焼きそばやそうめん、ライスヌードルなどの麺類にこだわる飲食店は少ないでしょう。だからこそ、これらの麺類の仕入れ先に迷うお店も多いはず。麺類の仕入れ先にはどんな選択肢があるのか、おすすめの製麺所8選と併せて紹介します。
飲食店・居酒屋 開業前に押さえておきたい麺類の仕入先
飲食店、特に居酒屋のようなメニュー数が売りのお店を開くときは、「焼きそば」「そうめん」「ライスヌードル」など人気の麺類を揃えておくのがおすすめです。このようなちょっとした料理、変わったメニューを出せるようにしておくと、お客さんが喜んでくれるでしょう。
ただ、ラーメンやうどん、パスタなどと比べ、これらの麺類を専門に扱っている食材卸は少ないです。このような「ちょっとしたメニューに使う麺類」がどこで仕入れればいいのか、どう選べばいいのかを解説していきます。
焼きそば
焼きそばはそうめんやライスヌードルに比べ、「注文されやすい」「保存がききづらい」といった特徴があります。お店でどのくらい出るかを見ながら、食材卸でこまめに仕入れたり、在庫の残量を見ながら業務用スーパーに買いに行ったりするのがいいでしょう。
業態やコンセプトにもよりますが、焼きそばにこだわりたいというお店もあるはずです。居酒屋、フードコート、お好み焼き屋などの業態で麺にこだわるなら、焼きそばの種類が多い食材卸を使うのがおすすめです。
そうめん
そうめんがメニューにある飲食店は少なく、メインメニューにできるようなインパクトはありません。ただ、沖縄料理居酒屋や、居酒屋のお通し、夏限定メニューとして出せるようにしておくと喜ばれるかもしれません。
そうめんは「季節商品」「サイドメニュー」といった側面が強く、保存もしやすいです。必要なときだけ業務用スーパーに買いにいくか、取引先の食材卸が扱っているなら、ついでに注文する程度でも十分でしょう。
ライスヌードル
タイ料理などのエスニック系のお店なら、ライスヌードル(フォー)はぜひ用意しておきたいです。近年はパッタイやタイラーメンへの注目度も高く、居酒屋でもこれらのエスニック料理を1~2品出せるようにしておくと、周りのお店と差別化できるでしょう。
このあたりのメニューにこだわるなら、ライスヌードルのほかにも「ナンプラー」「チリソース」「ウェイパー」「小エビ」などもそろえておきたいです。これらの取り扱いがある食材卸を探しておきましょう。
「そこまでこだわらない」「普段使っている食材卸がライスヌードルを扱っていない」というなら、業務用スーパーでの購入がおすすめです。乾麺なので保存もききやすく、ロスが出ない程度にまとめ買いしておくといいでしょう。
麺類はどこから仕入れる?メリット・デメリットと使い分け
焼きそば・そうめん・ライスヌードルなどの仕入れ先は、主に次の4つです。それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、使い分けることで、在庫不足 や食材ロスを改善したりできるでしょう。
メリット | デメリット | |
一般のスーパー | ・店舗数が多く、買出しに行きやすい ・そうめんなら一般のスーパーでも十分 | ・品揃えが限られる ・価格が割高 ・業務サイズの扱いが少ない |
業務用スーパー | ・一般的なスーパーよりも割安 ・品揃えが豊富 ・業務用サイズの扱いが豊富 | ・店舗数が少なく、お店の近くにあるとは限らない ・掛け払いができない |
卸売業者 | ・掛け払いができる ・値段交渉がしやすい | ・ロットが大きいことが多い ・配送日の融通が利きづらい |
製麺所 | ・原材料から製法までこだわり抜いた麺が手に入る ・職人のこだわり、製麺所の歴史や伝統など、ストーリー性も高い | ・質の高いものは価格もそれなりに高い |
一般のスーパー
焼きそばやそうめんなら、一般的なスーパーでも十分にそろうでしょう。ただ、ライスヌードルやエスニック料理の調味料などは、購入できるお店が限られます。焼きそばも、3食ソース付き家庭用は売っていても、業務用の麺となるとスーパーでの調達は難しいです。
スーパーはいざというときの在庫補充に留め、業務用スーパーや食材卸から購入するのがおすすめです。
業務用スーパー
業務用スーパーなら、焼きそばやそうめんはもちろん、ライスヌードルも手に入ります。商品の種類も多く、業務サイズの扱いもあります。価格も一般的なスーパーよりは割安です。
ただ、業務用とはいえ、掛け払いには対応していないでしょう。現金やクレジットカードで、レジでその場で支払うのが普通です。普段は食材卸から仕入れ、在庫が足りなくなったときだけ、近くの業務用スーパーに買いに走るのがいいでしょう。
卸売業者(食材卸)
飲食店の仕入れ先としてポピュラーなのが、卸売業者(食材卸)です。スーパーよりも品揃えが豊富で、卸価格で買えるため仕入れ費も抑えられます。相見積もりを取ったり、価格交渉したりもでき、掛け払いできるのが普通です。コスト面での融通が利くでしょう。
ただ、「小ロット対応していない」「配送日が決まっている」といった、融通が利きづらい一面もあります。
製麺所
食感や食感を追求するなら、やはり製麺所からの直接仕入れがいちばんでしょう。製法や原材料にこだわり抜いた製麺所、100年近い歴史をもつ製麺所の作る麺は、やはり一味違います。
これらのこだわりは、メニューそのものだけでなく、マーケティングにも活かせます。どこで、どんな人が麺を打っているのか。職人にはどんな想いがあるのかといったストーリー性も、お客さんの心を惹きつけます。
最近では食材へのこだわりをインターネットやショップカードでアピールするお店も増えました。今は飲食店も味だけでなく、ストーリー性でも勝負する時代です。
食感と風味にこだわり抜くならここ!焼きそばの製麺所3選
小麦粉や麺の太さ、製法など、独自のこだわりを持って焼きそばを作っている製麺所を3つ紹介します。
株式会社大磯屋製麺所
- 5種の小麦粉を使った独自ブレンド
- お湯の温度変化を抑えるため、少量ずつ茹でる
- 人の手で丁寧に作ることで生まれる食感と風味
大磯屋製麺所は、5種類の小麦粉を使った独自ブレンドが特徴の焼きそば麺を作っています。もっちりとした食感と、小麦の風味や甘み、旨味が広がる焼きそば麺は、丁寧な手作業から生まれます。
有限会社清川製麺
- 約4mmの極太麺
- オリジナルソース付き
- 卵・油不使用
清川製麺の焼きそば麺は太さ約4mm、通常の焼きそば麺の倍以上です。卵不使用なのでアレルギーがあっても食べられる、蒸した後に油処理をしていないから臭みがない。清川製麺ならではのもっちり感と風味が味わえる、特別な焼きそば麺です。
有限会社わたなべ製麺所
- 昔ながらの祭りの焼きそば
- じっくり蒸し上げたプリプリの麺
- 焼きそばソースも販売あり
わたなべ製麺所は業務用焼きそば麺とソース(液体・ソース)を販売しています。昔ながらの焼きそばは、学園祭や地域のお祭りでも大人気です。
歴史と伝統が詰まった、小豆島のそうめん製麺所3選
そうめんの三大産地「小豆島」で製麺を続ける、歴史と伝統が詰まった製麺所を3つ紹介します。
有限会社真砂喜之助製麺所
- 100年続く技と味
- 昔ながらの製法の手延べそうめん
- 日本三大そうめんの「小豆島そうめん」
真砂喜之助製麺所は、そうめんが有名な小豆島の製麺所で、100年間変わらない製法で手延べそうめんを作ってきました。人の手で丁寧に作ったそうめんは、味はもちろん、ストーリー性も高いです。
マルカツ製麺所
- メディアでの取り上げ多数
- 小豆島で100年以上そうめんを作り続ける
- 明治23年の「第三回内國勧業博覧会」で三等有効賞を受賞
マルカツ製麺所も、小豆島で100年以上そうめんを作ってきた製麺所です。初代が明治23年の「第三回内國勧業博覧会」で、三等有効賞を受賞。代々続くこだわりのそうめんには、歴史と伝統が詰まっています。
有限会社石井製麺所
- 小豆島で家族経営を続ける製麺所
- 「からだ想いな素麺」にかける想い
- 冷たくしても、あたたかくしても
石井製麺所は、そうめんの三大産地・小豆島で家族経営を続ける製麺所です。夏は冷たく、冬はあたたかくして、いつでもつるっと食べられるそうめんは心と体を癒してくれる。そんな「からだ想いな素麺」にこだわり、口コミで広まり続けてきた製麺所です。
国産米粉のライスヌードルが手に入る製麺所2選
生麺のライスヌードル、米粉で作ったうどんやパスタを仕入れられる製麺所を2つ紹介します。
株式会社はしづめ製麺
- 70年以上続く老舗
- 一流ホテルやレストランでも好評
- 国産米粉100%、生麺のライスヌードル
はしづめ製麺は70年以上続く老舗の製麺所で、中華麺やうどん・そばはもちろん、練りこみ麺や特殊麺までさまざまな麺を作っています。国産米粉100%、生麺のライスヌードルの開発期間はなんと5年。たくさんの時間と労力をかけて生まれた、こだわりのライスヌードルです。
株式会社川北製麺
- 安心安全なグルテンフリー麺の数々
- さまざまな種類のライスヌードル
- 安心して食事を楽しんでもらいたいという想い
川北製麺はうどんやラーメン、パスタ、そうめんなど、さまざまな麺をグルテンフリーで作っています。これらの麺の原料は国産米粉。アレルギーのある人でも安心して食べられるよう、専用の製造ラインで製麺しています。「小麦を食べられない人」にも、さまざまなメニューを楽しんでもらいたい。そんなお店におすすめです。
麺は日本の国民食!原材料や製法にこだわり、一味違うメニューを作ろう
日本にはさまざまな麺料理があります。おいしい麺料理を求めて飲食店めぐりをする人も多く、麺にどこまでこだわれるかで、お店の客入りも変わってくるでしょう。
本記事で紹介した製麺所は、どこも原材料や製法にとことんこだわり、おいしい麺を作り続けてきました。このような「職人が作る麺」はおいしいだけでなく、歴史と伝統が詰まっていたり開発秘話があったりと、ストーリー性も高いです。
どんな人たちが作っているのか、どんな想いが込められているのかをアピールすることは集客にも有効です。記事で紹介した製麺所の中で気になるところがあったら、まずは公式サイトから問い合わせをしてみてください。