飲食店をするなら、お客様に愛される居心地の良いお店にしたいと考える方も多いでしょう。
お客様にどのようなジャンルの料理を提供するのか、どのようなシーンでお店を利用して欲しいのかによってテーブル選びや空間づくりをすることも大切です。
本記事では、おすすめの家具メーカー5選と、後悔しないテーブルの選び方や居心地の良いお店のつくり方も解説していきます。
テーブルは飲食店の雰囲気や居心地を左右する大切なもの
飲食店に入ったとき、一番最初に目につくのが「テーブル」といっても過言ではないでしょう。
テーブルは、店内の大部分を占める大きな家具の一つです。テーブルがお店の雰囲気をつくり、席についたときの居心地の良さを決定します。
テーブルは種類から材質・デザイン、広さやイスとのバランスなど選ぶポイントがさまざまです。
お客様に店内でどのように過ごしてほしいのかを考えながら、テーブル選びをすることが大切です。
飲食店のテーブルの種類
「テーブル」と一言でいっても、その種類はさまざまです。
例えばお酒を提供するお店であれば、一般的なテーブル・掘りごたつ用のテーブル・カウンターテーブルなど選ぶテーブルによってお店の雰囲気がガラリと変わります。
まずは、テーブルの種類を把握して、お店のコンセプトや雰囲気にはどの種類のテーブルが合っているのか検討していきましょう。
一般的なテーブル
一般的なテーブルは、カフェやダイニング、ファストフード店など幅広い業態で利用されています。
テーブルの材質を飲食店の雰囲気に合わせれば、高級レストランにもリーズナブルが売りのお店にもマッチするでしょう。
テーブル席は足の負担が少なく、長時間座っている場合が多い飲み会やカップルのデートとして利用されるお店に向いています。
また、回転率を上げたい場合にもテーブル席は最適です。テーブルサイズを小さめにしておくと、くつろぎにくいためお店を早く出たい心理になるでしょう。
ただし、テーブルが狭すぎて食事がしにくいとクレームにつながる可能性もあるので、サイズの決定には注意が必要です。
お座敷用のテーブル
お座敷用のテーブルは、畳に直接座る和食や焼肉店・居酒屋などの業種によく利用されます。
お座敷は移動や座席交代がしやすいため、歓迎会や新年会・忘年会など会社の大きな飲み会に利用してほしい、大人数の宴会も対応できる飲食店にしたい場合に検討してみましょう。
また、イスに座るのが難しい、小さな子どもがいるファミリー向けの飲食店にもおすすめです。子どもがイスから落ちる心配をせずに、一緒に過ごす方との時間や食事を楽しむことができます。
居心地の良さや利用のしやすさから、リピートしたいお店づくりにもつながるはずです。
掘りごたつ用のテーブル
掘りごたつは、イスで座っている状態でありながら畳に直接座る、居酒屋では人気の座席タイプです。
テーブル席のように足を下ろしてリラックスできる姿勢で過ごせるため、ついつい長居してしまう心地よい空間をつくりだせるでしょう。
長時間の利用で、お酒や料理のオーダーも増えやすくなるため、客単価が上がって売上アップにもつながります。
また、「こたつ」であることから、冬は電気ヒーターを入れた足元があたたかい席にすることができます。特に女性はスカートをはいていたり、足先が冷えやすかったりするため掘りごたつ席は重宝されるでしょう。
お店の雰囲気に合わせた掘りごたつ用のテーブルで、雰囲気のあるお店づくりもできます。個室と掘りごたつを組み合わせれば、ゆったり過ごせる特別な空間が演出でき、夫婦やカップルにも最適なお店になるでしょう。
ソファー席用のテーブル
ソファー席は、ふかふかな座席に体をあずけてゆったりくつろげるため、友人同士の集まりやご年配の方の食事会でも利用しやすいでしょう。カフェやダイニングバーなどにおすすめです。
ソファー席用のテーブルは、ソファーがどのような座り心地かチェックしてから選ぶのがポイントです。座ったときに柔らかく沈み込むタイプであれば、テーブルが高すぎると食事をとりにくくなります。
反対に、硬さや反発性が高いタイプだと、低いテーブルではお皿から口に運ぶまでの距離が遠くなり食事をこぼしやすくなります。
テーブルの高さで過ごしやすさが変わってくるため、ソファーとのバランスはよく確認しておきましょう。
カウンターテーブル
カウンターテーブルは横長で、1人用のイスが並んでいる座席です。
おしゃれな雰囲気のバーや、調理パフォーマンスが魅力のお寿司・鉄板料理などの和食屋、イタリアンなどの洋食店におすすめです。
カウンター席はお客様とのコミュニケーションがとりやすく、料理・ドリンクを出すタイミングや空いたお皿の片付けもスムーズにできます。
カウンターテーブルの高さは主にローカウンター、ミドルカウンター、ハイカウンターの3種類です。
ローカウンター
一般的なテーブルと同じくらいの高さ(約70cm)で、イスも足が床につく高さのためお店で長時間過ごす飲食店に最適です。
ミドルカウンター
ミドルカウンターは、約95cmくらいの高さでカジュアルな雰囲気の飲食店でよく利用されます。つま先がギリギリ床につくくらいの高さのイスになるため、長時間過ごすお店には向いていません。また、ミドルカウンターに対応できるイスが少ないので、注意して選ぶか特注する必要があります。
ハイカウンター
約1050cmと、立ち飲みテーブルとしても利用できるくらいの高さで、バーなどでよく利用されています。洗練された雰囲気をつくりだすことができますが、足が床につかないため長時間過ごすには向いていません。スタイリッシュさを残しつつ、過ごしやすさを備えるためにも、足がかけられるタイプのイスにすると良いでしょう。
飲食店のテーブルの選び方
飲食店のテーブルは、種類を選んで購入するだけでは後悔してしまうかもしれません。
テーブルの材質がお店の雰囲気と合っているか、ゆったりと過ごすためにテーブルの広さは最適か、テーブルとイスの高さが合っていて食事はしやすいかなど実用的な点を確認して選ぶことが重要です。
テーブルの見た目が良くても、居心地が悪ければリピートにはつながらないでしょう。テーブル選びのポイントを押さえて、お店に合ったテーブルを購入することが大切です。
テーブルの広さ・大きさ
ここでは、レストラン・ダイニングでの一般的なテーブルに着目して解説します。
2人用テーブルの一般的な広さは、W600×D750(横幅が60cm、縦幅が75cm)で、4人用テーブルは、W1200×D750(横幅が1m20cm、縦幅が75cm)です。回転率を重視したい・できるだけ多い席数を入れたい場合は、一般的なサイズを選ぶと良いでしょう。
ただし、お客様に食事を楽しみながらゆったり過ごしてほしい場合や、窮屈さを感じないお店づくりをしたい場合は余裕のあるサイズを選ぶことが大切です。なお、提供する料理のジャンルや、使用するテーブルにあわせてサイズ感を決定するというのも重要なポイントだといえます。
【ゆったりできる一般的なテーブルの広さ】
- 2人用テーブル:W700×D800(横幅が70cm、縦幅が80cm)
- 4人用テーブル:W1200×D750(横幅が1m20cm、縦幅が75cm)
また、お客様の居心地の良さだけではなく、メニュー表やカトラリーケース・卓上調味料などをテーブルの上に置きたい、大きめのお皿やお盆に載せて料理を提供したいなど理想のお店づくりを想像してテーブルの広さを検討していきましょう。
イスとのバランス
テーブルに対してイスが高すぎたり低すぎたりすると食事がしにくいため、バランスを合わせるのは特に重要です。
業務用テーブルとイスはセットではないケースが多いため、それぞれの高さを必ず把握して検討していきましょう。
テーブルのタイプやイスの沈み具合にもよりますが、イスの座面からテーブルの天板までは25~30cm程度が食事がとりやすい高さです。
飲食店のイスの選び方については、以下の記事をご覧ください。
※飲食店 イスの記事を入れる
材質
テーブル板の材質は、集成材や突板などの木材が使用されるのが一般的ですが、メラミン化粧板もよく利用されています。
メラミン化粧板
紙と樹脂でできたプラスチック板に、メラミン樹脂などでコーティングした化粧板。傷や汚れに強く、耐久性にも優れています。
指紋がつきにくい指紋レス、硬いもので擦られても傷ができにくいスクラッチレス、油を拭き取りやすい撥油など、高機能な加工がほどこされている種類が多くあります。
「綺麗な状態で長く使いたい」「汚れが落ちやすくて、片付けの時間を短縮したい」など、機能面を重視したい飲食店におすすめです。
また、木目調・無地・そのほか花柄や大理石などデザインの種類も豊富で、お店の雰囲気に合ったテーブルを見つけることができるでしょう。
突板
合板や繊維板に、天然木の丸太を薄くスライスして張り合わせたもの。天然木を使用しているため、美しい木目や色合いを活かした高級感のあるテーブルです。
本来は高価な天然木ですが、最小限しか使用されていないため手頃な値段で購入できます。
高級感のある雰囲気のよいお店づくりに最適ですが、傷がつきやすいのがデメリットです。
集成材
小さな木材を圧着した板材。幅や長さ、厚みを自由に調整できるためテーブルに多く使用されています。
集成材は、木材の継ぎ目が見えるためチープな印象を与えてしまいやすいです。ファストフードやカフェなど低価格なメニューを提供する飲食店には合っているかもしれませんが、高級感を大切にするお店には向いていません。
デザイン
テーブルのデザインや形は、長方形・丸形・三角などさまざまですが、できるだけシンプルなデザインを選びましょう。
大きな面積を占めるテーブルをシンプルなものにして、イスや照明などでデザイン性やテイストを加えることで洗練された空間をつくりだすことができます。
テーブルはデザインよりも、店内の内装や床に合わせた色や素材を意識して選ぶのがポイントです。
例えば、床の木目や色合いに似ている天板デザインのテーブルにして統一感を出したり、店内が全体的に白を基調としている場合グレーやダークブラウンなどの中間色で引き締めたりなど、空間とのバランスを見て選んでいきましょう。
居心地のいいお店をつくるには?テーブル選びでワンランク上の飲食店へ
テーブルは、店内の面積を大きく占める家具です。
テーブル選びによって、お店の雰囲気や居心地に大きく影響します。お客様にとって過ごしやすいお店、お店にとって良い経営をするためにもテーブルを慎重に選んでワンランク上の飲食店を目指しましょう。
テーブルの高さは統一する
テーブルの高さはそろえるようにしましょう。テーブルの高さがバラバラよりも、高さがそろっている方が統一感があって印象がよくなります。
また、団体のお客様が来てもテーブルをくっつけて使用できるため、設備の関係でお客様を逃してしまうという心配がなくなります。
4人がけと2人がけを中心にバランスよくそろえる
4人がけと2人がけテーブルをバランスよく用意しましょう。
4人がけテーブルが多いとお客様をたくさん入れられるようなイメージがありますが、1~2人で使用することが多くなってしまうと、回転率が悪くなることにもつながります。2人がけテーブルを多めに用意しておいて、4人がけテーブルが足りなくなったら2人がけテーブルをくっつけて対応するなどの工夫を念頭に置いておきましょう。
また、テーブルを店内にぎゅうぎゅうに設置するのも良くありません。テーブルとの間隔が近すぎて隣の席の会話が聞こえすぎないか、テーブルとテーブルの間は通りやすいか、など配慮することも居心地の良いお店づくりにつながるでしょう。
業態や客層によっては大人数用のテーブルも必要
居酒屋などの業態で大人数で来店できるお店がコンセプトであったり、飲み会を頻繁に行う30~50代の会社員がターゲットの客層であれば、大人数用のテーブルも必要です。
ただし、団体といっても10~15名までなのか30名ほど入れるくらいなのかで、何人がけのテーブルをどれくらいの数用意する必要があるのか変わってきます。
大きなテーブルになるほど価格が上がるため、お店の立地や業態、コンセプトを明確にして何人がけのテーブルが必要なのか慎重に選びましょう。
飲食店におすすめのテーブルはどこで買う?おすすめのメーカー5選
こだわったお店づくりをしたいなら、テーブル選びにもこだわると理想のお店に近づけられるでしょう。
老舗家具メーカー、デザインバリエーションの豊富なメーカー、存在感のある家具づくりが得意なメーカーなどおすすめの家具メーカーを5つ厳選しました。
思い描くお店づくりを実現できるメーカーが見つかるかもしれないので、チェックしてみましょう。
店舗家具の(株)ピースワーク-いいものを手軽に安く-
- 自社製造と有名ブランドの両方を展開
- ウェブカタログから理想の家具を手軽に探せる
- 特価品が多く、コストを抑えたいお店にもおすすめ
店舗家具の(株)ピースワークは、自社家具も製作しながら、後述するCRESやQUONなど別メーカー家具の卸販売も行っています。メーカー別、カテゴリー別、業種別などウェブカタログが充実しているため、理想のテーブルを気軽に探すことができます。
また、ウェブサイトには特価品も数多く掲載されているため、比較的安価でテーブルをそろえたい場合におすすめです。
株式会社アダル-老舗メーカーが造る高品質の家具-
- 業務用として高い耐久性と品質を誇る
- シンプルなデザインで、お店に溶け込む家具が多い
- 海外メーカー品の輸入や特注にも対応
はたらく家具=業務用家具を70年以上製作してきたアダルは、業務用には欠かせない耐久性と高品質が特徴のメーカーです。
シンプルなデザインの家具が多く、カフェから高級レストランまで空間に溶け込み、調和したお店の雰囲気にしたい場合におすすめのメーカーです。
自社製品のカタログ販売だけではなく、海外メーカー品の輸入や特注家具にも対応してくれます。
株式会社アダル(ADAL)公式サイト|業務用家具、店舗用家具、飲食店家具などの製造卸販売
パブリック株式会社-お店の雰囲気に合わせて選べるブランド-
- さまざまなブランドの家具を取り扱う
- 自由度の高いオーダーシステムのある「CRES」
- 安全性・耐久性・カスタマイズ性の高い「fibran」
「多品種・小ロット・短納期」を追求したものづくりにこだわりのあるCRESは、空間デザインやトレンドを取り入れながらデザインバリエーションの豊富なブランドです。
カジュアルにもラグジュアリーな雰囲気のお店にも対応できます。自由度の高いオーダーシステムがあり、店内の家具にこだわりたい場合におすすめです。
fibranは飲食店向けの家具に特化したブランドです。高い安全性と耐久性を兼ね備えつつ、カスタマイズ性とさまざまなコンセプトに合わせられる家具がそろっています。
株式会社丸二金属製作所(PROCEED)-デザイン性と機能性を高水準で両立-
- 幅広い業種に対応できる豊富なラインナップ
- 飲食店に特化した機能性の高い家具
- たしかな経験と実績のある技能者が丁寧に製造
PROCEEDは、カフェ・レストランからバー・ラウンジまで幅広い業種に対応できる家具がそろっているメーカーです。
デザインの美しさだけではなく、イスにメニューを収納できる機能をプラスするなど、効率化を図れる家具もあります。あらゆる空間に対応可能な製品ラインナップがあるため、洗練された雰囲気のお店にしたい場合におすすめです。
株式会社オーツー(QUON)-オンリーワンの高品質な家具-
- 高品質・世界目線・オンリーワンの3つのキーワードから生まれたブランド
- 存在感がありながら空間に調和する店舗家具
- 豊富なラインナップの中から、お店にピッタリの家具が見つかる
高い品質(Quality)・世界規模の視点(Universal)・オンリーワンの製品開発(Onlyone)という3つのキーワードを組み合わせて生まれたQUONは、空間に調和しつつも存在感のある家具が特徴です。
洗練されたデザインと、おしゃれな空間のお店にしたい場合におすすめです。
コンセプトや客層に合ったテーブルをそろえ、また来たくなるお店をつくろう
テーブルはお店の設備のなかでも、雰囲気を決める鍵となるのが家具です。
テーブル席での居心地の良さや、大切な人との食事で心が躍るような空間づくりをしていきましょう。そのためには、お店のコンセプト・料理のジャンル・客層に合ったテーブルをそろえることが大切です。
「また、あのお店に行きたい」と思ってもらえるような魅力的なお店だと、リピーターも増えていくはずです。さまざまな視点からテーブルを選んで、理想的な飲食店を開業しましょう。