そばの種類
そばの種類は、仕入れ麺と自家製麺の2つに大別できます。仕入れ麺は、製麺にかかる手間や時間、時間をかけることなく一定の品質のが保たれた蕎麦を提供できるのがメリットです。製麺所によってはOEM対応を行っている製麺所もあるので、こだわった蕎麦を仕入れることも可能です。
自家製麺は、製粉会社からそば粉を仕入れ、お店でそばを打つ方法です。そばは玄蕎麦の産地や製粉の方法、水分量などの違いにより個性がわかれます。そばは繊細なため、そば打ちには熟練の技術が必要ですが、手打ち麺にすることにより理想のそばを提供することができ、お店のこだわりをウリにすることができます。
そばの原料・作り方
そばとは、玄蕎麦を挽いたそば粉を主原料とする食品のことです。そばは抗酸化作用やアンチエイジング効果なども得ることができると話題になり、ヘルシーな食品として老若男女に人気が高まっています。
また、そばは製粉の仕方によって風味や食感、のど越し、栄養価などが大きく異なってきます。そばの製粉方法は、「ロール製粉」と「石臼製粉」の二通りがあり、「ロール製粉」は製麺所でよくとられる製粉方法で、生麺や乾麺に向いています。手打ち面の場合、「石臼製粉」が向いていると言われています。
そばの選び方
そばは、製法やルーツによる違いや、そば粉とつなぎ(小麦粉)の割合などで分類されています。また、玄蕎麦の産地によっても異なり水分量や色み香りなどに特徴があります。
名称 | 地域 | 特徴 |
更科そば | 東京 | ・江戸前御三家のそば ・一番粉を仕様 ・甘皮が混じっておらず白い |
藪そば | 東京 | ・江戸前御三家のそば ・甘皮が混じり緑がかっている ・塩辛いつゆがオススメ |
砂場そば | 大阪 | 江戸前御三家最古のそば ・なめらかなのど越し ・濃いめのつゆがオススメ |
十割そば | 全国 | ・そば粉のみで製麺 ・そば粉の風味が最大限に活かされる ・つなぎがないため、高度な技術を要する |
二八そば | 全国 | ・つなぎに2割の小麦を使用 ・なめらかな食感 ・一般的なそば |
田舎そば | 全国 | ・全層粉で製麺 ・色が黒くて香りが強い |
茶そば | 全国 | ・そば粉に抹茶を練りこみ製麺 ・そば粉の香りと茶葉の香りが両方楽しめる |
そばの仕入・発注方法
そばの仕入先は「製麺所」「製麺会社」です。自家製麺の場合は、そば粉やつなぎ粉を仕入れ、お店で製麺することになるでしょう。自家製麺では多くのお店では手打ちをしていますが、製麺機を購入・リースなどして製麺しているお店も一部あります。
既製品にしろOEMにしろ、製麺所ごとに最低発注ロットが決まっていますから、ロット単位で仕入れることになります。発注方法には電話・FAX注文、インターネット注文などがあります。昔ながらの製麺所は電話やFAXにしか対応していないところもあるかもしれませんが、管理しやすさ、発注しやすさで考えるなら、インターネット注文がおすすめです。
そば仕入れのメリット・デメリット
仕入れ麺と自家製麺には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
仕入れ | ・製麺に時間と手間がかからない・麺が手に入りやすい ・オリジナル(OEM)麺に対応した製麺所もある ・一定の品質が保たれる | ・仕入れコストが若干高い ・店にピッタリの麺を探すのに時間がかかる ・保存や管理が難しい |
自家製(オリジナル) | ・仕入れコストが抑えられる ・自家製であることがウリになる ・メニュー開発がしやすい | 手打ちの場合 ・熟練の技術が必要 ・製麺に時間と手間がかかる ・品質が安定しない製麺機の場合 ・製麺機の導入、維持にコストがかかる |
仕入れ麺はできあがった麺がそのまま届くため、製麺に時間や手間がかかりません。手打ちの場合であれば、長年の熟練した技術が必要となりともすると品質が安定しません。加えて手打ちで製麺する場所を確保しなければなりません。また、製麺機は導入するにも維持するにもお金がかかりますし置き場所も必要です。
自家製麺と異なりオリジナリティを出すのは難しそうに感じますが、最近ではOEM(製麺所に、自店用のオリジナル麺を作ってもらうこと)に対応した製麺所も多いです。もととなるそば粉の産地を指定したり、そばの製法を指定したりすることができるため、熟練した技術がなくても理想のそばを仕入れることができます。
周りのお店が手打ちが多いため、こだわりをウリにするために手打ち製麺にチャレンジしたい場合は、一先ず製麺所と相談の上理想のそばを仕入れることからはじめ、満足のいく技術が身に付いた後でも遅くはありません。
お店を運営している間に、製麺に掛かる時間や手間、製麺スペースの確保するためのコストを考え、仕入れ面やOEMで継続するか、手打ち製麺にチャレンジするかを判断するようにしましょう。
そばのおすすめ仕入先5選
株式会社渡辺製麺
・本場信州そば
・管理がしやすい小分け対応
・店舗ごとにオリジナルOEM対応
そばの本場である長野県で創業し、信州そばの魅力を全国に届けています。ベーシックな田舎そばから変わりそばまで幅広い商品ラインナップがあります。OEMはワンストップで提案を受けることができ、プライベートブランド商品として販売が可能です。
詳細はこちら:株式会社渡辺製麺 (watanabeseimen.co.jp)
取扱商品/種類 | 生そば/半生そば/そばつゆ/白糸/田舎/更科/粗挽き/霧ヶ峰/早ゆで/十穀/乱切り/太切り/細きり |
サンプル取り寄せ | あり(要問合せ) |
小ロット対応 | あり(要問合せ) |
発送期間 | 要問合せ |
株式会社増田(増田そば製粉所)
・そば粉と玄蕎麦の販売
・オリジナルそば粉に対応可能
・製粉にこだわり、石臼製粉を越前そば挽き職人が徹底管理
福井県に契約農家から直接仕入れた福井県産の玄蕎麦を低温倉庫で徹底管理をしています。挽く工程からふるいにかける工程に至るまで、そば挽き職人が五感を頼りに状態を見守り、丁寧に製粉しています。
詳細はこちら:会社概要 | 増田そば製粉所 (masudasoba.com)
取扱商品/種類 | 福井県産そば粉/玄蕎麦/打ち粉/つなぎ粉 |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | 要問合せ |
発送期間 | 注文確定から3日後 |
株式会社カガセイフン
・そば粉と玄蕎麦の販売
・ガレット粉の販売
・オリジナルそば粉に対応可能
カガセイフンのそば粉は「福井在来種」を契約農家から無農薬・低農薬栽培の玄蕎麦を仕入れ、低温低湿倉庫に保管しています。原料、石臼、挽きにこだわりお店の好みに合わせたそば粉の配合が可能です。
詳細はこちら:業務用そば粉試作と提案、玄そばの販売。|カガセイフン (kaga-seifun.com)
取扱商品/種類 | 越前そば粉/越前/奥越/水仙/吉峰/金華/一乗ガレット粉/KS/FS/ハーフ |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり(5kg~) |
発送期間 | 要問合せ |
島田製粉株式会社
・深大寺そば専門店
・深大寺伝統の一尺(33cm)の長さを再現
・小ロットでの注文が可能
東京深大寺そばの特徴は、一尺(33cm)という長さと一番粉を製麺する栄養価の高さです。そのため、口当たりがよく、のど越しのよい「すすって食べる粋な蕎麦」と言われています。
詳細はこちら:深大寺そば麺匠の味 | 島田製粉株式会社 (shimadaseifun.co.jp)
取扱商品/種類 | 深大寺そば/乾麺/生麺/そば粉/そばつゆ |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | あり |
発送期間 | 注文確定日から3営業日で発送 |
有限会社大西製粉
・明治創業の100年以上の歴史
・霧下蕎麦の名産地として知られる長野県小諸市の製粉会社
・1kg~の小ロット対応
100年以上の歴史をもつ老舗の製粉所で、その歴史に裏打ちされた信頼できる製粉会社です。生産者との橋渡し役として積極的にSDG’sや農業経営改善に取り組む企業として認定されています。
詳細はこちら:大西製粉について|そば粉・信州そば粉の製造販売 創業120年 蔵の粉屋 大西製粉 (konaya.jp)
取扱商品/種類 | 石臼挽きそば粉/ロール挽きそば粉/二八/更科/田舎/アメリカ/新そば/打ち粉/ガレット粉/玄蕎麦 |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり(1kg~) |
発送期間 | 注文確定から1~2営業日で発送 |
業者の選び方、ポイント5つ
製麺所を選ぶときは、次のようなポイントをチェックしましょう。
1.最小ロット数と発送期間
そばの消費期限は短く、仕入れ麺でも麺の管理は大切です。最小ロット数が少なく、発送機関の短い製麺所であれば、仕入れ麺の管理がしやすくなります。特に特に開業前や開業したばかりの頃は、どのくらいの期間で何食が出るのかがわかりません。仕入れ麺のロスが少なくなるように小ロット対応で、発送期間の短い製麵所を選ぶことをおすすめします。
2.サンプルの有無
お店の味に合うそばを探すためには、いくつもの仕入れ面やそば粉を試す必要があります。サンプル提供のない製麺所を選んでしまうと、商品開発のコストがふくらんでしまいます。
3.取扱商品の種類
そばはそば粉の産地、製粉方法、水分量などによって特徴が大きく異なります。製麺所がどの地域のそば粉を仕入れているか、どのように玄蕎麦を管理保管しているかを確認しましょう。自分が理想とするそばとマッチする特徴をもったそばを見つけることをオススメします。
4.OEMに対応しているか
OEM(オリジナル)の仕入れ麺やそば粉を使えば、お店の理想に合う麺をこだわって製麺することができます。競合店との差別化も計れ、お店のこだわりをウリにすることができます。製麺所の中にはそば職人に直接相談できる製麺所もあるので、活用することをオススメします。
5.Web注文ができるか
仕入れ麺やそば粉を電話やFAXで注文する方が使いやすいという方もいるでしょう。しかし、Web注文なら製麺所の営業時間を気にしなくて済むため、空き時間でいつでも注文でき、管理もしやすいのでおすすめです。