見た目にも楽しい「映えるデザート」は集客効果も高いでしょう。飲食店がオリジナルのデザートを作るべき理由や、どこから仕入れればいいのかを解説します。オリジナルのデザート・お菓子を作ってくれるOEM会社も、洋菓子・和菓子に分けて紹介します。
飲食店はオリジナルのデザートを作るべき？
居酒屋やレストランなど、「菓子店ではないが、デザートメニューを充実させたいお店」は多いでしょう。食事メニューは充実させられても、専門外のデザートはどうしていいかわからないというオーナーやシェフも多いかもしれません。
「デザートは仕入れた既製品を出している」「盛り付けには工夫しているが、素材にまでは手が回らない」といった悩みを抱えるお店は、オリジナルのデザートを作るべきなのでしょうか。
お店の方針やコンセプトにもよるので、明確な答えは出せませんが、オリジナルのデザートを出して損をすることはないでしょう。
最近は味だけでなく、いわゆる「映え」を重視してお店を選ぶ人も増えました。このような層にアプローチするうえで、デザートは重要です。味にも見た目にもこだわったデザートがあれば、今までとは違った客層にアプローチできるかもしれません。
飲食店のデザートはどこから仕入れる？
飲食店のデザートはどこから仕入れればいいのでしょうか。主な仕入れ先は次の4つです。
| メリット | デメリット | |
| 卸業者 | ・掛け払いができる ・値段交渉がしやすい ・価格が割安 | ・ロットが大きいことが多い ・配送日の融通が利きづらい ・競合店と仕入れが被ることも |
| 菓子店 | ・品質が高い ・話題づくりにも有効 | ・価格が割高 ・デザート用に販売してもらえるかわからない |
| OEM | ・オリジナルのデザートを手軽に開発、提供できる ・テイクアウト販売にもおすすめ | ・既製品に比べると割高 ・開発に多少の手間がかかる |
それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
卸業者
飲食店の仕入れ先としてポピュラーなのが、卸売業者（食材卸）です。業務用の食材や調味料、デザートなどが豊富にそろっている、店舗まで配送してもらえる、掛け払いができるなど、卸業者にはさまざまなメリットがあります。
ただ、「小ロット対応していない」「配送日が決まっている」といった業者も多く、融通が利きづらい一面もあります。食材と違い、デザートはほとんどそのまま提供するため、「競合店と仕入れが被ってしまうかもしれない」「他所のお店と差別化しづらい」といった点も気になるかもしれません。
菓子店
地元の菓子店や、遠方の有名店からデザートを仕入れる方法もあります。「このお店から仕入れています」「こんな職人が作っています」といったストーリー性も高く、集客効果も高いでしょう。
ただ、気になる菓子店を見つけても、自店のデザート用に販売してもらえるかはわかりません。
OEM
お店でオリジナルのデザートを出したいなら、OEMがおすすめです。OEM（Original Equipment Manufacturing）は企業やお店独自のプライベートブランド商品、またはそれを作る企業のことです。
デザートの開発や製造をOEM会社に任せられるので、お店で作る必要がありません。もちろん、周りのお店と仕入れが被ることもなく、競合店との差別化にも有効です。
飲食店でオリジナルのデザートを！洋菓子のOEM4選
洋菓子のOEMに強みのある会社を4つ紹介します。ゼリーやプリン、焼き菓子、クレープなどの開発・製造ができるので、お店のコンセプトや客層に合ったデザートを考えてみましょう。
株式会社小塚屋
- 創業90年を超える老舗
- 小ロットでのOEMに対応
- 業務用惣菜のOEMも可能
- 最小ロット：応相談
株式会社小塚屋は昭和4年創業、90年を超える歴史の老舗です。デザートのOEMでは殺菌済み常温流通の、安心して提供できる製品を作っています。果汁にこだわった商品開発に強みがあります。
「愛媛県、大三島のみかん畑から取れたみかんを使った寒天」「厳しい自然の中で甘みを凝縮させた梨ゼリー」のような、ストーリー性の高いデザートを作るのもいいでしょう。
株式会社オハラ
- 最大360日の賞味期限の商品開発が可能
- 有名パティシエと開発してきた300種以上のレシピ群
- レストランはもちろん、全国1万5,000店舗のコンビニで扱われるデザートを開発
- 最小ロット：プリン・ゼリーなら約2,000個～
株式会社オハラは確かな実績をもつOEM・食品会社です。小売店やレストランだけでなく、全国的なコンビニエンスストアに並ぶデザートの開発実績もあります。有名パティシエや食品工場とともに開発してきたレシピ群は300種以上で、レシピ・サンプルなしの、ゼロからの商品開発も可能です。
原料や素材を指定したOEMにも対応しているため、素材にこだわったオリジナルデザートで、話題づくりを狙うのもいいでしょう。賞味期限が長く、ロスを抑えられるのも嬉しいです。
名月製菓株式会社
- 焼き菓子のOEMに強みあり
- トレンドを捉えた商品開発
- 名月製菓の既存製品（NB品）の卸販売にも対応
- 最小ロット：NB品10個×12B単位、OEM製造はサイズ・原料により変動
名月製菓株式会社は、焼き菓子のOEMに強みをもつ会社です。タルトやパウンドケーキ、ガレットブルトンヌなどを得意としています。レシピ不要、おおまかなアイデアも、担当者やパティシエに協力してもらいながら製品化を目指せます。
開発からパッケージまで、お菓子作りをトータルコーディネートしているのも特徴です。お店でデザートとして提供するだけでなく、テイクアウト商品として販売するのもいいでしょう。
株式会社ベルディオ・ファクトリー（シュシュクレープ）
- 見た目にも楽しいクレープの仕入れ、商品開発
- 業務用のミルクレープ・クレープを常時50種以上ラインナップ
- フルオーダーのスイーツ開発も可能
- 最小ロット：1ホール（12カット）～
※要相談
シュシュクレープは、Yohoo!ショッピングクレープ部門の年間売り上げ1位を獲得したスイーツ会社です。味はもちろん、見た目にも楽しいクレープ・ミルクレープの業務用仕入れ・OEMに対応しています。
フルオーダーの商品開発だけでなく、既存製品の業務用仕入れ、パッケージやラベルを指定したイージーオーダーも可能です。デザートメニューの開発にも、テイクアウト商品の販売にも、おすすめできる会社です。
飲食店でオリジナルのデザートを！和菓子のOEM3選
素材や見た目にもこだわった和菓子を作ってくれるOEM会社を3つ紹介します。
都製餡株式会社
- あんこのOEMに強みあり
- 可愛らしいパッケージ作り
- テイクアウト商品の開発にもおすすめ
- 最小ロット：製造ロット100kg～
都製餡株式会社はあんこを使った和菓子に強みがあります。水羊羹やぜんざい、ひとくち羊羹などの和菓子はもちろん、可愛らしいパッケージ作りも得意です。あえてパッケージのまま提供する、テイクアウト商品の販売など、さまざまな方法で活用できるでしょう。
餡のOEM・仕入れもできるので、オリジナルスイーツを店舗で作りたい飲食店にもおすすめです。
角谷製菓株式会社
- 素材にこだわった商品開発
- 涼やかなフルーツ大福は「映え」も抜群
- おこわや杵つき餅のOEMにも対応
- 最小ロット：要問い合わせ
角谷製菓株式会社は素材にこだわった和菓子を作っています。OEMはわらび餅・大福・フルーツ大福などのスイーツはもちろん、せんべいや杵つき餅、おこわなどにも対応しています。特にフルーツ大福は見た目にも楽しく、写真を撮り、拡散してくれるお客さんも多いことでしょう。
打ち合わせは基本的にZoom、複数回のサンプル製作も可能と、商品開発を任せやすいです。
田村製菓有限会社
- 手軽に作れるロゴプリントせんべい
- 素材にこだわったご縁せんべいで話題づくり
- 90～120日と長めの賞味期限
- 最小ロット：320枚～（ロゴプリントせんべい）
田村製菓有限会社では、クリームをサンドした洋菓子風せんべいを開発できます。「ロゴプリントせんべい」は、既成のクリームせんべいにお店の名前やロゴをプリントするだけなので、気軽に発注できるでしょう。
味や素材にこだわりたいお店には、「ご縁せんべい」がおすすめです。農家がこだわり育てた野菜や果物を使ったクリームで、オリジナルせんべいが作れます。野菜・果物の仕入れにこだわっているお店、懇意にしている農家・農園があるお店に、特におすすめの会社です。
素材にこだわったオリジナルデザートで話題づくりを
OEM会社に依頼すれば、最小限の労力で、お店のオリジナルデザートを作れます。完成品、もしくは簡単なオペレーションで提供できる製品を作ってもらえるので、アルバイト中心で回したいお店にもおすすめです。
本記事で紹介した会社の多くは、デザートに使う素材まで指定できます。野菜や果物の仕入れ先にこだわっているお店なら、その農家・農園で育った素材でデザートを作るのもいいでしょう。素材にこだわったメニュー・デザートはストーリー性も抜群で、集客効果も高いです。
野菜や果物の仕入れ先について知りたい方、おいしい野菜や果物を育てている農家を探している方には、こちらの記事もおすすめです。
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