塩のおすすめ仕入先5選!選び方からこだわり素材のPR方法まで解説

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飲食店が塩にこだわる意味とは?

種類によって、塩味をガツン感じられる塩や、海水由来の旨味・苦味・甘味を持つ塩などで料理の印象は変わります。

それだけではなく、健康志向を強く持つお客様層には、伝統的な製法で海の恵みを活かした塩を好む方もいるでしょう。料理のおいしさだけではない、別視点からのアピール材料にもなるのです。

こだわり素材はPRしよう

塩は、メーカーごとに想いやこだわりをもって誕生しています。

1971年、日本では「塩業近代化臨時措置法」によって伝統の塩作りが廃止され、近代的なイオン交換膜を利用した、一度に大量の塩を製造できる方法に変わりました。

1997年に塩の専売法が廃止されたことで、伝統的な塩の製造も復活できるようになりましたが、その間に人の健康のために再生加工塩が誕生しました。これまでの塩作りの歴史から「おいしくて、人の身体に必要な成分を損なわない塩をつくりたい」と伝統製法を大切にしているメーカーも数多くあります。

人の心は物語やストーリーに惹かれやすく、調味料ひとつであってもお店や料理に興味を持ってもらえるきっかけになります。

POPやメニューで目に留めてもらうのはもちろん、SNSで素材や調味料にこだわっていることを発信することで集客にもつながるでしょう。

塩の種類は大きく分けて4つ

塩の種類は大きく4つに分けられます。

くせのない海水塩は、どんな料理にも合わせやすい塩です。岩塩・藻塩・湖塩は、甘みやうま味があるため素材の味を引き立てたいときや、繊細な料理に添えるのが最適です。

海水塩

海水塩は海水を天日干しにしたり、煮詰めたりなど昔ながらの方法で作られる塩や、イオン膜を利用して取り出した塩などがあります。

味がなじみやすく水に溶けやすいため、ほかの種類と比較して調理に向いているといえます。

岩塩

岩塩は、地殻変動などが原因で海水が陸地のなかにとじ込められ、塩分が岩のように結晶化したものをさします。

ミネラルや硫黄などの混入により色味が異なり、青色、桃白色、鮮紅色、黄色とさまざまです。

ガツンとした塩味ではなく、甘みやうま味を感じられるのが特徴です。肉のうま味を引き立てるミネラルが豊富なため相性が良く、塩粒がしっかりしているため岩塩の食感も楽しめるでしょう。

藻塩

藻塩とは、海藻の一種であるホンダワラのうま味が凝縮された塩です。

ホンダワラを含んだ海水を土器に入れて煮出し、結晶化させたものでまろやかな味わいが特徴です。

焼き魚との相性が良いのはもちろん、おにぎりや天ぷらにもよく合います。

湖塩

湖塩は塩分濃度の高い死海やウユニ湖などの湖から作られる、希少価値の高い塩です。

やわらかい甘味がありニガリが少ないため、和食によく使われる昆布や椎茸から出るうま味成分をしっかりと引き立ててくれ、素材の良さを損ないません。

3つの塩の製法

塩の製法はさまざまですが、大きく3つに分けられます。

イオン膜を利用して作られる精製塩、ミネラルを添加して作られる再製加工塩は比較的安価で仕入れられます。

昔ながらの製法でつくられる粗塩は手間がかかる分少し値段は高いですが、料理のアクセントをつけたいときに最適です。

精製塩

精製塩はイオン膜を利用して濃い塩水にした後に、立釜で煮詰めて結晶化させて塩を作る方法です。

電気分解をして塩化ナトリウムだけを取り出す方法のため、それ以外のミネラル成分はほとんど含まれておらず塩味をダイレクトに感じられます。大量生産しやすいため、安価で仕入れやすい塩です。

粒が小さく均一のため溶けやすく、どんな料理にも合うので使いやすいともいえます。

再生加工塩

再生加工塩はミネラル成分が少なかったり、砂などの不純物が含まれる輸入原塩を、水や海水に溶かして再結晶させて作る塩です。

不純物を取り除いたり、ミネラル分を添加して塩辛さをやわらげます。炭酸マグネシウムを加えると、固まりにくくなり食卓塩としても使用されます。

粗塩

粗塩は、昔ながらの製法で作られた「天日塩」や「平釜塩」、自然のちからで作られた「岩塩」などがあります。

ニガリやミネラル成分をそのまま含んだ塩のため、うま味・苦味・甘みなどを感じられます。

天日塩は、太陽熱や風力を利用して海水を蒸発させ塩を結晶化させて作る方法で、平釜塩は天日干しして濃度が高くなった海水を平釜で加熱して結晶化させて作る方法です。

一朝一夕には作ることができないため、精製塩と比べると高価ですが、ミネラルやうま味をそのまま料理に取り入れることができます。

精製塩などとは異なり、塩の粒をしっかりと感じられるため料理のアクセントをつけたいときにも最適です。

飲食店はどんな塩を仕入れるべき?4つのチェックポイント

塩をこだわって仕入れたい場合は、種類や製法にも着目することが大切です。

ただし、塩作りに手間ひまがかかる藻塩は、価格が高い傾向にあるため原価率も考えつつ選ぶことがポイントです。

種類

塩は、どんな料理にも合う海水塩や、海藻の旨味を含んだ藻塩と特徴的な塩もあります。

複数のジャンルを料理提供する飲食店であれば海水塩がおすすめですが、細部にまでこだわっている飲食店であれば、岩塩、湖塩など調味料も素材や料理のジャンルにマッチする塩を選ぶと良いでしょう。

製法

イオン膜を利用して作られる精製塩は、塩化ナトリウムだけが取り出されているためピリッとした塩辛さがあります。

しっかりとした塩味を出したい場合や塩を大量に使う料理には最適ですが、繊細な料理や素材の良さを活かしたい場合は、まろやかな味わいになる粗塩の方が向いているといえます。

価格

一度で大量に作られる精製塩は、1kg200~300円程度で仕入れられます。

しかし、岩塩や湖塩などの海外産の塩は1kg500~1500円程度、一朝一夕には作れない藻塩は1kg2000円~4000円程度の価格と高価です。

塩へのこだわりも大切ですが、原価率も意識して選択することが大切です。

最小ロット

仕入先によっては、最小ロット数でもお店にとって多すぎることもあるでしょう。

小ロット専門の卸業者や、1袋からでも仕入れられるメーカーもあるためお店に最適な仕入先を選びましょう。

飲食店におすすめの塩の仕入先6選

飲食店におすすめの塩の仕入先を、6つ厳選しました。

原料産地、製造産地とも日本国内と高品質な塩から、海外で採掘される岩塩、フレーバーソルトを製造するメーカーなどさまざまです。経営する飲食店に最適な、こだわりの塩を仕入れましょう。

伯方塩業株式会社 -おいしい塩を自分たちの手で –

伯方塩業株式会社
  • 食材への馴染みがよく、溶けやすい調理に最適な「伯方の塩」
  • 瀬戸内海原料100%、まろやかな味わいの「されど塩 藻塩」
  • 抹茶塩、梅塩、柚子塩など、さまざまな香りと彩りを楽しめる味薫塩シリーズ

「安心して食べられる塩を自分たちの手でつくらなければいけない」という想いから、伯方の塩の塩つくりはスタートしました。

数日かけてゆっくり自然乾燥をさせるため程よいニガリが残る、自然の恵みが活かされた塩です。

伯方の塩は、輸入天日塩田塩(メキシコまたはオーストラリア)と日本の海水が原料です。料理に使いやすい「伯方の塩」「伯方の塩 焼塩」をはじめ、大粒の結晶でカリッとした食感がある「フルール・ド・セル」などのラインナップがあります。なお、「されど塩 藻塩」は瀬戸内海原料が100%です。

塩の種類にもよりますが、業務用は1kg、2.5kg、20kgで販売されています。

伯方の塩® – 伯方塩業株式会社

海の精株式会社  -日本の伝統的な製法、原料も安心の国内産 –

海の精株式会社
  • あらゆる料理にもマッチする、伝統海塩「海の精 あらしお」
  • ザラメ状の結晶でじっくり溶けだす、つけ塩に最適な「海の精 ほししお」
  • パラパラと振れる、調理にぴったりな「海の精 あらしおドライ」

多雨多湿の日本では珍しい、太陽と風の力だけで天日海塩を製造している海の精株式会社。原料産地、製造産地とも日本国内を基本としており、高品質な塩です。

伝統的、自然的な製法のため素材が持つ成分バランス、本来の味が活かされたおいしい塩だと定評があります。人工的な旨味料・酸味料・甘味料などを添加しないため、健康志向なお客様にも喜ばれるでしょう。

塩の種類にもよりますが、500g、1kg、20kgで販売されています。小袋タイプもあるため、お弁当・惣菜店でも活躍するでしょう。

海水100% 天日と平釜 日本の伝統海塩 「海の精(うみのせい)」

株式会社シーズコア-素材厳選、自然の恵みを活かした調味塩-

株式会社シーズコア
  • 厳選した素材を自然の力を借りて、じっくりと時間をかけて美味しく仕上げた調味塩
  • 万能調味塩は7種類と豊富なラインナップ
  • テーブルの上に置けるサイズで、手軽にお客様好みの味に変化できる

株式会社シーズコアは、ヨーロッパの耐熱ガラスの日本代理店として事業をスタートさせ、現在では今塩屋佐兵衛の和風調味塩をはじめ、醤油やスパイスなどの調味料販売を行っています。

自然の恵みに感謝するという「HARVEST」の考え方を基本としており、自然の力を借りてじっくりと時間をかけて、美味しいものをつくり出すことを大切にしています。

今塩屋佐兵衛の調味塩は、にんにく塩、七味ねぎ塩、辛々にんにく塩、胡椒ごま塩、カレー塩、唐辛子塩、ゆず塩と7種類の豊富なラインナップ。

隠し味にもメインの味付けにも最適で、テーブルの上に置いておけばお客様自身で好みの味付けができるのが嬉しいポイントです。

夕香亭、今塩屋ブランドでおなじみのシーズコア- 株式会社シーズコア

ジャパンソルト株式会社 -珍しい岩塩やフレーバーソルトが豊富-

ジャパンソルト株式会社
  • 国内外1,000種類以上の海塩・岩塩・湖塩を仕入れられる
  • 料理のジャンルに合わせて塩を選びたい場合におすすめ
  • 塩のほかに、ワイン・チーズ・パスタなど世界の食材も取り扱っている

ジャパンソルト株式会社は、国内外あわせて1,000種類以上の海塩・岩塩・湖塩をメインとし、世界各国の食税やワインの取り扱いがあります。

国内の塩は、結晶が大きいフレーク状の「美ら海の塩」や、かどの取れたまろやかな塩味の「和の藻塩」など、和食との相性が良い塩です。

国外の塩は、アメリカで採掘された岩塩で塩味のキレと甘味のバランスが良い「ジュラシックソルト」や、イタリア・シチリア島で採掘された「サーレ・ディ・ロッチャ」、パキスタンで採掘された塩味がやわらかく甘味もある「ピンクソルト」など種類が豊富。

その他、「黒トリュフソルト」などのフレーバーソルトもあるため、料理のジャンルに合わせて塩を選びたい場合は、ジャパンソルトでの仕入れがおすすめです。

ジャパンソルト株式会社

株式会社菱塩 -ニガリを程よく含んだ、五島灘の塩-

株式会社菱塩
  • 長崎県五島灘の、透き通るような海水が原料の「五島灘の塩」
  • ニガリを程よく含んだ、まろやかな味わい
  • 「さらさら仕立て 五島灘の塩」は調理にも食卓塩にも最適

長崎県の西端、五島灘の海水を原料に株式会社菱塩の「五島灘の塩」は作られています。

ニガリの成分であるマグネシウム、カルシウムを含んだ塩かどのない、まろやかなやさしい味わいが特徴です。

「五島灘の塩」は海水100%で作られており、ニガリを程よく含んでいるためしっとりしています。魚の塩焼きや煮物などの調理に向いています。

「さらさら仕立て 五島灘の塩」は、さらさらとしていて固まりにくく調理にはもちろん、食卓塩としてテーブルに置いておく用としても最適です。

五島灘の塩 株式会社菱塩

株式会社Ante -500年以上前から能登に伝わる、美味で繊細な塩 –

株式会社Ante
  • 能登に伝わる「揚げ浜式製塩法」で、すべて手作業で作り上げられている
  • 手塩にかけた塩で、サクッとした食感が楽しい薄くて繊細な結晶
  • 人の健康を思った塩作りで、マイクロプラスチックなどの極小異物も徹底排除

株式会社Anteのオリジナルブランド「DENEN」は、石川県能登半島に500年以上前から伝わる「揚げ浜式製塩法」で作られる塩。すべて手作業で作られる希少な海水塩で、海の栄養であるミネラル成分を含んだ、まろやかで深みのある味わいです。

マイクロプラスチックをはじめとする小さな異物も排除する徹底ぶりで、人の健康をおもった塩作りをしています。

結晶塩の「きらら」は、美しいピラミッド型で薄くて繊細。サクッとした食感が楽しく、舌の上で溶けてまろやかな塩味と甘み・旨味が広がります。

「香しお」シリーズは香りと彩りをのせた塩で、料理にあわせて使い分けられます。梅紫蘇しお、醤油しお、燻製しお、焼きしお、わさびしおの5種類で、添加物を使用していません。

すべて手作業で作られているため売り切れている場合もあり、いつでも仕入れられるわけではありませんが、「特別な塩」として仕入れてみるのも良いかもしれません。

株式会社Ante 石川の農産物や伝統技術を利用した商品開発

塩にまでこだわる飲食店は、集客戦略の幅が広がる

たったひとつの調味料である塩。味の決め手にも、味の印象を左右する材料でもあります。おいしい料理を求めているお客様にはもちろん、塩作りの歴史には健康志向を持つお客様の来店につながるストーリーも秘められています。

塩の味わいを活かした料理の提供をすることはもちろん、塩作りのストーリーをSNSなどで発信することで、感度の高いお客様にお店の情報が届きやすくなるでしょう。

塩にこだわるだけでターゲットの顧客層が必然的に広がり、集客戦略の幅も広がります。飲食店にマッチしたこだわりの塩を料理に取り入れて、お客様にアピールしていきましょう。

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