【飲食店】果物はどこから仕入れる?こだわりの果物を直送する農園12選

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飲食店の仕入れの中でも難しいのが果物です。果物の流通は気候や天候に大きく左右され、産地や育て方によって味も変わります。本記事では果物はどこから仕入れればいいのか、果物に込められたこだわりをメニュー開発にどう活かせばいいのかを解説します。

飲食店を開く前に押さえておきたい、果物の基礎知識

最近はオーガニックが注目され、ヘルシー・健康志向の人も増えています。このような層を狙い、できるだけ化学肥料を使わずに作った果物や、旬の果物を取り入れた限定メニューを作る飲食店も増えました。

果物の旬について知っておくことは、メニュー開発のためにもコストカットのためにも、飲食店の経営者にとって大切なことです。

メニュー開発には”旬”を取り入れたい

果物には”旬”があります。旬の果物はおいしいだけでなく、流通量が多くなり、価格も安くなります。旬の果物を使った限定メニューを作ることで、それ目当てのお客さんも増えるでしょう。

次のカレンダーを参考に、果物の仕入れやメニュー開発に旬を取り入れてみましょう。

青果の旬カレンダー

※色が濃い部分ほど流通量が多いです

季節ごとの値動き

果物の価格は流通量に影響され、流通量(≒収穫量)は気候や天候の影響を受けます。まずは、農林水産省が公表した「果実の卸売価格の推移」のグラフを見てみましょう。

青果の価格推移

出典:果実の卸売価格の推移 │ 農林水産省

旬の果物は流通が増え、価格が低くなる傾向があるものの、その限りではありません。たとえばこのグラフでは、凍霜害等の影響により出荷量の減少が見込まれたりんごは、平年よりも卸売価格が高くなっています。

「旬の果物は安い」という傾向はありますが、生鮮食品である以上、一定の値動きをするわけではありません。特に、旬の果物を使った限定メニューを作ることも多いパティスリーやカフェでは、その年・その季節のニュースと実際の価格を見ながら仕入れを考えましょう。

果物の仕入先はどう選ぶ?頼れるパートナーの見極め方

果物の仕入れ値を抑えるためにも、魅力的なメニュー開発をするためにも、果物の旬や値動きを把握することは大切です。

しかし、飲食店の運営は楽ではありません。果物以外にも仕入れなければならない食材はたくさんありますし、事務作業や仕込みなどもあります。野菜の価格や旬、流通状況にばかり目を向けているわけにはいかないのです。

そこで大切なのが、「果物について深く理解し、その時々でベストな提案をしてくれるパートナー」を見つけることです。

食材卸は”提案力”で選ぶ

食材卸は価格や配送に関して、どのくらい融通が利くかで選ぶ人が多いでしょう。たしかに、これらは重要ですが、もうひとつ大切なのが「提案力」です。

果物の旬や流通事情、世の中のトレンドを把握し、それを踏まえて「今はこの果物がいいですよ」「こんなメニューはどうですか?」と提案してくれるような卸業者を選びましょう。

特にパティスリーやカフェなど、旬の果物を推し出したメニュー開発をするお店で、「インスタ映え」も重要です。写真を見てお店を選ぶ消費者、どんな写真が取れるかでメニューを選ぶ消費者も増えています。果物の写真をカタログとしてまとめ、それを見せながら提案してくれる卸業者・営業担当がいると頼もしいでしょう。

農家は”こだわり”で選ぶ

オーガニックやストーリー性を売りにしたお店づくりをするなら、果物は農家から直接仕入れるのがおすすめです。生産者の顔が見えることは安心につながります。その果物がどんな風に育てられるのか、どんな想いが込められているのかというストーリーは、集客に役立ちます。

農家から直接仕入れるなら、その農家の「こだわり」で仕入先を選びましょう。同じ種類の果物でも、生産者一人ひとりにこだわりがあります。最近ではホームページやSNSアカウントを持っている果樹園・生産者も増えたので、まずはこれらの媒体をチェックしてみましょう。

仕入先は複数確保しておく

果物にこだわるなら、できれば農家から直接仕入れたいです。しかし、果物は天候や気候の影響を受けやすく、生産が安定しないときもあります。仕入先がひとつだけだと、不作のときに食材不足になってしまいます。

だからこそ、果物の仕入先は複数確保しておきましょう。特にこだわりたい果物は農家から直接仕入れ、ほかは信頼できる食材卸から仕入れる。お店の近くにある業務用スーパーや直売所を把握しておき、いざというときは買出しにいけるようにしておくことも大切です。

ただ、やはりメニュー開発にこだわるなら農園・果樹園から直接仕入れるのがいいでしょう。ここからは、果物を産地直送で仕入れられる農園を紹介します。

【品目が豊富】堀内果実園

堀内果実園
  • 明治36年開墾の由緒ある果実園
  • 奈良・吉野ならではの資材で作るふわふわの土壌
  • 豊かな自然から生まれるフレッシュな果物を直送

堀内果実園は自然豊かな奈良県吉野町にある果実園で、吉野の山々が育んだ杉やヒノキなどの資材を使って土壌を作っています。明治36年開墾、大切に受け継がれてきたふわふわの土からはフレッシュな果物が生まれます。成果物はもちろん、ドライフルーツやコンフィチュールなどの加工品も手に入ります。

堀内果実園

主な青果物・加工品

  • 1月:温州みかん
  • 2月:冷蔵富有柿
  • 3月:いちご
  • 4月:富有柿ショコラ&温州みかんのショコラ
  • 5月:すももと梅、カリンのシロップ
  • 6月:すもも
  • 7月:桃
  • 8月:ブルーベリー
  • 9月:シャインマスカット
  • 10月:たねなし柿
  • 11月:富有柿
  • 12月:あんぽ柿

【いちご】果物を直接仕入れられる果樹園2選

生産者のこだわりと愛情が詰まった果物で作ったメニューはおいしいだけでなく、一つひとつの素材にストーリーがあります。生産者が手塩にかけて育てたいちごを、産地直送で仕入れられる果樹園を2つ紹介します。

澳原いちご農園

澳原いちご農園
  • 朝摘みいちごを当日発送
  • 澳原いちご農園ならではの「完熟収穫」
  • 自然のメカニズムを活かした減農薬

澳原いちご農園は、完熟収穫と減農薬にこだわるいちご園です。いちごは収穫後も熟し続けるため、通常は少し青いうちに収穫します。澳原いちご農園では完熟したいちごを発送当日の朝に収穫し、いちご本来の甘みを最大限に活かした状態で届けてくれます。減農薬にもこだわり、手作業と、アブラムシの天敵であるテントウムシを使った防虫対策をしています。

澳原いちご農園

山元いちご農園

山元いちご農園
  • 朝摘みの完熟いちごを当日発送
  • 最先端の制御システムで安定栽培
  • 自慢のいちごを使った加工品も充実

山元いちご農園のいちご栽培暦は約50年。農家の経験と最先端の環境制御システムを組み合わせ、常に最善の環境を保っていちごを育てています。仕組みづくりがしっかりしているから、安定した品質のいちごを、安定して生産できるのです。自慢のいちごを使ったワインやジャム、バターなども作っており、物販スペースやドリンクメニューを充実させたいお店にもおすすめです。

山元いちご農園

【ぶどう】果物を直接仕入れられる果樹園2選

こだわりと愛情を込めてぶどうを育てている農園を2つ紹介します。

小島ぶどう園

小島ぶどう園
  • 科学的根拠に基づいた栽培管理
  • 有機肥料と良質な完熟堆肥を使うことで生まれる甘み
  • 品種本来の味を引き出す、完熟させてからの発送

小島ぶどう園は、科学的根拠に基づいた栽培管理により、おいしくて安心して食べられるぶどうを育てています。肥料はぶどうを甘くする効果のあるものを使い、園内では除草剤や農薬をできるだけ減らすことに努めています。徹底した管理とこだわりから生まれるのが、皮ごと食べられる完熟ぶどうです。

小島ぶどう園

小杉農園

小杉農園
  • 酸味が少なく甘みたっぷりの巨峰とシャインマスカット
  • 職人の町、新潟県燕市で育ったこだわりのぶどう
  • 低農薬と土壌改良に努め続ける、まじめな生産者

小杉農園は職人の町、新潟市燕市にある果実園です。低農薬と土壌改良に努め、より安全でおいしいものをと研鑽し続ける生産者の精神性は、職人気質な風土から生まれたのかもしれません。ぶどうのほかにも、梨や桃、柿などの果物を、丹精込めて育てています。

小杉農園

【みかん】果物を直接仕入れられる果樹園2選

こだわりと愛情を込めてみかんを育てている農園を2つ紹介します。

西方農園

西方農園
  • みかんの本場、愛媛の農園から産地直送
  • 瀬戸内海に浮かぶ大三島で育ったみかん
  • 自慢のみかんを使ったジュースも販売中

西方農園はみかんの本場、愛媛県の大三島にある農園です。島中いたるところにみかん畑が広がり、パワースポットとしても有名な大三島の農園で育てられたみかんは、味はもちろんストーリー性も抜群です。西方農園のみかんを使った「大三島のみかんジュース」も好評で、たくさんの口コミが寄せられています。

西方農園

南の果樹園ニュウズ

南の果樹園ニュウズ
  • みかん一筋90年
  • 日本最大級のみかん農園
  • 栽培、販売、出荷を自社で一貫するこだわりよう

南の果樹園ニュウズは大正12年創業のみかん農園で、みかん産地の愛媛にあって、最大級の生産量を誇ります。農地の面積は東京ドーム3個分で、広大な土地と豊かな自然から、おいしいみかんが生まれます。4世代にわたり受け継いできた農園には、生産者のこだわりと愛情が詰まっています。

南の果樹園ニュウズ

【梨】果物を直接仕入れられる果樹園3選

こだわりと愛情を込めて梨を育てている農園を3つ紹介します。

鹿野果樹園

鹿野果樹園
  • 北陸の豊かな自然から生まれる、13品種の梨
  • 早朝に収穫した梨を手作業で梱包
  • 夏~冬まで、旬の梨を全国に発送

鹿野果樹園は、新水、香麗、はつまる、なつしずく、幸水、豊水、南水、あきづき、甘太、王秋、大天梨、新興、愛宕の13品種を育て、販売する梨園です。北陸の豊かな水を使い、一つひとつ丹精込めて育てた梨は早朝に収穫、手作業で丁寧に梱包しています。2022年8月にはオンラインストアをオープンしたにもかかわらず、その年末には完売するほどの人気です。

鹿野果樹園

【ラフランス】三鷹洋梨園

三鷹洋梨園
  • 山形セレクション認定農家
  • 日本で4本だけの貴重な樹
  • 100年の古木から生まれる100本限定の梨ジュース

三鷹洋梨園は100年の時を超え、フランスから輸入されたラフランスの苗木を今に残す梨園です。日本ではじめてラフランスの苗木が輸入された山形県で、100年以上梨作りを続けています。大きさや糖度などの高い基準が定められた「山形セレクション」の認定を受けた、質の高いラフランスを発送しています。

三鷹洋梨園

【ルレクチェ】渡辺果樹園

渡辺果樹園
  • 信濃川のほとりにある果樹園
  • 四季の豊かな自然を受けて育つルレクチェ
  • 果樹そのものの生命力を活かした栽培

渡辺果樹園は、日本最大の河川・信濃川のほとりにある果樹園です。果樹そのものの生命力を活かすために手間をかけ、農薬や余分な肥料をできるだけ使わずに、自然の力でルレクチェを育てています。冬は雪の下で地中を湿らせ英気を養わせ、夏の安定した日差しで果樹に活力を与え育てた梨は、自然本来のおいしさです。

渡辺果樹園

【りんご】果物を直接仕入れられる果樹園2選

こだわりと愛情を込めてりんごを育てている農園を2つ紹介します。

小林果樹園

小林果樹園
  • 水はけが良く、寒暖差のある恵まれた土地
  • 長野の雄大な自然が育むりんご
  • つがる、王林、ふじを生産

小林果樹園は自然豊かな長野県にある果樹園です。水はけの良い土地と寒暖差のある気候はりんご作りにピッタリで、広大な農地にはたっぷりの水と太陽が降り注ぎます。完熟を待って発送することで、りんご本来の味を全国に届けています。

小林果樹園

山田果樹園

山田果樹園
  • りんごの本場、青森県で100年以上続く果樹園
  • 100年以上の古木に実るたくさんのりんご
  • りんご本来の甘みと果汁が凝縮された「いぼりりんご」

山田果樹園は、りんごの本場・青森県で100年以上続く果樹園です。100年以上にわたりりんごを実らせてきた古木がいくつもあり、雄大な自然と熟練の技からは、酸味と甘みのバランスが取れた奥深い味わいが生まれます。数年かけて成熟した枝に実る、山田果樹園の「いぼりりんご」には、りんご本来の甘みと果汁が凝縮されています。1本の木からほんの少ししか収穫できない、貴重なりんごです。

山田果樹園

こだわりの果物を仕入れて、メニュー開発や集客に活かそう

果物は天候や気候、土壌などに大きく左右される食材です。同じ種類・品種の果物でも、どこでどのように育てられたかにより、味も見た目も変わってきます。

本記事で紹介したようなこだわり抜いて作られた果物は、味や見た目はもちろん、ストーリー性も抜群です。豊かな自然と生産者の愛情を受けて育った果物には、生産者の想いとこだわりが詰まっています。どこで、どんな人たちが育てているのかをアピールすることは集客にも有効でしょう。

記事で紹介した農園の中で気になるところがあったら、まずは各果樹園のサイトから問い合わせをしてみてください。

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