麺(ラーメン)の種類
麺(ラーメン)の種類は、仕入れ麺と自家製麺の2つに大別できます。仕入れ麺は麺を作ったり開発したりする手間がかかるものの、店オリジナルのものが作れること、それ自体がウリになることなどがメリットです(これをOEMといいます)。
仕入れ麺は、製麺会社から麺を仕入れる方法です。ポピュラーなのは既製品を購入する方法ですが、最近では製麺会社にオリジナルの麺を作ってもらう方法を取る店も増えています。このオーダーメイド式の仕入れ面なら、自家製麺ほど手間をかけず、自家製麺と同じオリジナル性をウリにできます。
麺(ラーメン)の原料・作り方
麺(ラーメン)の主な原料は、水と小麦粉、かん水です。かん水とは、炭酸ナトリウム(固形かん水)または炭酸カリウム(液体かん水)を主成分とした食品添加物のことで、ラーメン特有の食感や色のもととなっています。
また、水をどのくらい入れるかでラーメンの食感は変わります。水を多く使う「多加水麺」は弾があり、麺にスープが染み込みづらく、のびにくいです。水の少ない「低加水麺」は弾力が少なくのびやすくはあるものの、小麦の風味が感じられる魅力もあります。
麺(ラーメン)の太さと選び方
また、ラーメンは、麺の太さにより「番手」が分かれています。この番手を基準に、極細麺~極太麺の6種類に分けるのが、一般的な分類方法です。
麺(ラーメン)の仕入・発注方法
麺(ラーメン)の主な仕入先は「製麺所」「製麺会社」です。自家製麺の場合は、小麦やかん水を仕入れ、お店で製麺することになるでしょう。手打ちではなく、製麺機を購入・リースなどして製麺するのが一般的です。
既製品にしろOEMにしろ、製麺所ごとに最低発注ロットが決まっていますから、ロット単位で仕入れることになります。発注方法には電話・FAX注文、インターネット注文などがあります。昔ながらの製麺所は電話やFAXにしか対応していないところもあるかもしれませんが、管理しやすさ、発注しやすさで考えるなら、インターネット注文がおすすめです。
麺仕入れのメリット・デメリット
お店を立ち上げる際、麺を仕入れにするか自家製にするかで迷われることがあるかもしれません。仕入れ麺と自家製麺には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
仕入れ | ・製麺に時間がかからない ・麺が手に入りやすい ・オリジナル(OEM)麺に対応した製麺所もある | ・コストがやや高い ・店にピッタリの麺を探すのに時間がかかる ・保存や管理が難しい |
自家製(オリジナル) | ・コストが低め ・自家製であることがウリになる ・メニュー開発がしやすい | ・製麺機の導入、維持にコストがかかる ・製麺機が場所を取る ・製麺に時間と手間がかかる |
仕入れ麺はできあがった麺がそのまま届くため、製麺に時間や手間がかかりません。製麺機は導入するにも維持するにもお金がかかりますし、置き場所も必要です。製麺機の置く場所を考えなくて済む分、客席スペースを広くしたり、お店や土地の面積を抑えたりできるでしょう。お店を開くには何かとお金がかかりますから、これらの初期費用を抑えられるのは嬉しいです。
自家製麺と異なりオリジナリティを出すのは難しそうに感じますが、最近ではOEM(製麺所に、自店用のオリジナル麺を作ってもらうこと)に対応した製麺所も多いです。麺の状態で保管することになるため発注や在庫の管理はやや難しくなりますが、麺をお店で作るのも手間がかかります。通常の営業やアルバイトの教育、スープや食材の仕込みに加えて製麺までするとなると大変でしょう。
唯一気になるのは、仕入れ麺は自家製麺に対してコストがかかることです。ただ、自家製麺は製麺機の導入・維持費、スタッフに製麺させるなら人件費もかかります。
仕入れ麺 | 自家製麺 | |
1玉(100~130gほど)あたりの原材料費 | 50~80円 | 18~40円 |
製麺機のリース料 | なし | 3万~4万円ほど |
1ヵ月あたりの合計コスト※1日100食、25日営業で計算 | 12万5,000~20万円 | 8万5,000~14万円ほど |
表はあくまで概算ですが、ランニングコストだけを考えると自家製麺の方が低コストです。ただ、製麺にかかる時間と手間、スタッフを使う場合の人件費、製麺機の置き場所なども考えると、一概に自家製麺がいいとはいえません。
ランニングコストとイニシャルコストのどちらを重視するのか、時間や手間、店内のスペースをどう考えるのかにより、ベストな選択肢は変わります。ひとまずは仕入れで開業して、自家製麺に切り替えるか仕入れ麺やOEMで対応するか、様子を見て考えるのが無難かもしれません。
麺の仕入先おすすめ6選
丸山製麺 ー1958年創業の老舗。多品種麺の製造の他、DX・マーケ事業も手掛けるー
- 華麺・蒸し麺・そば・うどんなどの多品種の製造を行えることが特長
- 全国有名店の味が楽しめる冷凍ラーメン自販機「ヌードルツアーズ」を運営
- EC、ゴーストレストランなど多領域でのブランド開発支援
- ニーズに即した食・サービスの提供や「食×IT」をテーマにした新規事業開発
1958年の創業の製麺所で、厳選された原料使用と衛生管理の徹底にこだわりながら、食品関連事業者向けにオーダーメイドで麺を製造しています。そば製造ではトップ領域で、中華麺だけを作る製麺所が多い中、中華麺・蒸し麺・そば・うどんなどの多品種の製造を行えることが特長です。
また、老舗企業でありながら、IT・冷凍を活用した販路拡大戦略にも注力し、新しい試みに挑戦する企業です。今後も時代やニーズに即した食・サービスの提供や「食×IT」をテーマにした新規事業開発などを仕掛け、後継者不足などに悩む製麺業界を盛り上げるリーディングカンパニーとなることを目指します。
取扱商品/種類 | ・生麺・冷凍麺・蒸し麺・そば・うどん・冷凍ラーメン |
サンプル取り寄せ | お問い合わせください |
小ロット対応 | お問い合わせください |
発送期間 | お問い合わせください |
八角製麺
- 最小5食から対応可
- 創業100年以上の老舗
- 無料サンプルあり
大正10年創業、以来100年以上麺づくりに打ち込んできた老舗中の老舗です。麺の太さはもちろん、縮れ、ストレートなどさまざまな麺を扱い、オリジナル麺にも対応しています。まずは無料サンプルで、お店の味に合う麺を探してみてはいかがでしょうか。
詳細はこちら:八角製麺 Webサイト
取扱商品/種類 | OEM麺/極細縮れ麺/細ストレート麺/細縮れ麺/中太縮れ麺/つけ麺用極太麺/極太硬麺 横浜家系用 など |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり※最小5食~ |
発送期間 | 1~2日(佐川急便) |
太陽食品
- 1玉45円~の低価格
- さまざまなラーメンに対応
- NB麺400種類以上、OEM対応
醤油や味噌、醤油などの味、つけ麺やまぜそばなどの種類ごとに、さまざまなタイプの麺が用意されています。今お店で使っている麺を再現したり、それをベースにオリジナル麺を作ったりもできます。
詳細はこちら:太陽食品 Webサイト
取扱商品/種類 | 細麺/ちぢれ麺/細ストレート麺/黒太麺/家系/花博多麺/真空博多麺/つけ麺/平麺/ストレート麺/太ストレート麺 など400種類以上 |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり※2ケース(100食)~ |
発送期間 | 要問い合わせ |
足立商店
- 麺だけでなく、スープや調味料の品揃えも豊富
- スープ、たれ、麺のOEMに対応
- 業務用調味料を取り揃えた便利なオンラインショップあり
麺だけでなく、スープや調味料の品揃えも豊富なのが特徴で、OEMにも対応しています。OEMではお店で出す商品だけでなく、テイクアウト用の商品も製造できます。新しい販売モデルを考えているお店におすすめです。
詳細はこちら:足立食品 Webサイト
取扱商品/種類 | ラーメン麺/生ちゃんぽん麺/ちぢれ麺(つけ麺用)/オリジナル麺/スープ/調味料/トッピング など |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり※5玉~ |
発送期間 | 在庫がある場合:注文日より2営業日以内に発送取り寄せの場合:注文日から10日前後 |
大成食品
- 国家資格「製麺技能士」がメニューにマッチした麺を提案
- 全国700件以上に麺を提供
- ラーメン店の開店支援も提供
大正6年の開業以来、製麺に打ち込み続けてきた老舗です。麺の材料は製麺技能士が厳選したもので、OEM麺の開発でも、ベテランの技能士が相談に乗っています。お店の開業からメニュー開発まで、ベテラン集団が支援します。
詳細はこちら:大成食品 Webサイト
取扱商品/種類 | 業務用中華麺150種類以上 /オリジナル麺/ラーメン用食材/純生パスタ など |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | あり※一部店舗にて、常時販売の定番麺は5食~※オリジナル麺は200食~ |
発送期間 | 要問い合わせ |
三河屋製麺
- スープとの相性を考えたオリジナル麺
- アレルギー物質の表示と混入防止を徹底
- 環境管理、衛生管理の徹底で常に同じ品質の麺を
徹底した品質管理で味も、衛生面も安心して使える麺を作っています。麺の特徴を出すためにパン用やうどん用などの小麦粉を使うこともあり、こだわりの強さが伺えます。
詳細はこちら:三河屋製麺 Webサイト
取扱商品/種類 | ちぢれ麺/低加水ストレート麺/ストレート麺/もみ麺/平打ち麺/つけ麺用ストレート麺 など |
サンプル取り寄せ | あり |
小ロット対応 | 要問い合わせ |
発送期間 | 要問い合わせ |
麺仕入れ先の選び方・ポイント5つ
製麺所を選ぶときは、次のようなポイントをチェックしましょう。
1.最小ロット数と発送期間
発注の最小ロットが小さいほど変更が効き、在庫リスクも少なくなるでしょう。特に開業前や開業したばかりの頃は、どのくらいの期間で何食が出るのかがわかりません。小ロット対応可能で、発送期間のなるべく短い製麺所を選びましょう。
2.サンプルの有無
理想の麺にたどり着くためには、いくつもの麺を試さなくてはなりません。開業時だけでなくとも、開業後の新商品開発や期間限定商品の開発をする機会はあるでしょう。サンプル提供のない製麺所を選んでしまうと、毎回発注して試す必要があるので、商品開発のコストがふくらんでしまいます。
3.取扱商品の種類
新商品や期間限定商品を出すことを考えると、仕入先に取扱商品の種類が多い方が良いでしょう。どんな味、どんな商品にも対応できるよう、さまざまな種類の麺を扱っている業者を選びましょう。
4.OEMに対応しているか
OEM方式で発注できるのであれば、理想の麺に仕上がるまで、とことんこだわって作れます。オリジナル麺は、競合店と差別化をはかることもでき、お店で製麺をするよりも手間がかかりません。
5.Web注文できるか
発注方法についても方法が選べる仕入先がおすすめです。麺を電話やFAXで注文する方が発注しやすい、という方もいるでしょう。しかし、Web注文なら製麺所の営業時間に縛られることなく24時間注文でき、便利です。Webページから注文履歴を見ることもできるので、管理もしやすいでしょう。