美味しいコーヒーを提供するためのポイントは?仕入れのポイントや注意点をおさえよう

最終更新日:
美味しいコーヒーを提供するためのポイントは?仕入れのポイントや注意点をおさえようのアイキャッチ画像

美味しいコーヒーを出すための確認ポイント

お店でコーヒーを提供する、コーヒー豆を販売する場合に、考えなければいけないポイントをご紹介します。

ここでは、お店でコーヒーを提供したり、販売する場合の留意点をご紹介します。

※自ら焙煎したい方は、焙煎の勉強の仕方などから調べられると良いでしょう。

店舗の形態とコーヒーの種類

お店でのコーヒーの提供形態、例えば食事がメインで食後にコーヒーを出すのか、カフェなどドリンク主体でコーヒーがメインになるのか、小売店でコーヒー豆を販売するのかなどで提供方法やコーヒーの種類を考えておく必要があります。

レストランなど食事中心のお店

食事メインのお店では、ランチとディナー、ディナーだけのお店もあるでしょう。

いずれの場合も、コーヒーは食事の締めくくりとなることが多いドリンクです。そのコーヒーが美味しくなければ、せっかくの食事の印象も悪くなるかもしれません。美味しい食事の後の締めくくりとして、デザートと一緒にあるいは単品でコーヒーを出せればお店や食事全体の印象も良くなります。

自店のオリジナルブレンドというものがあってもいいでしょう。提供する食事とのバランスを考えたコーヒーの味や種類を考える必要があります。

カフェなど

飲み物、ケーキ、軽食を提供するお店では、「美味しいコーヒーがあるからこのお店に」というお客様も多く、コーヒーの味や種類に特にこだわりたいものです。ブレンドだけでなくコーヒー通の方にも来店いただけるよう、ストレートコーヒーやアレンジコーヒーもメニューに用意しましょう。

このようなお店にはコーヒーメインのお客様も多く、味と鮮度にこだわることでファンを獲得できます。

コーヒーの小売り販売

カフェなどでドリンクとして提供するだけでなく、コーヒー豆の販売もする場合、あるいは小売店として販売だけをする場合も、コーヒー通のお客様が多いでしょう。コーヒーの種類と鮮度は重要です。

小売販売の場合は焙煎豆を売る、あるいはお客様の抽出方法にあった挽き方で挽いた豆も売る必要があります。焙煎や抽出などについての基本知識は身に着けておきましょう。また、簡単にコーヒーを淹れられるドリップパックや水出しコーヒーなどを一緒に購入できると、お客様にとって便利です。

サービスコーヒー・オリジナルグッズの販売や配布(接客業)

来店したお客様にサービスコーヒーを提供したり、イベントや周年祭の記念品やオリジナルグッズとしてコーヒー豆を販売する方法もあります。これは、スタッフがお客様とのコミュニケーションをとるため、来店時の満足度を上げるために実施されるものです。

この場合、お店の方針としてどんなコーヒーをどのように提供するかを考えましょう。来店時に出す、あるいはグッズで出す場合は、提供形態(飲みやすいドリップパックなど)や包装なども工夫したいです。

提供する場所や場面ごとに適したコーヒーの種類は変わってきますが、美味しいコーヒーでお客様に喜んでいただくには、何より味と鮮度が大切です。「自店の味」というものも含めて、次に挙げるポイントに気をつけて準備を進めましょう。

コーヒーを提供するお店が考えるべき6つのこと

お店として、お客さまにおいしいコーヒーを提供するにはどうしたらいいのか、考えるべき6つのことを紹介します。

提供するコーヒーの種類

食事中心のレストランでは、コーヒーの種類はブレンドやアイスがメインとなります。もちろんカフェラテなどアレンジコーヒーもメニューに入れた方が良いでしょう。

カフェではコーヒー通のお客様も多いので、これらに加えてストレートコーヒーもメニューに加えたいです。より多くのお客様を取り込むために、最低でもメジャーな銘柄はメニューに加えましょう。

代表的なストレートコーヒーの産地や特徴は下表を参照してください。

銘柄産地特徴
ブラジルブラジルバランスの良い酸味と苦味
グアテマラグアテマラ
コロンビアコロンビア重量感のある甘みとコク、フルーティな香り
ブルーマウンテンジャマイカ苦味・酸味・甘味・コク全てが均等に調和
モカイエメンエチオピアフルーツのような酸味と甘味、チョコレートのような強いこり
キリマンジャロタンザニア強い酸味とコク、甘い香り
マンデリンインドネシア苦味とコク、酸味は控えめ、上品な風味
代表的なコーヒーの銘柄・産地

コーヒーの抽出方法

お店で美味しいコーヒーを出すには、淹れたてのコーヒーでなければなりません。どんな方法で抽出するかも大切です。代表的な抽出方法と特徴は下記のとおりです。

抽出器具特徴来店数への対応
サイフォン安定した味わいを出しやすい均一の味で器具を増やせば一度に出す量も増やせる
ドリップ簡単だが一定の味になりにくい淹れる人により味が異なる抽出できる味、量は人頼み
フレンチプレス抽出テクニックが不要コーヒーの個性が出る万人ウケはしない
コーヒーマシーン手間がかからない他の抽出器具に比べ味は落ちる人手をかけずに量を供給できる味にこだわらない店向け
コーヒーの抽出方法

コーヒーの鮮度

お店で提供するコーヒーは焙煎豆をその場で挽いた鮮度のよいものが好ましいです。焙煎から挽くまでのタイミングは、焙煎後3日~1ヵ月ほどがいいでしょう。

焙煎直後のコーヒー豆の中には、ガスがたくさん残っており、その放出がある程度終わる3日後あたりが飲み頃といわれています。鮮度を考えると、長くても焙煎後1ヵ月以内に使い切るのが望ましいです。お店で必要な量を見きわめて発注する必要があります。

コーヒーミル

お店でコーヒー豆を挽くなら、ミルも用意しなければなりません。かかる時間や手間を考え基本的には電動ミルを選ぶことになりますが、自店の規模や提供するコーヒーの種類、使いやすさで決めましょう。

コーヒーの保存

鮮度を保ってコーヒーを保存するには、保存する場所や容器にもこだわりたいです。一般的に、次のような要素がコーヒーを劣化させるといわれています。

  • 酸素
  • 湿度
  • 高温
  • 日光や電灯などの光

コーヒー豆は遮音性の高い密封容器に保存するか、ガラス容器でも光の当たらない棚に入れるといいでしょう。夏場は高温・多湿を避け冷蔵庫に移すのもいいですが、におい移りには気をつけなければなりません。冷蔵庫を使うなら、コーヒー豆専用のものを1つ用意しておきましょう。

ただ、これらはあくまで一般論であり、お店の状況やコーヒーの種類・焙煎方法などにより変わってきます。保存方法は仕入れ先の焙煎士に相談してみると良いでしょう。

焙煎豆の仕入れ

コーヒーの味は生豆の産地によって異なりますが、味にもっとも影響するのは焙煎の仕方と焙煎度(浅煎り、中煎り、深煎り)となります。

浅煎りほど酸味が強く、苦みは弱く、深煎りほど逆に苦みが強く、酸味が弱くなります。そのバランスが味を左右するので、焙煎が最も重要なのです。

焙煎豆の販売元では、そこのオリジナルブレンドを用意しているのが一般的です。ストレートコーヒーを提供する場合も、自店にあった焙煎度や自店のオリジナルブレンドを作りたいなど、焙煎士と相談できるといいでしょう。「焙煎士と相談できる」「焙煎士のレベルが高い」といった観点から、仕入先を選びましょう。。

仕入先の選び方

焙煎豆の仕入れをする場合は、大手のコーヒー豆販売卸か、焙煎士が自ら焙煎したコーヒー豆を販売している「自家焙煎コーヒー専門店」から選ぶのが良いでしょう。

特におすすめなのが、「焙煎士に何でも相談できる仕入先」です。「自店でどういうコーヒーを提供したいか」や焙煎度などはもちろん、抽出方法、抽出器具、ミルの選び方、保存方法や容器、店舗でのオペレーションについても相談ができる仕入先を選べば、お店の運営面からも有益です。

サイフォンやドリップなど、お店での抽出の仕方にあった銘柄や挽き方、抽出方法の習得や上達についてアドバイスしてくれる仕入先であればなお良いでしょう。

自家焙煎コーヒー専門店

自家焙煎とはコーヒーの生豆を自分で煎ることです。味や香りがほとんどしない生豆を、好みの時間や火のかけ方で煎り、こだわりの味わいを表現できます。

そのため、自家焙煎コーヒー専門店では、品質が良く新鮮なコーヒーの生豆を使用しています。オリジナルブレンドが製造できる専門店もあり、理想の味を追求したい方にはおすすめです。自店舗も持っているお店では、抽出から保存まで総合的に相談にのってくれ、親身なアドバイスを期待できます。

しかし、品質がいいという半面、卸値が高くなる傾向があります。専門店からの仕入れをするなら、オリジナルブレンドの製造や相談ができるといったメリットを存分に活かすことが大切です。

大手コーヒー卸業者

焙煎されたコーヒーを扱っているのが大手コーヒー卸業者です。卸価格が低く、大量仕入れも可能です。コーヒー以外にもシロップや加工食品を扱っている業者もあり、一店舗で仕入れを完結できることも特徴です。しかし、自家焙煎コーヒー専門店と比べると鮮度や味のクオリティが低くなってしまいます。

仕入れに当たっての留意点

先述のとおり、自家焙煎コーヒー専門店からの仕入れはコストが高くなります。コストとメリットを天秤にかけ、自店にあった選択をしましょう。自店にあった仕入先を選ぶためのポイントを4つ紹介します。

こだわるポイントはどこなのかを伝える

コーヒー豆の産地や焙煎によって味わいが異なり、価格も変わってきます。そのため、どのようなコーヒーを提供したいのかというこだわりをしっかり定めておきましょう。ゆずれないポイントを仕入先に伝えることで、相手も要望に合ったコーヒー豆や焙煎度を提案してくれます。

原価率

一般的な飲食店の原価率は30%が目安といわれています。コーヒーをお店でドリンクとして出す場合には、この原価率内に十分入ると思われます。高価なスペシャルティコーヒーでなければ問題にはならないでしょう。もちろんお店のコンセプトによって設定する原価率は変わるので、自店の形態に合わせて見極めましょう。

メニューや価格などを総合的に考える

お店で提供するメニューや価格帯によっても、コーヒー豆の選び方が変わります。コーヒー以外のメニューがメインである場合は、コーヒーは低めの価格設定になります。反対に、コーヒーの提供がメインの場合は、こだわりの商品を提供するため価格設定が高くなります。

コーヒー単体で仕入先を決めるのではなく、お店のメニューや価格を総合的に判断して仕入先を選ばなければなりません。

安定した供給が見込める仕入先を見つける

欲しいコーヒー豆を取り扱っている仕入先を見つけたとしても、コーヒー豆の栽培が不安定になることや、仕入先との取引が上手くいかないこともあります。安定した仕入れができない場合、お店での販売・提供もストップしてしまいます。

自店での販売量から、納入サイクルや保存方法、変更への対応や、決済方法まで、しっかり確認をとりましょう。

おすすめ仕入先6選

以下ではコーヒー豆のおすすめの仕入先を紹介します。

自家焙煎珈琲ラポール

自家焙煎珈琲ラポール
  • 取り扱い銘柄が豊富
  • 抽出器具などの仕入れにも対応
  • 熟練の焙煎士が相談にのってくれる

自家焙煎のコーヒー店舗を持ち、飲食店への卸もやっています。自社ブレンドからストレートまで豊富に扱っています。

経験を積んだ焙煎士が、さまざまな相談にのってくれるのも嬉しいです。コーヒー豆の選び方から、抽出器具の選び方、保存方法、店舗オペレーションまで、総合的に相談にのってくれます。自店オリジナルブレンドの相談から、抽出の教育、コーヒー専門店の開業を考えている方には開業コンサルも行っています。

FRESH ROASTER珈琲問屋

FRESH ROASTER珈琲問屋
  • 100種類以上のコーヒーを取り揃える
  • オーダー焙煎が可能
  • 専用器具や食品などの品揃えも豊富

珈琲問屋は、一人ひとりにあったコーヒーを提供しています。国内は16店舗、海外に2店舗、そして、オンラインストアを展開しているコーヒー専門店です。お客様の希望に合った銘柄や焙煎の仕方で提供するオーダー焙煎を行っています。

FRESH ROASTER珈琲問屋公式サイト

丸山珈琲

丸山珈琲
  • 代表がバイヤーとして生産地を訪問し、直接買い付けを行う
  • 素材を生かした独自の焙煎技術
  • 工程すべてに対しコーヒーファーストで商品を製造

丸山珈琲は、コーヒー豆の輸入から販売までこだわりながら商品を製造しています。バイヤーとして各産地に赴き、築き上げた信頼関係により高品質で品揃えが豊富なコーヒーを取り揃えています。

丸山珈琲公式サイト

生豆本舗

生豆本舗
  • 出荷前のハンドピックで欠点豆を除去
  • 10g単位(100g~)で販売
  • 全日本コーヒー検定委員会(J.C.Q.A)の鑑定士である店長が在籍

生豆本舗は、J.C.Q.A.認定コーヒー鑑定士の資格をもつ店長が在籍し、コーヒーに関わる知識を豊富に持っています。コーヒー豆の仕入れにはこだわりたい方や初心者にもおすすめです。

生豆本舗公式サイト

海の向こうコーヒー

海の向こうコーヒー
  • 農薬・化学肥料を使わずに育てたコーヒー豆
  • 持続可能な社会を目指し、農家さんと品質向上に取り組む
  • 200g、1kg、5kg、原袋から注文可能

海の向こうコーヒーは、定番から珍しい産地まで30か国以上から商品を取り揃えています。産地の環境や暮らしに配慮したコーヒー作りを目指しているため、環境改善や地域コミュニティに興味のある方におすすめです。

海の向こうコーヒー公式サイト

GREEN COFFEE STORE

GREEN COFFEE STORE
  • 小分け(10kg)・麻袋(30kg)から提供
  • 焙煎度別でコーヒーを仕入れることが可能
  • 30品種のコーヒー豆を取り揃え

GREEN COFFEE STOREは、アメリカのスペシャルコーヒー生豆販売専門会社であるCAFE IMPORTSの日本向け販売サイトです。最高級品質の生豆を世界に届け、地球への悪影響を抑えるビジネス構築に取り組んでいます。

GREEN COFFEE STORE公式サイト

美味しいコーヒーを提供するためには店舗にあった方法で仕入れましょう!

美味しいコーヒーを提供するために押さえておくべきポイントや仕入先の選び方などについて紹介してきました。どのようにコーヒーを販売・提供するのかイメージはついたでしょうか。

コーヒーはお店の印象を決定付ける重要などリンクです。お店で提供するコーヒーに合った仕入先を選ぶのはもちろん、相談・アドバイスなどのサービスが充実したメーカー・専門店を選びましょう。コーヒー豆を仕入れるだけでなく、コーヒーを提供するまでの手順まで相談できる専門家がいること、アドバイスを受けられる仕入先を選ぶことをおすすめします。

orend-stock

© 2024 STEP AROUND .Inc All Right Reserved