焼肉でも人気な部位のひとつであるはらみ。はらみという部位はよく耳にしますが、具体的にどこの部位のことなのか知っている人は少ないのではないでしょうか。これからはらみと取り扱いたい飲食店や家庭ではらみを楽しみたい方のため、はらみがどのような部分で、どのように食べるのが美味しいのかお伝えしていきます。
はらみとはどこの部位?
はらみは牛・豚・鶏共通して赤身のような見た目をしていますが、赤身肉ではなくホルモンと同じ内臓系に分類されます。内蔵家に分類されつつも、はらみには内臓系特有の臭みがありません。そのため、ホルモンなどクセのある肉が苦手な方でも食べやすい部位です。牛・豚・鶏によって部位や味わいが異なるため、用途やお好みに合わせて使い分けてみましょう。牛・豚・鶏のそれぞれのはらみの特徴について解説します。
牛
牛のはらみは牛一頭から2~3kgほどしか取れない、横隔膜にある筋肉の一部である貴重な部位です。牛はらみは肉の味が濃く旨味が多く、ほどよく弾力がありながらもやわらかい食感が特徴です。
豚
豚のはらみは一頭から200~400gほどしかとれない部位で、牛と同じく横隔膜にある筋肉のことです。ツナギと呼ばれることもありますが、豚はらみの発祥地である北海道上富良野町ではサガリと呼ばれて親しまれています。脂肪分がほどよく含まれているので、ジューシーでやわらかい肉質ながらも脂っぽくないあっさりとした味わいが特徴です。
鶏
牛や豚のように横隔膜がない鶏のはらみは、横隔膜の役割を担う腹側の筋肉を指します。これは厚さ5mmほどの筋肉で、鶏一羽からたった10gしかとれない貴重な部位です。コリコリとした歯ごたえがあり、肉の旨味が強くてコクのある味わいが特徴です。
脂身が少ないはらみは低カロリーでヘルシー!
100gあたり220kcalほどのはらみは低カロリーでヘルシーです。脂身も少なく、ダイエットをしている方や健康に気を遣っている方にもぴったりな部位です。たくさんの栄養素を含んでいるため、普段の食生活の中でも積極的に取り入れていただくことをおすすめします。はらみに含まれる魅力的な栄養素を5つご紹介します。
1.たんぱく質
たんぱく質には以下のような特徴があります。
- 三大栄養素のひとつ
- 筋肉や臓器などのカラダを作る材料になる
- 酵素、ホルモン、免疫を作る
炭水化物・脂質とともに三大栄養と呼ばれているたんぱく質は、体を動かすためのエネルギー源になるだけでなく、筋肉・臓器・体内の調整に役立てられるホルモンの材料になります。たんぱく質が不足してしまうと筋肉が減ってしまったり、肌や髪のトラブルが起きてしまったり、集中力や思考力が下がってしまいやすくなったりします。
2.カリウム
カリウムには以下のような特徴があります。
- 血圧の調整
- むくみ解消
カリウムは細胞や血圧を正しくコントロールし、カラダのコンディションを整えます。生活習慣病予防のためにカリウムを摂取することはWHO(世界保健機構)でも推奨されています。
3.鉄分
鉄分には以下のような特徴があります。
- 貧血の予防
- 疲労回復効果
- 美肌効果
鉄分とは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となるミネラルで、全身に血液を運ぶ大切な役割を担っています。
特に女性は女性は月経・妊娠・授乳などがあるので、意識して積極的に摂取しましょう。鉄分はコラーゲンの生成にも欠かせない栄養素で、不足してしまうと肌荒れ・シミ・シワなどの肌トラブルの原因になります。
4.ビタミンB12
ビタミンB12には以下のような特徴があります。
- 血液を作るサポート
- 疲労回復
- 効果うつ病防止
ビタミンB群のひとつであるビタミンB12は、血液を作る重要な役割をしています。不足してしまうと赤血球不足で貧血の原因になったり、うつ病・慢性疲労・神経痛など が起こりやすくなったりします。
5.亜鉛
亜鉛には以下のような特徴があります。
- たんぱく質の合成のサポート
- 新しい細胞の生成のサポート
亜鉛は体の中で生成できない栄養素であるため、食事から摂取しなくてはいけません。不足してしまうと肌荒れ・免疫の低下・味覚障害などが起こりやすくなります。
特に成長期の子どもには良質な細胞を作るサポートをしてくれるので積極的に摂取させたい栄養素です。
はらみを美味しく食べるための方法3選
ここからは牛はらみを美味しく食べるための方法をご紹介していきます。
牛はらみステーキ
脂身が少ないものの牛の旨みをたっぷり含むはらみの美味しさを最大限に引き出すのにおすすめなの方法は、牛はらみステーキです。じゅわっと肉汁が溢れ、ごはんにもお酒にもよく合うレシピをご紹介します。
【材料】
- 牛ハラミブロック肉・・・・150g
- 塩こしょう・・・・・・・・小さじ1/4
- 玉ねぎ・・・・・・・・・・50g
- めんつゆ(2倍濃縮)・・・大さじ1
- 赤ワイン・・・・・・・・・大さじ1
- みりん・・・・・・・・・・小さじ2
- すりおろしニンニク・・・小さじ1
- 有塩バター・・・・・・・20g
【作り方】
- 玉ねぎを薄切りにする
- 牛ハラミブロック肉を5mm幅の格子状に切り込みを入れ、塩こしょうをまぶす
- 中火で熱したフライパンに有塩バターを溶かし、玉ねぎを炒める
- 玉ねぎがしんなりしたら牛ハラミブロック肉を入れて両面を焼く
- 牛ハラミブロック肉に火が通ったらめんつゆ(2倍濃縮)、赤ワイン、みりん、すりおろしニンニクを入れ、アルコールが飛んで味がなじむまで中火で1分ほど加熱し火から下ろす
- 食べやすい大きさに切り分けて、器に盛り付ける
ハラミとニンニクの芽のスタミナ炒め
旨味たっぷりの牛はらみと香りよいニンニクの芽は相性抜群!甘辛い味つけでごはんが進むこと間違いなしの一品です。
【材料】
- 牛ハラミブロック肉・・・200g
- 薄力粉(まぶす用)・・・10g
- ニンニクの芽・・・・・・50g
- 玉ねぎ・・・・・・・・・50g
- めんつゆ(2倍濃縮)・・・大さじ3
- 砂糖・・・・・・・・・・小さじ1
- すりおろしニンニク・・・小さじ1/2
- サラダ油・・・・・・・・小さじ1
- 糸唐辛子・・・・・・・・適量
【作り方】
- ニンニクの芽を幅5cmに切る
- 玉ねぎを薄切りにする
- 牛ハラミブロック肉は5mm幅に切り、薄力粉をまぶす
- 中火で熱したフライパンにサラダ油をひき、玉ねぎを炒める
- 火が通ってきたらニンニクの芽、めんつゆ(2倍濃縮)、砂糖、すりおろしニンニクを加え、味がなじむまで中火のまま3分ほど炒め、火から下ろす
- 器に盛り付け、糸唐辛子を添える
牛はらみと香味野菜炒め
牛はらみと香味野菜の組み合わせは、お肉が入りつつもさっぱりとした味わいの炒め物に仕上があります。牛はらみの旨みを強調した牛はらみと香味野菜炒めは箸が止まらなくなること間違いなし!
【材料】
- 牛ハラミブロック肉・・・200g
- 長ねぎ・・・・・・・・・1/2本
- ミョウガ・・・・・・・・2個
- ポン酢・・・・・・・・・大さじ3
- 砂糖・・・・・・・・・・小さじ2
- すりおろしニンニク・・・小さじ1
- 有塩バター・・・・・・・20g
【作り方】
- 長ねぎを薄い斜め切りする
- ミョウガを薄い斜め切りにする
- 牛ハラミブロック肉を薄切りにする
- フライパンに有塩バターを溶かし、牛ハラミブロック肉を中火で炒める
- 火が通ってきたらポン酢、砂糖、すりおろしニンニク、長ネギ、ミョウガを入れ、味がなじむまで中火で1分ほど炒め、火から下す
- 器に盛り付ける
希少な部位のはらみはあっさり調理して美味しく食べる!
赤身と思われがちなはらみは、実はホルモンなどと同じような内臓系の部位です。脂身が少ないのに旨みがたっぷりなはらみは焼肉でも好まれることが多いですが、他にも美味しく食べる方法はさまざまです。カロリーも低くヘルシーなので、あっさりとした味に調理して美味しくいただきましょう。