【飲食店向け】もち米の仕入先おすすめ8選|うるち米との違い、品種や選び方も解説

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もち米は品種や生産地により食味が異なります。素材の味や食感、風味を活かした料理が多いため、メニューに合ったもち米を吟味しなくてはなりません。本記事ではもち米はどこから仕入れればいいのか、品種や生産地の選び方と併せて解説します。

もち米と普通の米(うるち米)の違い

もち米は赤飯やおこわ、お餅などに使われる米です。私たちが普段食べている普通のお米はうるち米と呼ばれます。

もち米とうるち米では食感が違いますが、それはお米の主な成分である「でんぷん」の違いによるものです。うるち米のでんぷんはアミノペクチン8:アミロース2で成分構成されているのに対し、もち米の成分構成はアミノペクチン10です。

アミノペクチンがもち米の粘り気の正体です。アミノペクチンは熱水ででんぷん粉を生じる性質を持ち、これにより粘り気のある食感が生まれます。一方のアミロースはパラパラとした食感を生み出します。

もち米を選ぶ5つのチェックポイント

もち米の風味や食感は産地や品種、収穫時期などにより変わってきます。飲食店では食材ロスを抑えたり、できるだけ新鮮な状態で料理を提供したりする必要もあり、サイズや最小ロットも気にしなければなりません。

飲食店がもち米を選ぶ5つのポイントを紹介します。

有機JASマーク

飲食店がもち米を選ぶ1つ目のポイントは「有機JASマーク」です。JASマークとは、日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づく規格(JAS)を満たしていることを示すマークです。JASマークのある食品は国が制定した規格を満たしています。

JASマークにはいくつかの種類があり、中でも有機JASマークは有機食品のJASが適合した生産が行われていることを証明しています。有機JASマークがない農産物には「有機」「オーガニック」などと表示することはできません。

つまり、有機JASマークのある農産物はオーガニックな方法で育てられた、安心・安全できる農産物といえます。オーガニック志向や健康意識の高い人も多い現代において、有機JASマークのある食材を仕入れ、それをアピールすることは集客やブランディングにつながるでしょう。

ただし、有機JASマークがあるからといって、農薬を全く使っていないわけではありません。化学的に合成された肥料や農薬の使用を避けて、有機JASマークのある農作物は育てられています。このことを念頭に置き、誤った宣伝をしないように気をつけましょう。

収穫時期

飲食店がもち米を選ぶ2つ目のポイントは「収穫時期」です。一般的に、もち米は9月下旬から10月にかけて収穫されます。収穫した年の12月31日までに包装されたお米が「新米」と認められ、収穫から1年目に「古米」、2年後に「古古米」というように、年数が増えるほど「古」の字が増えていきます。

保存が利くため意識しづらいですが、お米は生鮮食品です。時間が経つほど味が落ち、米臭という独特の臭いが生じるようになります。炊き上がりも粘り気が少なく、パサつくようになります。

もち米において粘り気は大切です。うるち米と異なり、丼物や炒飯のような濃い味付けをすることも少なく、素材そのものの食味を引き立てる食べ方が多いです。

うるち米でもそうですが、もち米も新鮮なうちに使い切ること、古くなったものはお客さんに出さずにまかないなどに使うことを意識しましょう。

生産地

飲食店がもち米を選ぶ3つ目のポイントは「生産地」です。お米の美味しさは気温・土壌・水質といった自然条件に大きく左右されます。もちろん品種も大切ですが、品種ですべてが決まるわけではありません。

一般的に、枝分かれまで高温多湿な気候であり、開花後の日射量が多い地域でお米は美味しくなります。日本は米作りに適した気候であるため、国内産のものがおすすめです。こだわるなら、同じ品種のもち米でも食べ比べてみて、お店のイメージに近いものを探してみましょう。

サイズ

飲食店がもち米を選ぶ4つ目のポイントは「サイズ」です。先述の通り、お米は生鮮食品です。できるだけ新米を仕入れ、新鮮なうちに使い切ってしまいたいものです。仕入れの際はサイズや最小ロットも確認し、無理なく使い切れるかを考えましょう。

品種

飲食店がもち米を選ぶ5つ目のポイントは「品種」です。もち米にはさまざまな品種があり、食味やコシなども品種ごとに異なります。次からはもち米の主な品種を紹介するので、仕入れの参考にしてみてください。

もち米の主な品種

もち米の主な品種は「こがねもち」「ヒメノモチ」「ひよくもち」「はくちょうもち」の4つです。

こがねもち

こがねもちはもち米の王様とも呼ばれる品種で、餅作りに特に適しています。コシが強くよく伸びるお餅を作れるでしょう。もちもちとした食感はもちろん、滑らかな舌触りも特徴的です。新潟県で多く生産される品種ですが、宮崎県で作られるこがねもちは「みやこがね」と呼ばれています。

ヒメノモチ

ヒメノモチはこがねもちの後継品種で豊かな風味、ふっくらした歯ごたえ、滑らかな口当たりが特徴です。あっさりとした味わいなので、おこわや赤飯に適しています。岩手県をはじめとする13県で作られ、生産量も特に多いので、安定して仕入れられるでしょう。

ひよくもち

ひよくもちは強いコシと粘り気、細かなきめが特徴のもち米です。炊いてからも硬くなりにくく、餅はもちろんおこわやちまきにも適しています。佐賀県を中心とした九州のみで生産される品種です。

はくちょうもち

はくちょうもちは冷めてもやわらかさが続くもち米です。粘りも強く、赤飯やおこわ、大福などに適しています。北海道のみで生産される品種で、特に名寄市は日本一の産地といわれています。

もち米の主な仕入先

もち米の主な仕入先には食材卸や米屋、農家などが挙げられます。発注ミスや在庫切れに備えて、いざというとき買出しに走れる業務用スーパーも見つけておきましょう。

業務用スーパー

業務用スーパーでは業務サイズの食品を安価で購入できます。掛け払いができること、食材の種類では次に紹介する食材卸に、もち米の種類やこだわりは後述する米屋や農家には劣りますが、お店の営業中ならいつでも買いに行けるのが便利です。

基本の仕入先とは別に、食材を切らしてしまったときのために、お店の近くにある業務スーパーは把握しておきましょう。

食材卸

食材卸からはうるち米・もち米はもちろん、さまざまな食材を仕入れられます。お店まで食材を配送してもらえること、掛け払いができることなどメリットも多いです。

ただ、もち米にこだわるならこの後紹介する米屋や農家からの仕入れがおすすめです。

米屋(米穀店)

米屋(米穀店)は主に農協から卸される米を扱う販売店のことです。その地域の米の扱いが豊富なことが多く、地産地消の促進にもつながります。地元でとれた米や野菜などの農作物を使っていることは、お店のアピールポイントにもなるでしょう。

農家

米や農作物などの素材にこだわるなら、農家からの直接仕入れもおすすめです。生産者の顔が見えること、オーガニックな方法で育てられた米を使うことは、お客さんの安心につながります。

こだわりを持って米づくりをしている農家を仕入先に選ぶことで、集客の材料も増えるでしょう。その米がどんな風に育てられたのかという情報は、お店とメニューのセールスポイントになります。

飲食店におすすめのこがねもちの仕入先2選

飲食店におすすめのこがねもち(コシが強く餅作りにおすすめ)の仕入先を2つ紹介します。

きたえちご米店-豊かな自然と人が育てるお米-

  • 土壌調査と田んぼの状態に合わせた肥料設計
  • 種植えから発送まで、各工程を一貫して自社で
  • 豊かな自然と人に囲まれた育つお米

きたえちご米店は米どころ新潟の聖籠町というところにあります。新潟県で唯一人口が減っておらず、子育て政策にも熱心と有名な町で、豊かな自然と人に囲まれてお米が育ちます。

土壌調査をし、田んぼの状態を見ながら有機肥料を使ったり、種植えから発送までのさまざまな工程を自社で一貫して行ったり、お米を丁寧に育て届けてくれます。

詳細はこちら:新潟 コシヒカリ こしいぶき- きたえちご米店-新潟県聖籠町からおいしいお米をお届けします。

傳次右衛門-490年続く老舗-

  • 越後で490年余り農業を営む
  • 農薬9割減、新潟県認証の特別栽培米
  • 無農薬のコシヒカリ

傳次右衛門は越後(新潟)で490年余り続く農家です。越後の豊かな自然を大切にしながら、人にも自然にも優しい食べ物を育て続けてきました。

農薬9割減の特別栽培米を産地直送、無農薬のコシヒカリも栽培しています。もち米もうるち米も、高い品質のものを仕入れられるでしょう。

詳細はこちら:令和4年産 新米 新潟コシヒカリ・新之助 無農薬 販売 傳次右衛門

飲食店におすすめのヒメノモチの仕入先2選

飲食店におすすめのヒメノモチ(ふっくら滑らかな口当たりでおこわや赤飯におすすめ)の仕入先を2つ紹介します。

サンファームしらたか-山形ならではの気候で育ったお米-

  • 自然豊かな山形県白鷹の自然がお米を美味しく
  • 熱い思いをもったスタッフたちが協力
  • 切り餅や桜など、お米以外の仕入れも

サンファームしらたかは自然豊かな山形県白鷹にある農家です。豊かな水と土壌、山からの風、昼夜の寒暖差など、白鷹には美味しいお米が育つ環境がそろっています。

そんな自然の恵みを受けて育ったうるち米・もち米はもちろん、切り餅や桜の販売も行っています。食材だけでなく、店内を彩りお客さんに季節を感じさせる桜を仕入れるのもいいでしょう。

詳細はこちら:サンファームしらたか

暮坪農場-業務用大歓迎-

  • 業務用仕入れも大歓迎
  • 「おいしいお米ベスト10」で岩手県第1位
  • 独自検査により放射性物質不検出を確認

暮坪農場は年間60~80トンほどのお米を栽培し、業務用仕入れも大歓迎と謳う農家です。暮坪農場で育ったヒメノモチを使ったお餅はやわらかく、団子屋さんにも納品されています。

日本食学協会の「おいしいお米ベスト10」で岩手県第1位、全国第5位を獲得した実績をもつ、おいしいお米を仕入れられます。

詳細はこちら:岩手県産ひとめぼれの通販|おいしいお米・有機米栽培は岩手の【暮坪農場】

飲食店におすすめのひよくもちの仕入先2選

飲食店におすすめのひよくもち(炊いてからも硬くなりづらく、おこわやちまきにおすすめ)の仕入先を2つ紹介します。

栗林米穀-佐賀県産ひよくもちを500円~-

  • 佐賀県産ひよくもちを500円/1kg~
  • 減農薬栽培やこだわり栽培のお米を各種取り扱い
  • おしゃれな包装で店内のインテリアにも

栗林米穀は佐賀県から美味しいお米を届ける米穀店です。佐賀県産ひよくもちを1kgから、500円/kgで注文できます。もち米以外にも減農薬栽培やこだわり栽培のお米を多数取り扱い。

手のひらサイズのおしゃれな包装の商品も多く、見せる収納で店内のインテリアにするのもいいでしょう。

詳細はこちら:栗林米穀|九州の佐賀県産のお米を中心にお米通販(新米・玄米・白米・米粉の精米販売)

株式会社 毛利米穀-農業に取り組む米穀会社-

  • 安心・安全なお米を自ら育てて出荷
  • 各拠点に放射能測定器を設置し、常に安全チェック
  • 全国の農家とネットワークを築き安定供給

株式会社 毛利米穀は代表自らも農業に取り組む米穀会社です。米を売るだけでなく、自らも作っているからこそ、安心・安全・おいしさにこだわり責任を持って出荷しています。

全国の米作大型農家とネットワークを築いているのも特徴です。これにより、たしかな品質のお米を安定して仕入れられるでしょう。

詳細はこちら:株式会社毛利米穀 米販本舗

飲食店におすすめのはくちょうもちの仕入先2選

飲食店におすすめのはくちょうもち(粘りが強く赤飯やおこわ、大福などにおすすめ)の仕入先を2つ紹介します。

中川米穀株式会社-身土不二、医食同源-

  • もち米・玄米・お餅まで、さまざまな農作物を取り扱い
  • 全国米・食味鑑定コンクール3年連続金賞受賞のお米
  • 野菜や自然卵なども充実

中川米穀株式会社は身土不二、医食同源を掲げる米穀会社です。身土不二とは人間の体は暮らす土地と切っても切れない関係にあることを、医食同源は健康増進において医療も食事も本質的に同じでありどちらも重要であることを意味します。

健康のためには自然との調和や食べ物が何より大事と考え、自信を持って提供できる農作物を扱っています。

詳細はこちら:中川米穀株式会社

旭川食糧株式会社–

  • 昭和30年創業の老舗
  • 北海道のさまざまなお米を取り扱い
  • 水産品や調味料などの扱いも豊富

旭川食糧株式会社は昭和30年から続く老舗で、米はもちろん水産品や調味料など、北海道の美味しい食材を届けてくれる会社です。白米はもちろん無洗米の扱いも充実しているため、オペレーションコストを削減したい飲食店にもおすすめできます。

詳細はこちら:旭川食糧お米SHOP / TOPページ

メニューに合ったもち米を仕入れて、ライバル店と差をつけよう

もち米は品種はもちろん生産地によって食味が大きく変わります。どんなメニューに使うのかによっても、選ぶべきもち米は変わってきます。

本記事で紹介した仕入先の中で気になるところがあったら、まずは少量を注文し、試食してみましょう。

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