたけパウダーを使ったレシピを3つご紹介します。

レシピといっても、いつもの作り方にしいたけパウダーをプラスして少し時間を置くだけ、というとても簡単な使い方です。

また、使い方は無限大にあるのでしいたけパウダーを使ったレシピを参考に、「自分のお店で提供している料理に活かす方法はないかな?」とイメージしながら見てみてください。

塩さば

塩さば1尾に、しいたけパウダーを小さじ1/2すり込んで、30分置いてから焼くだけです。

普通の塩さばが、さばの名産地で水揚げされたような、脂がのった塩サバに早変わり。

「30分置いておく」というのがポイントで、塩サバの水分と椎茸パウダーのうま味成分が反応して、さば本来のうま味を最大限にアップしてくれます。

ハンバーグ

ひき肉(400g程度)に、炒めた玉ねぎや卵、パン粉…と混ぜ合わせたあとに、椎茸パウダー大さじ1と、その他の調味料を合わせて混ぜ込んで焼くだけです。

飲食店で提供しているハンバーグのタネに、しいたけパウダーをプラス。ひと手間のうちに入らないほど簡単なのに、素材それぞれのうま味が濃厚に感じられるハンバーグに生まれ変わります。

うま味がより強くなるため、塩の量を減らして丁度よい味付けになるため、健康にも良い料理としても提供できるでしょう。

枝豆

枝豆(200g程度)を通常より半分の量の塩で塩もみして、いつも通り茹でます。ザルに上げたあとに、しいたけパウダー小さじ~大さじ1をふりかけて全体によくなじませるだけで完成です。

枝豆にもうま味成分のグルタミン酸が含まれているため、しいたけパウダーがもつグアニル酸との相乗効果で枝豆本来のおいしさを引き出します。

しいたけパウダーは10~30分ほど置くことで、おいしさアップの効果をより発揮できるため、枝豆が少し冷めた頃が食べ頃です。

しいたけパウダーの作り方

しいたけパウダーの作り方はとても簡単です。

干ししいたけを、ミキサーで粉砕するだけで完成です。好みの粉の大きさにして、料理に利用してみてください。

ただし、忙しい業務の中で、しいたけをミキサーにかける作業が増えると負担になるかもしれません。また、素材や料理にこだわる飲食店こそ、上質で使いやすいしいたけパウダーを仕入れたいと考えるでしょう。

しいたけパウダーに含まれるうま味・栄養成分

しいたけ、特にしいたけパウダーの原材料の『干ししいたけ」』は「栄養価が高い」「料理がおいしくなる」というイメージを持たれている方が多いでしょう。料理のだしや、麺つゆなどにも使われているため、そのおいしさを実感しているはずです。

しかし、イメージ以上に干ししいたけのうま味・栄養成分は高く、知っておくことでさらにおいしく感じられるかもしれません。

ここからは、しいたけパウダーに含まれるうま味・栄養成分を解説していきます。飲食店で使用する場合、店内のPOPやSNSで発信することでお店のアピールポイントになるでしょう。

ビタミン

しいたけパウダー(干ししいたけ)には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンDなどさまざまなビタミン類が含まれています。

特に、ビタミンDは生しいたけと比べて含有量が30倍以上ともいわれています。ビタミンDは、骨の成長や骨粗しょう症の予防にも効果的な栄養素です。

骨をつくる栄養素はカルシウムのイメージが強いですが、排出されやすいという特徴があります。そこで、ビタミンDとセットで摂るようにするとより効果的です。

ミネラル

しいたけパウダーには、マグネシウム、リン、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

マグネシウムは健康維持のために必須であるものの、日本人が不足しやすいミネラルでもあります。マグネシウムのはたらきは、骨や歯の形成・体内酵素を働かせる補因子・代謝を促す・体内のミネラル調整・筋肉の収縮…など人が健康的な体を維持するために非常に重要な栄養素です。

カリウムは、細胞内液の浸透圧を調整するはたらきがあることから、ナトリウムを排出しやすくなる効果があります。むくみが気になる方が積極的に摂取すると良い栄養素です。

しいたけパウダーを料理に使うと、おいしいだけでなく健康のためにもなる一石二鳥以上の効果をもたらしてくれます。

グアニル酸

グアニル酸は、うま味成分の一つです。

しいたけを一度乾燥させて、水戻しすることで「グアニル酸」が生まれます。人工栽培のしいたけよりも、原木しいたけの方がグアニル酸を多く含んでいるため、しいたけパウダーを選ぶときは原木しいたけが原材料のものを選びましょう。

グアニル酸は、干ししいたけのほか、海苔・ウニ・ドライトマトなどにも含まれています。

グルタミン酸

グルタミン酸もうま味成分の一つで、野菜や肉・魚などほぼすべての食材がもっている成分です。

肉や魚が多く持つうま味成分は「イノシン酸」と呼ばれ、グアニル酸・グルタミン酸・イノシン酸と、『三大うま味成分』と呼ばれています。3つのうま味が合わさることで、うま味は何十倍にも引き上がります。

エリタデニン

エリタデニンは、しいたけとマッシュルームにのみ含まれている栄養成分。悪玉コレステロールの低下・血流をサラサラにして血圧を低下させることから動脈硬化・高血圧予防にも効果があります。

マッシュルームには少量しか含まれていないため、実質しいたけ特有の栄養成分ともいえます。

簡単な下ごしらえで食材のうま味を深めるしいたけパウダーは、飲食店にもおすすめ!

しいたけパウダーは、肉や魚に直接すり込む・調理後に振りかけるという、ほかの調味料と同じ感覚で使うだけで何十倍にも、素材・料理のおいしさを引き上げてくれます。しいたけパウダーが持つうま味成分のグアニル酸は、他の食材が持つグルタミン酸・イノシン酸とのおいしくなる相乗効果をより発揮してくれる救世主。和食だけではなく、世界中すべての料理に使ってもおいしくなります。

しいたけパウダーは特に、素材の品質にこだわって料理を提供している飲食店におすすめしたいアイテムです。しいたけの味はしないのに、素材のおいしさの力をより発揮させてくれるしいたけパウダーを1つプラスするだけで、もっとおいしい料理に大変身。

世界中の料理人が驚き、高級レストランからも注目を浴びているしいたけパウダーを、飲食店にもぜひ取り入れてみてください。

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