さまざまな食材を使って料理を作るイタリアンにおいて、仕入れは命とすらいえます。本記事ではイタリアン(イタリア料理店)はどこから食材を仕入れればいいのかを解説。食材ごとのおすすめメーカー・生産者も紹介します。
イタリアンで仕入れが必要な食材は?
イタリアン(イタリア料理店)でよく使う食材は次の通りです。
- 精肉
- 加工肉
- 魚介類
- 野菜
- 米
- パスタ
- パン
- 小麦粉 など
イタリア料理は地域によって食材が変わります。たとえば南部はトマトやオリーブ、北部では乳製品を使った料理が多いです。地域に特化したイタリア料理店では、その地域でよく使う食材の仕入れには特にこだわりたいです。
イタリアンの食材はどこから仕入れる?
食材へのこだわり度合いにより仕入先も変わってきます。あまりこだわりのない食材なら業務スーパーや食材卸でもいいかもしれませんが、看板メニューやお店のコンセプトにしている地域の料理に使う食材の仕入れには慎重になりたいです。
イタリアンの食材はどこから仕入れればいいのか、6つの選択肢を紹介します。
業務スーパー
業務スーパーではさまざまな食材が業務サイズで販売されています。一般のスーパーではあまり扱っていない食材も手に入れやすいこと、グラムあたりの価格が割安であることなど、メリットも多いです。
こだわりの食材を仕入れるには不向きでしょう。買い出しに行く手間もあります。こだわりの食材はメーカーや生産者、卸売市場から。そうでない食材も店舗までの配送や掛売のある食材卸から仕入れるのがおすすめです。
ただ、食材を切らしてしまったときの買い出し先としては便利です。お店の周りにどんな業務スーパーがあるのか把握し、いざというときに備えておきましょう。
食材卸
食材卸は飲食店の仕入先として、もっともポピュラーでしょう。イタリアンに必要な各種食材はもちろん、それ以外にもさまざまな食材を扱っています。同じ食材でもさまざまな種類を取り扱っており、ある程度なら素材にこだわった仕入れもできます。
特に便利なのが配送や掛売が使えることです。買い出しに行く手間も、都度支払いをする手間もありません。売上から仕入費を支払えるため、資金繰りもしやすいです。
卸売市場
卸売市場には青果や精肉、魚介類などさまざまな食材が集まってきます。新鮮な食材やブランドのついた食材も多く、素材にこだわった仕入れができるでしょう。
ただ、仕入れのために市場まで行かなければならないこと、売買参加者の資格が必要なことなどやや利用しづらい方法です。売買は主にせりで行われるため、仕入れにかかるコストも高くなりやすいでしょう。
精肉会社
精肉や加工肉の仕入れにこだわるなら、精肉会社がおすすめです。肉の種類や部位はもちろんブランドまで、さまざまな精肉・加工肉を扱っています。卸売業者を通さずに仕入れができるため中間コストもかからず、仕入費を抑えやすいのも嬉しいです。
精肉会社を選ぶ際は取扱商品だけでなく、サービス内容や提案力もチェックしましょう。精肉会社の中には加工肉や下ごしらえ済みの商品などのOEMをしているところもあります。食材に精通し、開発したいメニューやお店のコンセプトに合った商品を提案してくれる会社も多いです。
メーカー
小麦粉や乳製品などはメーカーから仕入れるのもいいでしょう。卸売業者から仕入れるよりも中間コストがない分仕入費を安く抑えられ、その食材に特化しているため種類も豊富です。
たとえば小麦粉なら製粉所から仕入れるのがいいでしょう。お店で製麺・製パンをするのが大変であれば、製麺所や冷凍パンのメーカーから仕入れるのもおすすめです。
製麺所にはお店の要望に合わせてオリジナル麺を開発してくれるところもあります。冷凍パンも特別な技術を使い、風味や味を落とさずに冷凍しているところが多く、オペレーションと食材ロスの両方を削減できるでしょう。
生産者
野菜や魚介類などは生産者から直接仕入れるのもいいでしょう。特に野菜は農家それぞれのこだわりや特別な生産方法などがあり、これらの要素をアピールすることはお店のコンセプトづくりや集客にも役立ちます。
オーガニックな食材を使いたいお店、地産地消で地域密着型をアピールしたいお店などにもおすすめの仕入先です。
イタリア料理店の仕入先6選を食材ごとに紹介
【精肉】株式会社ミートキムラ-種類や部位が充実-
- 豚肉・鶏肉・牛肉から加工肉まで、豊富な取り扱い商品
- 精肉から内臓肉まで、さまざまな部位が手に入る
- 仕入れ・加工から配送までを自社で一貫対応
株式会社ミートキムラは肉の種類・部位ともに取扱商品の充実した精肉会社です。ブランド肉の取り扱いも豊富で、肉の種類や部位などを細かく選んで仕入れができます。提案力も高いので、お店のコンセプトや開発したいメニューに合った精肉がきっと見つかるでしょう。
仕入れ・加工から発送までを自社で一貫対応しているので安心して利用できます。東京近郊のお店には自社トラックを使って配送をしてもらえます。明るく真心のこもった接客に力を入れており、気持ちよく仕事に取り組めるでしょう。
【加工肉】川島食品株式会社-ミシュラン掲載店でも御用達-
- イタリアンで使う食肉に強い
- 一流レストランやホテルでの仕入実績が充実
- 生ハムやサラミなどの加工肉の取り扱いが豊富
川島食品株式会社はイタリアンやフレンチで使う食肉に強い精肉会社です。「イタリアン・フレンチで使う食肉を任せるなら川島食品」と言われるほどで、ミシュランガイド掲載のレストランやホテルでの仕入実績も充実しています。
加工肉では生ハムやサラミからソーセージまで、加熱・非加熱のものを多数扱っています。精肉の取り扱いも豊富で、豚肉や鶏肉などはもちろん、ラムやジビエといったイタリアンでよく使う肉も種類が充実しています。
【パスタ】有限会社富士食品-イタリア仕込みの生パスタ-
- さまざまな生パスタを扱う専門店
- イタリアから最新のパスタマシーンを導入
- 小ロット・当日発送対応で食材ロスを抑えやすい
有限会社富士食品は生パスタ・生中華麺専門の製麺会社です。イタリアから最新のパスタマシーンを導入し、ロングパスタからショートパスタまで、さまざまな種類を製麺しています。
本場のパスタマシーンを使ったイタリアンのプロも絶賛する仕上がりです。茹で時間は1分45秒~2分前後で食塩も不要、サッと茹で上げられるので、お客さまを待たせずに料理を提供できます。約6ヵ月の冷凍保存もできること、小ロット対応していることから食品ロスも抑えやすいでしょう。
【パン】株式会社サンフレッセ-冷凍パンから焼き菓子まで-
- 冷凍パンから焼き菓子まで、充実した商品ラインナップ
- ベーカリー、スーパー、ホテル、外食産業向けなどに向け幅広く製造
- FSSC22000認証やSUPERIORの取得など、食の安全に真摯に取り組む
株式会社サンフレッセは「焼き立てだけがパンじゃない」を合言葉に、高品質の冷凍パン・冷凍生地を作っています。最新の設備、こだわりの原材料、熟練した職人の3要素がおいしさの秘密です。
食の安全性にこだわり、数々の認証を受けているのも特徴です。安心・安全して利用してもらえるよう、5つの品質方針を掲げて品質とサービスの向上に取り組んでいます。
【小麦粉】増田製粉所-各用途に特化したこだわりの小麦粉-
- 創業100年を超える老舗
- 麺・パン・菓子など用途に応じたさまざまな小麦粉
- 国際規格「FSSC22000」の認証工場で製造
増田製粉所は明治41年創業、100年を越える歴史を持つ老舗です。麺・パン・菓子など用途ごとの小麦粉を豊富に取り揃えています。小麦はさまざまな料理に使う重要な食材です。素材にこだわり抜きたいお店にとって、心強い味方となってくれるでしょう。
2018年には食品安全の国際規格「FSSC22000」の認証を、本社・工場で取得しました。製粉の過程も会社HPで公開している、安心して発注できる製粉所です。
イタリアンでよく使う野菜の仕入先
【トマト】井出トマト農園-トマトに人生をささげる農園-
- 完熟してから収穫することでうまれる、極上の甘み
- おいしい品種を求め、オランダにまで出かけるこだわり
- 生産からパッケージまで一貫生産
井出トマト農園は「トマトは私たちの人生です」とまで語るスタッフたちが運営する農園です。おいしい品種を探すためにオランダにまで出かけるこだわりようで、生産からパッケージまでを農園で一貫して行っています。
トマトが完熟してから収穫することでうまれる極上の甘みは、市販や食材卸から仕入れるトマトではなかなか味わえないでしょう。
トマトジュースやケチャップも製造しています。トマトについて研究しつくし、試行錯誤してうまれた製法で作られるこれらの加工品も要チェックです。
【ナス】佐藤大農園-目でも楽しめるかわいらしい丸ナス-
- かわいらしい見た目の独自のブランド「りんごあめ」
- シンプルだけどこだわり抜いた独自の栽培方法
- 良いものだけを提供するために、規格と等級をあえて廃止
佐藤大農園は独自のブランドナス「りんごあめ」を育てる農園です。りんご飴のような形の可愛らしい形が特徴で、うまみがぎゅっと詰まっています。お客さんの舌だけでなく目も楽しませられるでしょう。ナスは常温で保存できるため、カウンターやテーブルから見える位置に置いておくこともできます。
おいしさの秘密は独自の栽培方法と選別へのこだわり。栽培方法はいたってシンプルですが、花の紫の濃さを見たり、葉っぱやビニール下の土を触ってみたり、つぶさに観察しながら手をかけてあげます。
まるで我が子を育むように育てられたナスは、「良いものだけを提供したい」という想いのもと出荷されます。規格(サイズ)と等級(品質)をあえて廃止し、自らの目で自信を持って提供できるナスだけを見極めます。
【ロメインレタス/ルッコラ】やまひこ農園-イタリアンに欠かせない野菜を栽培-
- 静岡市小阪で農業一筋250年
- ロメインレタスやルッコラ、トマトなどイタリアンに欠かせない野菜を栽培
- おいしさと安全にこだわり抜いた農作物をお届け
やまひこ農園は静岡市小阪で250年続く老舗の農家です。ミニトマトやサラダ野菜を主として、ロメインレタスやルッコラなどのイタリアンに欠かせない野菜も栽培しています。
ロメインレタスは結球させずリーフの状態で収穫・出荷。色鮮やかな葉色が特徴で、サラダの色合いを良くしてくれるでしょう。ルッコラは長期にわたり自家採種をくり返し、圃場に適したものを選んで栽培しています。
【ズッキーニ/サラダ野菜】どんぐり農園
- 日本有数の規模と歴史を誇るレタス産地、静岡県吉田町から直送
- 暖かく日照時間の長い恵まれた条件から生まれるしゃきしゃきレタス
- 土作りから収穫まで、綿密な計画と管理から生まれる品質
どんぐり農園はレタスの名産地・静岡県吉田町にある農園です。レタスはもちろん、ズッキーニやキャベツ、たまねぎ、ヤングコーンなど、サラダに欠かせないさまざまな野菜を栽培しています。
吉田町は冬でもあたたかく、日照時間が長いです。この恵まれた気候の中で育つしゃきしゃきの冬レタスはサラダにピッタリでしょう。
イタリア野菜として知られるズッキーニも育てる珍しい農家で、イタリア料理店にとっては心強いパートナーといえます。
豊かな食材はイタリアンの命!お店のコンセプトに合った素材を仕入れよう
大航海時代、イタリアの貿易港には世界中の食材が集まってきたといいます。料理にさまざまな食材が使われること、地方色豊かな料理が多いことは、イタリアの歴史に由来しているのでしょう。
豊かな食材を活かした味と見た目こそがイタリアンの特徴といえます。イタリア料理店ではコンセプトやどの地域の料理を出すのかハッキリさせること、食材の一つひとつにこだわり抜くことが大切です。
本記事で紹介してきたメーカーや生産者は、どこもこだわり抜いて食材を作っています。味や見た目はもちろん、生産者のこだわりや歴史といったストーリー性も抜群です。これらの要素は集客やリピーター獲得にも役立つでしょう。
記事で紹介した仕入先の中で気になるところがあったら、まずは公式サイトを覗いてみてださい。記事では紹介しきれなかったこだわりポイント、どんな食材を扱っているのかをチェックしてみましょう。