米の種類
米の種類は、玄米と精米の2つに大別できます。米は消費期限がないものの、長期間保管をした場合、品質や食味が劣化してしまいます。玄米の場合はお店で精米をする必要がありますが、防虫や劣化防止をすることができ、最近ではその都度精米をして提供しているお店もすくなくありません。精米の場合は米卸業者のプロが熟練の技術で精米するため、安定した品質を保つことができます。必要な量ごとに発注することで品質や食味を落とさずに提供することできます。
精米の中では無洗米を選ぶという選択肢もあります。無洗米であればお店で米を研ぐ時間や手間が掛かりません。節水や時間を手間を抑えるために無洗米を選択するお店も増えています。
一方、最近では多くの国の料理を扱うお店も増えました。そのため、カリフォルニア米やタイ米といった海外で生産された米を選ぶこともできます。日本国内の米は「ジャポニカ米」で日本をはじめとした東アジアやヨーロッパの一部で生産されている米です。東南アジアを中心に生産されている米は、「インディカ米」です。日本でもっとも有名な「インディカ米」はカリフォルニア米やタイ米です。実は「インディカ米」は世界の米の生産量で8割以上を占めるメジャーな米なのです。細長い形状と炊くとパサパサするのが特徴で、東南アジアの料理やパエリア、ピラフなどに向いています。
米の選び方
米の選び方は様々ですが、お店では日本のブランド米を取り扱うお店が少なくありません。日本国内でもブランド米の種類は数多ありますが、有名なものを紹介します。
名称 | 発祥 | 特徴 |
コシヒカリ | 新潟 | ・日本ではトップブランド ・和食だけではなく養殖にも合う万能米 ・粘り気が強く寿司には不向き |
ひとめぼれ | 宮城 | ・コシヒカリから交配 ・さっぱりとした味わい ・口当たりの柔らかさ |
ヒノヒカリ | 宮崎 | ・コシヒカリから交配 ・粘りが少なく寿司に向いている ・たれをかける丼ものにオススメ |
あきたこまち | 秋田 | ・コシヒカリから交配 ・粒がやや小さく硬め ・あっさりとした味わい |
ななつぼし | 北海道 | ・ひとめぼれから交配 ・粒がかっちり ・冷めてもおいしく弁当にオススメ |
はえぬき | 山形 | ・あきたこまちから交配 ・魚沼産コシヒカリに匹敵するブランド米 |
キヌヒカリ | 北陸 | ・絹のような光沢 ・さっぱりして甘みがある ・惣菜やおかずと一緒に食べるのがオススメ |
米の仕入・発注方法
米の仕入先は「米卸会社」です。玄米の場合は、お店で精米をする必要があります。精米をするには精米機を購入するか、近場の精米機で精米をすることになるでしょう。その日に必要な量を精米すれば、虫食いや劣化を防ぐことができます。
玄米にしろ精米にしろ、米卸会社ごとに最低発注ロットが決まっていますから、ロット単位で仕入れることになります。発注方法には電話・FAX注文、インターネット注文などがあります。昔ながらの米卸会社は電話やFAXにしか対応していないところもあるかもしれませんが、管理しやすさ、発注しやすさで考えるなら、インターネット注文がおすすめです。
米仕入れのメリット・デメリット
玄米と精米には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
精米(無洗米) | ・精米に時間がかからない ・都度米の品種を選びやすい ・プロの精米により品質や食材が一定 | ・玄米に比べ風味や香りが若干落ちる ・長期間の保存ができない |
玄米 | ・都度精米することにより長期の保存ができる ・挽きたての米を使用することで風味や香りを楽しめる | ・精米する時間や手間がかかる ・精米機の導入コストや都度精米にコストがかかる |
精米は、精米に時間や手間がかかりません。また、無洗米を仕入れることで米を研ぐ時間や手間を省くことができます。玄米を精米するためには精米機を導入したり、都度精米をするのはコストが掛かります。また、お店の精米機を導入するのであれば置き場所が必要です。都度精米する場合でもどこでも精米することはできないため、時間と手間が掛かることを覚悟しましょう。
さらに時間や手間を省きたいのであれば炊飯された米を仕入れることができます。最近ではしゃり玉に加工した米を提供する米卸会社もあります。
お店のこだわり次第で、玄米を仕入れるのか、精米(無洗米)を仕入れるのかの判断と、ブランド米を仕入れるのか、ブレンド米を仕入れるのかを判断しましょう。米自体のブランドを強調したい場合は、ブレンド米を玄米で仕入れる必要があり、主食として取り扱うのであれば精米されたブレンド米を仕入れることで安価となります。いずれお店の目的に合わせて米を選ぶようにしましょう。
米仕入先おすすめ5選
鎌倉米穀株式会社
・独自のブレンド米「アミノライス」を提供
・玄米を低温貯蔵し、必要な分だけを精米
・熟練の技術による精米
独自のブレンド米「アミノライス」を提供することにより、原料価格高騰による値上げリスクを回避しています。ブレンド米により、安定した品質と食味を実現しています。
詳細はこちら:鈴兼米穀株式会社 (suzukane.co.jp)
取扱商品/種類 | 魚沼産コシヒカリ/新潟県産コシヒカリ/富山県産コシヒカリ/秋田県産あきたこまち/ゴールドアミノライス/シルバーアミノライス/アミノライス |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | なし |
発送期間 | 要問い合わせ |
株式会社米心石川
・玄米や精米の他炊飯やしゃり玉も対応可能
・石川県産米卸会社
・全国ではじめて多用途搬送システムを導入し、精米タンク毎移動
玄米や精米の他に炊飯やしゃり玉を提供しているため、飲食店や量販店向けを中心に幅広い用途で米を提供しています。北陸初の産業用ロボットによるIH炊飯システムを導入し、高度なセキュリティー、衛生管理のもとで製造しています。
詳細はこちら:株式会社 米心石川 (beishin-i.co.jp)
取扱商品/種類 | 石川県産コシヒカリ/石川県産ひゃくまん穀/石川県産ゆめみづほ/石川県産つきあかり/石川県産能登ひかり/石川県産かぐらもち/玄米石川県産コシヒカリ/炊飯/しゃり玉 |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | なし |
発送期間 | 要問い合わせ |
木徳神糧株式会社
・上場企業のスケールメリットを活かし安定供給を実現
・均一な商品を同一の価格で提供する「全国均一サービス」
・海外の生産拠点を有し海外米の仕入れも可能
日本全国の生産拠点を5拠点持ち、海外にも生産拠点があるため、そのスケールメリットを活かし安定供給と均一な商品を同一価格で提供することができます。カリフォルニア米やタイ米といった海外米も仕入れることができます。
詳細はこちら:木徳神糧株式会社 | こめしぼり (kitoku-shinryo.co.jp)
取扱商品/種類 | 玄米宮城県産金のいぶき/宮城県産ひとめぼれ胚芽米/福島県産コシヒカリ/京都府産コシヒカリ/その他多数 |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | なし |
発送期間 | 要問い合わせ |
株式会社手束商店
・仕入・精米工程・在庫管理・配送に至るまで一貫した自社システムにより低コストで供給
・安定供給を実現
・注文から納品までスピーディーに対応
敬客愛品の言葉を大切にし、飲食店を中心に幅広いお客様との取引をしています。希望や要望のコメの安定供給と注文から納品までのスピーディーな対応で応えています。
詳細はこちら:業務用米卸販売の手束商店 (tezuka-shouten.co.jp)
取扱商品/種類 | 魚沼産コシヒカリ/山形県産つや姫/北海道産ゆめぴりか/新潟県産コシヒカリ/丹波産コシヒカリ/伊賀産コシヒカリ/福井県産コシヒカリ/ミルキークイーン/岡山県産ひのひかり |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | 要問い合わせ |
発送期間 | 要問い合わせ |
株式会社米のさくら屋
・北海道産ゆめぴりか専門店
・生産農家と直接契約による仕入れ
・低温熟成栽培米、減農薬栽培米、有機堆肥栽培米など、こだわりの米を提供
北海道産ゆめぴりか専門米卸業者です。仕入れるコメのすべてを信頼できる契約農家の契約栽培による仕入れをしており、低温熟成栽培米、減農薬栽培米、有機堆肥栽培米などこだわりの米を提供しています。
詳細はこちら:【公式】米のさくら屋 ゆめぴりかと北海道のおいしいもの (komenosakuraya.com)
取扱商品/種類 | 北海道産ゆめぴりか |
サンプル取り寄せ | なし |
小ロット対応 | あり(要問い合わせ) |
発送期間 | 注文確定から5営業日 |
米仕入先の選び方、ポイント5つ
米卸業者を選ぶときは、次のようなポイントをチェックしましょう。
1.最小ロット数と発送期間
最小ロット数が少ないほど、米の在庫管理はやりやすくなります。米の消費期限はないものの、特に精米の場合虫食いや劣化により品質を保持できません。開業前や開業したばかりの頃は、どのくらいの期間で何食が出るのかがわかりません。
2.用途に合わせた米の状態
米の仕入れには玄米、精米(無洗米)、炊飯、加工米に分けられますが、お店の目的に合わせた米の状態で仕入れることが大切です。米自体のブランドを強調したいのであれば玄米を仕入れ、お店で精米をする必要があります。一方、一時的に大量の米が必要な場合は炊飯された米や加工された米を仕入れるのが効率的です。
3.取扱商品の種類
米の種類は数多ありますが、幅広いラインナップの米卸業者を選ぶことに越したことはありません。米は産地によって大きく異なるため、お店の目的や料理に合った米選びが大切です。米の用途によって米を使い分け、品質と食味を一定に保つことはもちろんのこと、お店のサービスが強調される米を選ぶようにしましょう。
4.保管方法と精米方法
米はシンプルな食品であるため、米の保管方法と精米方法で品質や食味が変わります。米は一般的に低温管理が理想とされているため、常温で保管しているような米卸業者ではなく、自社で徹底した管理をしている米卸業者を選びましょう。また、精米方法でも変わるため、米卸業者の精米方法を事前に確認することをオススメします。
5.Web注文ができるか
米を仕入れるのに電話やFAXで注文する方が良い、という方もいるでしょう。しかし、Web注文なら製麺所の営業時間を気にしなくて済むため、空き時間でいつでも注文でき、管理もしやすいのでおすすめです。