味噌にはどんな種類がある？4つの味噌の特徴
味噌の主な原材料は「大豆、塩、麹」ととてもシンプルです。ですが、大豆と塩にどのような麹を加えるかによって種類が異なり「米みそ」「豆みそ」「麦みそ」の3種類に分けられます。さらに、数種類の味噌を混合したものは「調合みそ」と呼ばれています。
米みそ
米みそは米麹を使って作られます。全国で生産されている、最も一般的な味噌です。大豆、米麹、塩を原材料とし、約6ヵ月の熟成期間を経て作られます。甘口や辛口など作り方によって種類が異なるのも特徴の1つです。
豆みそ
豆みそは主に愛知県、三重県、岐阜県などの東海地方を中心に生産されている味噌です。大豆に麹をつけた豆麹、大豆、塩を原材料とし、約2年の長期の熟成期間を経て作られます。甘味が少なく濃い色味が特徴です。
麦みそ
麦みそは麦麹を使用して作られます。主に中国地方や四国地方、九州地方で生産されており、米みそにくらべ麹の割合が高く熟成期間も短いので甘味が強いのが特徴です。
調合みそ
調合みそは複数の麹や、米みそと麦みそなどの異なる味噌を2種類以上混ぜ合わせたものを指します。調合みそは、混ぜ合わせる麹の相乗効果により、マイルドな風味が生まれるのが特徴です。
”ご当地みそ”で、ストーリー性の高いお店づくりを
味噌の発酵熟成は、微生物の働きによって決まります。先に紹介した4つの味噌も、気候風土や環境、水質、蔵など様々な条件のもと微生物の働き方が変わることで特徴に大きな違いが出ます。
| 名称 | 地域 | 特徴 |
| 北海道みそ | 北海道 | ・辛口の米みそ ・麹歩合はやや高く塩分控えめ ・すっきりした芳醇温和な味 |
| 津軽みそ | 津軽 | ・赤色の中辛～辛口の米みそ |
| 仙台みそ | 仙台 | ・米麹と大豆で作られた辛口の赤味噌 ・そのまま食べれるほど風味が高い |
| 秋田みそ | 秋田 | ・色は赤色～淡色系 ・米麹の甘い香りが目立つ |
| 会津みそ | 会津 | ・米麹みそで赤色、辛口が特徴 |
| 越後みそ | 越後 | ・華やかな発酵、熟成の香りと深く豊かな味わい ・バラエティ豊か ・上越、中越、下越、佐渡の4ブロック構成 |
| 信州みそ | 信州 | ・光沢のある冴えた山吹色 ・酵母と乳酸菌の働きにより、さっぱりとした旨味と豊かな芳香を併せもつ |
| 江戸甘みそ | 東京 | ・塩分はやや少なめ、色は濃い赤褐色 ・さっぱりとしたクセのない味 |
| 加賀みそ | 加賀 | ・長期間熟成による濃厚な味とコク |
| 東海豆みそ | 愛知、三重、岐阜 | ・大豆の濃厚な旨味 ・ほかの味噌にはない独特な風味 |
| 関西白みそ | 関西 | ・米麴による甘口の淡いクリーム色が特徴 |
| 府中・広島みそ | 広島 | ・大豆を多く使用した甘味噌 |
| 瀬戸内麦みそ | 愛媛、山口、広島 | ・淡色な色合いと、上品な甘さ |
| 御膳みそ | 徳島 | ・甘さと濃厚さを兼ね備えている |
| 讃岐みそ | 讃岐 | ・白味噌のなかでも米麴の割合が高い ・塩分5%と少なく、コクのある風味とさっぱりとした甘味が特徴 |
| 九州麦みそ | 九州 | ・麦麹由来の甘味と香りが特徴 ・お料理のバリエーションも広がる |
素材にこだわるなら、やっぱり醸造元から仕入れたい
味噌の仕入れは業務用スーパーでも可能ですが、日本には数多くの醸造元が存在しています。各醸造元では長年にわたって歴史や伝統を受け継いでおり、素材もこだわり抜いて味噌を製造しています。
味噌の原料は大豆、塩、麹とシンプルですが、品質のよいものを扱うかによって完成後の味に大きな影響をもたらします。そのため素材は非常に重要です。素材にこだわるなら、醸造元から仕入れることをおすすめします。
飲食店はどこから味噌を仕入れる？醸造元の選び方
これだけ味噌の種類があると一体どこから仕入れればいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。ここでは味噌の醸造元の選び方について説明します。
まずは仕入れたい味噌の種類や味をイメージする
先にも紹介した通り、日本には数十種類以上の味噌が存在しています。それぞれの味噌の特徴や味を理解したうえで、自分のお店と合う味噌を仕入れることをおすすめします。
ブランディングにも活かせる、伝統ある醸造元を選ぶ
醸造元の中には「老舗〇百年の歴史」や「〇〇時代から続く伝統」など、多くの歴史や伝統を継承し続ける会社も多いです。これらの醸造元から味噌を仕入れることは、お店のブランディングにも活かせます。どんなお店を作りたいか考え、コンセプトと合う、伝統ある醸造元を選んでみてはいかがでしょうか？
送料やロットなど融通が利く醸造元を選ぶ
いざ醸造元を決めたはいいものの、送料が高く手を出しづらかったり、小ロットからの発注に対応していなかったりすると管理に苦労するでしょう。
仕入先には、小ロットからの発送等に対応している会社を選ぶのがおすすめです。送料やロット、配送日などでどのくらい融通が利くのか公式HPを見ただけではわからないことも多く、一度問い合わせや交渉をしてみてはいかがでしょうか？
飲食店におすすめな、米みその仕入先6選
飲食店におすすめな米みその仕入先を5つ紹介します。米みそを仕入れようと思っている方は、最適の仕入先を見つけられるかもしれません。
株式会社峰村商店-越後味噌-
・1905年（明治38年）創業の老舗味噌蔵
・伝統的な大豆半煮・半蒸し製法で作り上げる越後味噌
・米どころ新潟で作り上げるお米の甘みと大豆の旨味が特徴のバランスの良い味わい
創業以来、100年以上味噌・糀を作り続けています。お米と大豆がバランスよく配合された越後味噌はどんな食材とも相性が良く、新潟県内の割烹・料亭から県内外のラーメン店様、また医療機関や学校まで様々な業種の方に多く使われている味噌になります。赤味噌・白味噌など種類もありますのでご自身のブレンドによりオリジナルの味を作り出す事も可能です。
| 取扱商品／種類 | 麹歩合6割（上撰白、上撰赤、別撰味噌）/麹歩合8割（越後のこころ、ふるさと越後/ 麹歩合8割（雪国越後、越後味噌赤粒1kg）/麹歩合11割（雪ひかり、越後白味噌）/ その他に麹歩合/6割に酒精を加えない味噌（無添加味噌）も取扱あり |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
有限会社丸井伊藤商店-信州みそ-
- 創業100年の歴史と信州の気候が生んだ味噌
- 小ロットから、オリジナルの味噌を作ることが可能
- 品質面・物量の双方で安定供給が可能
明治維新前から味噌を商っており、味噌の扱いには100年の蓄積があるのが特徴です。八ヶ岳山麓から湧き出る名水や、昔から手造り蔵に居ついた醸造菌、檜の大樽、職人の伝統の技によって生まれる信州味噌は個性に溢れています。OEMや小ロットにも対応しているため、店舗のオリジナルメニューの開発にもおすすめです。
詳細はこちら：信州味噌、信州お漬物、甘酒、どぶろく、味噌ラーメン、味噌プリンなど発酵食品製造販売元「丸井伊藤商店」 | 信州味噌をお求めなら
| 取扱商品／種類 | 淡色味噌タイプ（糀味噌、超特選味噌、甑味噌） 赤味噌タイプ（ダイヤ味噌、浮き糀味噌、吟醸味噌、天然蔵二年味噌） 塩分控えめタイプ（塩分控えめ味噌、甘こうじ味噌） かわり味噌（霊芝味噌、金山寺味噌） |
| サンプル取り寄せ | あり |
| 小ロット対応 | あり（要問い合わせ） |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
マルシチ津軽味噌醬油株式会社-津軽みそ-
- 大鰐温泉の温泉熱を利用して発酵・熟成させた津軽味噌
- 津軽産おおすず大豆を100％使用
- 深くまろやかな風味が特徴
津軽の赤味噌はより大豆の香り、旨味が感じられお米の甘みも凝縮されています。白味噌は赤味噌に比べ、大豆の香りや旨味もあっさりした味わいです。
詳細はこちら：マルシチ – 津軽味噌醤油株式会社
| 取扱商品／種類 | 十割糀味噌（津軽味噌「伍」赤味噌・白味噌、蔵自慢 赤みそ・白みそ） 八割糀味噌（ゆのまち 津軽味噌赤味噌・白味噌） |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
有限会社今野醸造-仙台みそ-
- 自社農場産の大豆・米を100％使用した安心安全、無添加の味噌
- OEM商品も製造可能
- 1㎏単位で好きな味噌を購入可能
味噌はシンプルな原料から造り上げる調味料であり、だからこそ、高品質の原料と磨かれた技術と完成が必要です。通常の味噌造りに比べ非常に多くの手間と時間をかけ、想いのすべてが詰め込まれたお味噌が特徴です。
詳細はこちら：有限会社今野醸造
| 取扱商品／種類 | 無添加仙台味噌／無添加糀味噌／無添加合わせ味噌／無添加仙台味噌釜神 |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
会津天宝醸造株式会社-会津みそ-
- 創業1871年から続く老舗味噌屋の伝統の味
- 会津の気候が生む、風味豊かな味わいが特徴
- 農林水産大臣賞受賞商品多数
約300年前に誕生した会津味噌の歴史と伝統を今日まで継承しています。会津産こしひかり米と地大豆、天日塩をした味噌は麹の風味や舌触りがよく、芳醇で香りのしっかりとした旨味が特徴です。
詳細はこちら：会津天宝醸造株式会社 | 会津味噌の300年の歴史と伝統を継承、そして、食卓を楽しく豊かに
| 取扱商品／種類 | 会津こしひかり味噌／会津玄米みそ／大豆もお米も有機100％みそ／田舎みそ／こうじみそ |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
株式会社日出味噌醸造元-江戸甘みそ-
- 光沢のある茶褐色の外見からは想像もつかないほどの甘みを醸し出す
- たっぷりの糀を使った甘みと、少ない塩分が特徴
- 江戸・東京の代表的な味噌として長く庶民から愛されている
江戸甘みそは動物性の食材に適しています。味噌が持つ本来の甘みやうまみが素材の味を引き立ててくれるとともに、出来上がりの料理を「こく」がある深い味わいに仕上げます。
詳細はこちら：みそピー、コチュジャン、江戸甘味噌は日出味噌｜日出味噌醸造元
| 取扱商品／種類 | 江戸甘みそ |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
飲食店におすすめな、豆みその仕入先2選
続いては豆みその仕入先を2つ紹介します。甘味が少なく濃色が特徴の豆みそを仕入れてみてはいかがでしょうか？
合資会社八丁味噌（カクキュー）-八丁みそ-
- 江戸時代から370年以上変わらない伝統製法
- 大豆のうま味を凝縮した濃厚なコクと少々の酸味・渋味が特徴の八丁味噌
- 八丁村の自然の中でしか生まれない奥深い味わい
八丁みその特徴は大豆と塩のみを原料し、天然醸造で熟成させてできる独特な風味です。中でも矢作大豆で造った八丁みそは上品ですっきりとした味わいに仕上がっており、味わい深い味噌と評判です。
詳細はこちら：合資会社 八丁味噌／株式会社 カクキュー八丁味噌
| 取扱商品／種類 | 八丁味噌（矢作大豆、北海道産大豆、有機大豆、三河産大豆、国産大豆、有機国産大豆） 赤出し味噌（有機、無添加、もみじ印、その他） |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
中利株式会社-OEM対応-
- 愛知県・知多半島、醸造業の街として栄える半田市で製造された味噌
- 特徴は歴史が創り出すコクの深さ
- OEM対応可能
廃業した酒造会社の建物を買い取り、1896年（明治29年）に商売を始めて以来続く老舗です。「酒屋でつくったみそ・しょうゆは美味しい」という定説も手伝い、多くの人に愛されています。
詳細はこちら：中利株式会社｜創業1896年-豆みそ・たまりしょうゆ醸造元
| 取扱商品／種類 | 八丁みそ |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
飲食店におすすめな、麦みその仕入先2選
最後に麦みその仕入先を2つ紹介します。麦みそは製造している醸造元がとても少なく貴重なので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか？
ヱビス味噌醸造元 蛭子屋合名会社-九州麦みそ-
- 特別でも最上級でもない、毎日使えて毎日が楽しくなる味噌を提案
- 日本全国や海外へも輸出をしている
- 希望に合わせたオリジナルレシピの味噌も製造
ヱビス味噌では米みそ6種類、麦みそ2種類、合わせみそ2種類の計10種類の味噌を製造しています。ラーメン用や貝汁専用など、さまざまな用途に合わせて使用することができるのでおすすめです。
詳細はこちら：ヱビス味噌 yebisu miso | 蛭子屋合名会社について
| 取扱商品／種類 | 米みそ／麦みそ／合わせ味噌 |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
マルマサ醤油株式会社-瀬戸内麦みそ-
- 日本で僅か5%の地域でしか造られていない麦みそを製造
- すっきりした香りと、コクのある甘みが特徴
- 品質基準の高い国産原料100％使用
瀬戸内愛媛の麦みそは塩分控えめ、食物繊維たっぷりの麦で造るヘルシーな味噌です。国産原料100％。無添加仕込みのたっぷりの麹が生み出す自然な甘みが自慢だといいます。
詳細はこちら：マルマサ醤油株式会社 ふるさとの醤油と味噌を蔵出直送中!!
| 取扱商品／種類 | 田舎みそ（麦の味噌） |
| サンプル取り寄せ | 要問い合わせ |
| 小ロット対応 | 要問い合わせ |
| 発送期間 | 要問い合わせ |
味噌の味とストーリーを活かして、お店をブランディングしよう
これまで紹介してきた通り、味噌は気候風土や環境、水質、蔵など地域によってさまざまな特徴を持っており、地域ごとにその味噌を活かした料理が存在しています。まずは日本にはどんな味噌があって、どのような歴史のなかで造られてきたのかを知ってみるのも面白いです。
そして、自分のお店をどうブランディングしていきたいのかを明確にし、それに合う最高の味噌を見つけましょう。
