飲食店が鰹節にこだわる意味とは?
鰹節の出汁は、日本料理の柱。鼻を抜けるふくよかな香り、口にふくんだときの味わいや風味は日本人の心を癒やします。
現代では、おいしく手軽に使える顆粒出汁もあります。しかし、「本物のおいしい鰹節」で料理を提供できる飲食店は一目置かれ、本物のおいしさを求める新たなお客様も呼び込めるきっかけにもなるはずです。
こだわり素材はPRしよう
近年では飲食店探しを、SNSでするお客様が増えています。
こだわり素材は、店内に置くPOPやメニュー表の隅だけではなく、InstagramやX(旧Twitter)などで情報発信し、お店のこだわりを発信していきましょう。
「おいしい料理を提供している、そんな飲食店は素材のひとつひとつにもこだわっている」ということをアピールすれば、多くのお客様が興味をもってくれるでしょう。
鰹節(削り節)の種類
鰹節の削り方で呼び名は変わり、味わいや風味にも違いがあります。
削り方の違いをチェックして、料理に最適な削り節を選ぶことが大切です。
薄削り(花削り・花かつお)
家庭料理にもよく使われる薄削り(花削り・花かつお)は、0.2mm以下の薄さに削られた削り節です。
非常に薄いため短時間で出汁が抽出されやすく、鰹節の香りを維持したまま料理に使うことができます。
香りがよく、澄んだ出汁がとれるためお吸い物や味噌汁、煮物などにも最適です。
厚削り
0.2mm以上の厚く削られた削り節を、厚削りといいます。
厚みがあるため出汁を取るにはじっくりと時間をかける必要がありますが、濃厚でコク深く、調味料にも負けない力強さのある出汁ができます。
ただし、長時間煮出すため香りが弱くなりやすいという特徴があります。仕上げに鰹節を入れる「追い鰹」で、香りをプラスしてあげると良いでしょう。
うどんやそば、めんつゆとして利用するのに向いています。
破砕
削り節を細かく破砕(はさい)した削り節です。
薄削りをトッピングや調理に使うことはできますが、ゴワつきが出たり箸に絡まったりして食べにくくなることがあります。
薄削りを破砕したものに変えると、ゴワつきが抑えられ調理がしやすくなります。
糸削り
糸削りは、字のごとく細く削った削り節です。
おひたしや冷奴などの小鉢に大きく削られている削り節を使うと、綺麗にトッピングできなかったり、口の中でかたまりになってしまうこともあります。
糸削りであればトッピングしやすく、華やかさと鰹節の香りをプラスできます。
粉
鰹節を削っているときに、粉状になったものが出てきます。それを集めたのがかつお粉です。
小鉢のトッピングや、炒めもの、ふりかけにして使うこともできます。
血合抜き削り
血合いとは血液が多く含まれる部位のことで、出汁にコクを出してくれるものです。しかし、血合によって鰹由来の魚臭さや出汁が濁る原因にもなります。
血合抜き削りは、血合い部分が取り除かれているため、透明に澄んだ上品な味わいと香りの出汁を取ることができます。
それゆえ、濃い味付けの料理にしてしまうと血合抜き削りの良さが感じられにくくなるため、茶碗蒸しやお吸い物など良さを活かした料理に使うと良いでしょう。
用途ごとに仕入れるべき鰹節は異なる
同じ鰹節でも、料理に使う用途によって削り方や種類が異なります。
ここでは鰹節の利用別に、最適な鰹節を紹介していきます。
出汁用
鰹節は大きく分けると荒節、枯節、本枯節の3種類に分けられます。
荒節は1ヶ月で完成するのに対し、枯節はカビ付けと熟成をさせるため3ヶ月ほどかかります。
荒節は香り高くパンチの効いた出汁のため、さまざまな料理に使えて万能です。枯節は熟成されることで魚臭さやえぐみを感じにくく、まろやかな旨味と澄んだ香りになります。お吸い物や茶碗蒸しなど出汁を活かせる繊細な料理に向いています。
本枯節は、カビ付けをくり返しさらに熟成しているため3~6ヶ月ほどかかる高級品で、繊細な料理におすすめです。上品な味わいなため、高級料亭などでも使われています。
また、先述したように薄削りや厚削りなど削り方でも香りや味わいが変わるため、料理に合った鰹節を使いましょう。
トッピング用
トッピングには、鰹の背中側で作られる「雄節」で作られた鰹節が最適です。
脂肪分がすくなくまっすぐなため、きれいな花びらのような削り節になります。
帯削りだとふんわりとボリュームが出て、アツアツの料理の上にのせると鰹節が踊り、食欲がそそられるでしょう。また、糸削りだと細い削り節のため箸にも絡みにくく、口の中でもダマにならず食べやすくなりトッピングに最適です。
佃煮用
佃煮にするのであれば、味がしみやすい削り方が良いでしょう。破砕は、削り節をさらに細かくしているため佃煮や、おにぎりの具にして入れるのにもおすすめです。
飲食店が鰹節の仕入先を選ぶ5つのポイント
飲食店が、鰹節の仕入先を選ぶときに重視しておきたいポイントを5つ確認していきましょう。
知識力・提案力
鰹節の種類や削り方、雄節・雌節など何を使うかによって味わいや風味が変わります。
「こんな味を再現したいけど、どれを使えばよいか検討がつかない」という場合は、仕入先の鰹節のプロに相談してみると良いでしょう。
親身に相談に乗ることを大切にしていたり、鰹節の専任アドバイザーがいる会社もあります。
技術力
鰹節メーカーや乾物屋は、数十年、数百年の歴史を持つ仕入先も多く、味の技術力が不足しているということは少ないと考えられます。
ただし、今後仕入れを続けていくなかで味ブレがしないか、衛生管理はしっかりしているかなどの視点で技術力を見極めていくことが大切です。
安定供給
ほとんどの料理は、使う調味料やバランスが決まっています。
味の決め手となる鰹節が、安定的に仕入れられるのかというのも重要なポイントです。
安定供給のためにどのような取り組みをしているかなどもチェックしておきましょう。
価格
枯節や本枯節など、じっくり作り上げられた鰹節は味、香り、色合いが良く高価格です。
しかし、品質は良くても価格を抑える努力をしている企業や販売店もあります。
飲食店を応援している鰹節屋も多いため、良好な関係と価格を抑えられそうな取引先を見つけることが重要です。
最小ロットと配送
飲食店の規模によって、1回の仕入れで必要な鰹節の量はさまざまです。
比較的小さな仕入れ量から対応している企業も多いですが、どれくらいのスピードで発送してくれるかという重要なポイントも見逃せません。
注文があってからその日のうちに発送してくれたり、削りたてをすぐに届けることを大切にしている企業があったりするため、どのようなスピード感で対応してくれるのかということもチェックして仕入先を決めましょう。
飲食店におすすめの鰹節の仕入先4選
出汁が決まらないと、最高の料理は完成しません。
品質、味わい、風味、色、すべてにこだわり、情熱を持って鰹節を提供しているおすすめの仕入先を5つ厳選しました。
飲食店に最適な鰹節の仕入先が、この5社からきっと見つかるはずです。
安倍鰹節 株式会社 -最高品質の鰹節を、削りたてで即日お届け-
- 鹿児島県や高知県など、日本有数の鰹の産地から仕入れた最高品質の節
- 自社熟成で、味わい、風味、透き通った色、最高の状態に仕上げるこだわり
- その日のうちに削った削り節を即日発送
安倍鰹節株式会社は、最高品質の削り節をお届けするために常に削りたてを用意し、その日のうちに発送することを徹底しています。
鹿児島県枕崎・山川産のさつま本枯本節、高知県土佐清水産の寒宗田節、千葉県房州産の枯れ鯖節と全国各地の上質な原料を厳選。さらに、自社熟成をすることで味わい、風味、透き通った色、最高の状態に仕上げます。
蕎麦店などの飲食店をはじめ、プロの料理人が納得する鰹節である秘訣は、お客様のニーズに合わせて削りの厚み・節類のブレンドをしているオーダーメイド品であるから。
料理の印象を左右する鰹節に妥協したくない、最高においしい料理を提供したい飲食店には安倍鰹節株式会社をおすすめします。
株式会社にんべん -300年の歴史と、強い商品開発力が魅力-
- 300年以上の歴史を誇る、鰹節のプロ
- 「本枯鰹節」の伝統製法を大切にしつつ、つゆの素やフレッシュパックの開発など開発技術が高い
- 飲食店の要望に合った商品開発も可能
株式会社にんべんは元禄12年(1699年)から続く、300年以上の歴史ある鰹関連商品メーカーです。
「本物の鰹節を作り続けたい」という情熱を絶やすことなく、「本枯鰹節」の伝統製法にこだわり続けてきました。
にんべんは、国内初のつゆの素やフレッシュパックを開発してきただけあって、鰹節だけではなくさまざまな業務用品のラインナップがあります。つゆの素、かけつゆ、丼ぶりたれ、ふりかけやご飯の素など、おいしくて手軽に出汁を使った料理に取り入れられるでしょう。
また、要望にあった商品開発も可能なため「つゆの素を使いたいけど、お店に合ったオリジナルを作りたい」という場合には、まずは問い合わせることから始めましょう。
株式会社柳屋本店 -鰹節商品が豊富な、150年の歴史を誇る食品メーカー-
- 150年以上続く、鰹節商品のメーカー
- 削り節はもちろん、だしパックの種類も豊富で手軽に出汁がとれる
- オンラインショップですぐに注文できるから仕入れが簡単
株式会社柳屋本店の鰹節製造は明治初年から始まり、150年以上の歴史ある鰹関連商品の製造メーカーです。
仕入れから加工、販売までグループ会社と自社で一括管理されており、厳選した素材で安心安全に製造されています。
さまざまな削り節の販売と素材をそのままに、使いやすい出汁パックの種類も豊富です。そばつゆやだし醤油、和風ドレッシングなどの用意もあります。
柳屋本店の業務用サイトでは、すぐに商品や仕入れ価格が見られるようになっており商品詳細も丁寧に記載されていることから仕入れを検討しやすいでしょう。
株式会社 伏高 -真っ当な食材を提供する、老舗乾物屋 –
- 100年以上続く、老舗の乾物屋
- 腕の良い職人が良質な原料で、丁寧に作った「真っ当な食材」を取り扱う
- 鰹節以外にも、昆布、煮干、乾椎茸などのダシ素材も用意がある
株式会社伏高は大正7年、現店主(三代目)の祖父である一代目が日本橋の鮮魚仲卸としてスタートさせました。
時代の流れとともに街の乾物屋さんが姿を消し、「真っ当な食材」も手に入れることが難しくなりましたが、良質な食材を求めるお客様のために伏高は通信販売を通して良質な乾物を提供しています。
「お客様の商売繁盛をお手伝いできる鰹節屋」を目指しており、多くの飲食店から鰹節の仕入先として厚く信頼されています。高品質でありながら安い価格で仕入れられ、探している味に近いサンプル品を無料で提供してくれるというサービスもしています。
鰹のさまざまな削り節はもちろん、昆布、煮干、乾椎茸などのダシ素材も取り扱っています。
こだわりの鰹節を仕入れ、PRすることで、いい口コミを広めよう
鰹節にもこだわりを持つと、ワンランク上の飲食店としてお客様からも一目置かれるでしょう。
おいしい料理を提供することはもちろん、お店のこだわりをSNSでアピールして、多くのお客様が知るきっかけをつくってあげることが大切です。
深いこだわり、鰹節ひとつにも妥協しない姿勢はお客様の心にも響くでしょう。良い口コミは、新たなお客様を引き寄せてくれるはず。
料理に最適な鰹節を仕入れて、唯一無二の飲食店を創りあげましょう。