新型コロナウイルスの影響で、急成長したテイクアウト・フードデリバリー。現在は収束しつつあるコロナですが、テイクアウトやフードデリバリーの快適さから「おうちごはん」の需要は高まり続けています。売上をアップさせるためにも、持ち帰り料理に力を入れていきたいと考えている飲食店も多いでしょう。お客さまに満足してもらえる・数あるお店のなかから選んでもらえるためにも、持ち帰り料理のお皿にあたる「持ち帰り容器」にこだわることが大切です。そこで今回は、持ち帰り容器の選び方と仕入先を5つご紹介していきます。
飲食店が持ち帰り容器にこだわるべき、たった2つの理由
テイクアウト容器を、ただ「料理が入ればいい」というだけで選ぶのはもったいないでしょう。
購入していただいたその先を想像して、容器を選ぶことが大切です。料理だけでなく、持ち帰り容器にもこだわることで、お店にとってプラスになることがあるのです。
料理をおいしい状態で食べてもらえる
持ち帰り容器は、料理をおいしく食べてもらうためのサポートをしてくれるアイテムです。
購入してから少し時間が経ってもほかほかの状態で食べられる「保温性」、仕切りや中皿で味移りがしないような形状、冷めてしまっても電子レンジで温められる「耐熱性」など、料理にあわせて容器を選ぶことが、テイクアウトのおいしさにつながります。
せっかく料理を購入してもらえたなら、おいしい状態で食べてもらいたいものです。容器の性能もチェックしながら選ぶことが大切です。
おしゃれな容器を使うことで、SNSでの拡散も狙える
持ち帰り容器はカラーやデザイン、料理とのバランスや相性を考えながら選ぶことをおすすめします。おしゃれな見た目だと、それだけで食べてみたいという気持ちになるお客さまも多いでしょう。
また、おしゃれな料理はSNSでシェアする時代でもあります。「おうちごはん」は、SNSユーザーの中心である若い世代にも人気があり、「SNS映え」するおしゃれな料理だと拡散されやすくなります。
SNSで拡散されたことで話題となり、新たなお客さまを呼んでくれる可能性も十分あるため、容器選びはおしゃれさも考慮して選びましょう。
飲食店で使う持ち帰り容器の選び方
持ち帰り容器で一番に大切にしないといけないのは、なんといっても「使いやすさ」です。
大きさは最適か、油が染み出していないか、汁漏れをしていないかなど、料理に対して容器の機能面にトラブルがないかを考えながら選ぶようにしましょう。
大きさ
料理の量やサイズと、容器の大きさが合っていることが大切です。
容器が小さすぎると、入らなかったり料理によってはつぶれてしまったりすることがあります。大きすぎると量が少なく見えたり、持ち帰るときに中身が揺れて形が崩れたりすることもあるでしょう。
また、電子レンジに入る大きさであるかというのも容器を選ぶうえで確認しておくべきポイントです。
形・仕切り
料理に合った形や味移りを防ぐための仕切りも、テイクアウト容器を選ぶときに注目しましょう。
おにぎりやサンドイッチは形に合った容器で持ち運びのときに崩れにくいものが最適です。
また、お弁当であればご飯とおかず部分を仕切れるものを、カレーや丼ものは中皿があるとご飯とおかずを完全に分けられて、食べる直前に乗せることで美味しさを保つことができます。
保温性
持ち帰ってすぐに食べることを想定している料理は、保温性があると良いでしょう。電子レンジであたためる手間がはぶけるためお客さまの満足度にもつながります。
また、購入してすぐ食べるような料理は持つときに熱くないような断熱性のものを、熱い料理をいれたり電子レンジで温めなおすことが多そうな場合は耐熱性のものを選ぶことも大切です。
耐水・耐油
テイクアウトは、お客さまがいつ料理を食べるのかわかりません。そのため、水分で型崩れしやすい・油が染み出しやすい容器だと、食べにくかったりお客さまの洋服を汚してしまったりすることもあるでしょう。
耐水・耐油性のある容器で、ある程度の時間の経過にも強い容器を選ぶようにしましょう。
嵌合性
持ち帰りでおこりやすいのが、中身がこぼれてしまうというトラブルです。
汁気の多い料理には、内嵌合(うちかんごう)タイプの容器を選ぶと良いでしょう。容器の内側でピタリとはまる仕組みで、多少傾いても中身や液体がこぼれることがありません。
コスト
持ち帰り容器は消耗品のため、コストがかかりすぎると経営に響いたり、料理代にうわのせしてお客さまへの提供価格が高くなったりしてしまうでしょう。しかし、低価格な容器は密閉性があまかったり、見栄えが良くなかったりすることも。
コスト計算はしっかりしつつも、リピーターにつながる容器を選ぶことで長期的なメリットになりやすいでしょう。
メニュー別・持ち帰り容器の選び方
持ち帰り容器には、料理の特徴に合わせた機能を備えているものがほとんどで、使いやすさ・食べやすさにも考慮して作られています。
料理別に専用容器で提供して、お客様満足度にもつなげていくことが大切です。
弁当
- 容器の大きさと仕切りの数
- 電子レンジで温められるか
お弁当はおかずの種類が豊富なものが多いため、味移りがしない仕切りがあるタイプの容器を選びましょう。また、持ち帰ってから温めなおすお客さまも多いため、電子レンジに入るサイズで耐熱性があることもポイントです。
丼
- 深さと安定性のある形
- 保温性と、電子レンジが使える耐熱性を備えている
- 中皿つきの容器で、ご飯と上にのせるおかずを分ける
どんぶり物は、持ち帰ってからすぐ食べるお客さまもいれば、必ず温めなおしてから食べるという方もいるでしょう。そのため、保温性もありつつ電子レンジにも対応できる耐熱性があると良さそうです。
また、ごはんに汁気を染み込ませたくないメニューでは、中皿でご飯とおかずを分けられるようにしましょう。
ラーメン・うどん・そば
- 汁漏れを防ぐ内嵌合タイプの容器
- 麺メニューに合わせて容器をそろえる
- お客さまが火傷をしないように断熱性を重視
麺メニューには、スープや汁がほとんどついています。汁漏れを防ぐ嵌合タイプの持ち帰り容器だと安心でしょう。
温かいラーメンやうどんは、購入してからすぐに食べるお客様も多いメニューです。熱々を提供すればおいしさにもつながりますが、お客さまが火傷をしてしまうおそれもあります。
断熱性もよくチェックして容器選びをすることが大切です。
カレー・パスタ
- 仕切りのあるタイプが定番
- 内嵌合タイプでカレーが漏れない容器がマスト
- 電子レンジで温められるよう耐熱性がある
カレーの持ち帰り容器は、ご飯とルーが分けられる仕切りのあるタイプの容器が多く使われています。カレールーは液状のため漏れないように、容器に深さがあり内嵌合でピタリと閉まるものにしましょう。
また、カレーは温めなおしてから食べるお客さまも多いため、電子レンジ対応の耐熱性のある容器にしましょう。ただしフタが温められない素材のものもあるため注意が必要です。
ピザ
- プラスチックや紙製の容器が一般的
- 紙製だと取っ手がついていたり、おしゃれなデザインのものが多い
- ピザのサイズや大きさに合わせた大きさを選ぶ
ピザの持ち帰り容器は、プラスチック製だとコストを抑えやすいです。紙製だと少しコストは上がりますが、傾かないように運べる取っ手が付いていたり、デザイン性が高くおしゃれだったりするためお客さまの満足度は上がるでしょう。
ピザのインチ数や、ハーフサイズなどそれぞれ専用の容器があります。コストや利便性を考えて、最適なものを用意しておきましょう。
おにぎり
- フードパックの容器で、嵌合性があるとベスト
- おにぎりのサイズに合った容器を選ぶことが重要
おにぎりの容器は、嵌合性があるワンタッチで閉められるフードパックだと良いでしょう。容器のフタが開かないように輪ゴムで留めるという手間がはぶけて非常に便利です。
また、サイズが合わなければ容器に入らなかったり、おにぎりが小さいと運ぶときに容器の中で揺れたりしてしまうため、よく確認して選ぶようにしましょう。
サンドイッチ
- サンドイッチの形やサイズに合った容器を選ぶ
- 嵌合性のあるフードパックだと、簡単にフタを閉められて便利
- プラスチック製はコスト面が優れていて、紙製はデザイン性が高い
サンドイッチは、三角形や四角形・一口サイズやボリュームがあるものなど形や大きさがお店によってさまざまです。形やサイズに合った容器を選びましょう。
また、プラスチック製のフードパックで嵌合性のあるものだと便利でコスト面にもやさしいです。紙製はおしゃれなデザインのため、ビジュアルも重視したい場合はこちらを選びましょう。
持ち帰り容器はどこから仕入れる?
持ち帰り容器の主な仕入先は、業務用スーパー・卸売業者・メーカーの3箇所です。
一番お手軽なのは、業務用スーパーですが「容器にも妥協はしたくない」という場合は卸売業者やメーカーからの仕入れを検討してみましょう。
業務用スーパー
近くの業務用スーパーであれば、仕入れも簡単で急に足りなくなったときでもすぐに買いに行けるでしょう。
ただし、自分のお店で提供しているメニューにマッチした容器の取り扱いがない可能性もあります。また、液漏れなど機能性が心配だったり、おしゃれなデザインの容器が少なかったりするかもしれません。
卸売業者
容器の卸売業者は、さまざまなメーカーと提携しています。幅広い取り扱いがあるため、自分のお店のメニューに合った容器や、デザイン性・機能面もふまえながら、1つの卸売業者で必要な容器をすべてそろえるということもできるでしょう。
最適な容器を見つけたい場合は、卸売業者から仕入れると良さそうです。
販売方法はカタログやオンラインショップがメインとなり、配送してもらう必要があります。容器をきらさないように在庫管理はしっかり行いましょう。
メーカー
容器メーカーから直接仕入れるという方法もあります。販売方法はカタログやオンラインショップがメインです。
メーカーによって強みが異なるため、1つのメーカーでお店に必要な容器をすべてそろえられない可能性があります。
一方で、容器のメーカーごとに、デザイン・機能性などそれぞれの特徴があります。容器にこだわりたい場合は、メーカーを厳選して仕入れたり、オーダーメイドしてみたりするのも良いかもしれません。
飲食店におすすめの持ち帰り容器の仕入先5選
ここからは、おすすめの持ち帰り容器の仕入先の紹介です。
5つとも容器メーカーで、それぞれの強みや特徴をピックアップしました。
オンラインショップで仕入れられるメーカーも多いため、気になる容器があればホームページから確認してみてください。
食品トレー・プラスチック容器・テイクアウト容器のリスパック株式会社 -洗練されていてシンプルなデザイン-
- 料理の邪魔をしないシンプルな容器が特徴
- 和食や丼もの、フルーツやサラダなどを入れられる透明な容器がメイン
- 中皿タイプのバリエーションが豊富
創業70年以上の歴史を誇るリスパック株式会社は、シンプルで洗練された印象の持ち帰り容器を製造しています。
お弁当や丼ものの容器がメインですが、透明プラスチックかつ中皿タイプの容器のバリエーションが豊富です。サラダや冷やし麺の容器はリスパックでそろえられるでしょう。
カタログや、運営しているオンラインショップ「容器.com」から仕入れることができます。
食品トレー容器の株式会社エフピコ -カラーバリエーションが豊富でおしゃれ-
- 高性能でカラーバリエーションが豊富
- デザイン性が高いため、若年層をターゲットにしたお店と相性が良い
- カタログの内容が充実していて参考にしやすい
株式会社エフピコは、高品質でありながら環境に優しいサスティナブルな容器を製造するメーカーです。高機能でありながら、カラー・デザインバリエーションも豊富なラインナップのため、理想的な容器が見つかるでしょう。
カタログは、料理店や料理系インスタグラマーのコラボした料理の盛り付け例が載っていてイメージがしやすいです。
カタログや、提携している通販サイトで仕入れられます。
タカギ産業株式会社 | 業務用弁当箱 業務用食品容器製造元 -和食・中華の容器が豊富-
- お弁当・麺類、和食・中華用の容器がメイン
- パルプモールド(紙製の容器)のおしゃれなデザインの容器もある
- 他メーカーのカタログも取り扱いがある
50年以上の歴史があるタカギ産業株式会社は、お弁当・麺類、和食・中華用の種類が豊富で、カラフルで華やかさがありながら落ち着いた印象の容器であることが特徴です。タカギが運営しているオンラインショップ「うつわやどっとこむ」やカタログから購入できます。
また、他メーカー容器の取り扱いもあり、カタログがそろっているため比較がしやすいでしょう。
株式会社アクタ ACTA|食品容器・お弁当容器・折箱の総合メーカー -省スペースで管理しやすい-
- かさばらず、嵌合性もあり機能的な「ワン折」シリーズ
- 木目調が美しい容器が多く、高級感がある
- 洋食・和食のお弁当容器がメイン、サンドイッチ用の容器もある
「もてなす想いをカタチに 新たなシーンを演出します」をブランドアイデンティティに持つ株式会社アクタは、木目調の美しい容器が特徴で高級感があります。
洋食にも和食にも利用でき、サンドイッチ容器もあります。カタログからの仕入れとなるため、まずはホームページで問い合わせてみましょう。
株式会社シンギ | オリジナル紙コップや食品容器の企画・製造・販売・別注・印刷 -高機能でサスティナブル-
- 自然な風合いの環境にもやさしい「バガスモールド」
- おしゃれで地球にもやさしい「エコウッド容器」
- レンジ不要で、いつでもすぐに温められる「ナルホット」
創業70年以上の株式会社シンギは、環境にも配慮した容器づくりをしているメーカーです。カタログ注文で仕入れられます。
自然な風合いでシンプルな容器の「バガスモールド」はお弁当やサンドイッチに最適で、嵌合蓋と深い容器もあるので丼メニューやスープにも対応しています。環境にやさしい「エコウッド容器」は、木材で作られており美しいデザインで高級感を演出できます。
また、ヒモを引っ張るだけでいつでも温められる「ナルホット」は、「電子レンジがないけど温かい状態で食べたい」という需要にも対応できる高機能な容器です。
アフターコロナもテイクアウト・デリバリー需要は続く!持ち帰り容器にこだわり、口コミ・拡散を狙おう
テイクアウト・デリバリーは、おうち時間を大切にしたい人や、自宅や職場でもおいしい料理を食べたい人により、今後さらに需要が高まっていくでしょう。
見た目をおいしそうに、おしゃれにしてくれる持ち帰り容器は、SNSで料理を映えさせてくれる重要なアイテムです。SNSで拡散されると新たなお客さまを呼び込み、お店の人気にもつながります。
持ち帰り容器にこだわって、人気のお店に成長させていきましょう。